年々過酷さが増す夏の暑さに対して、どのような対策ができるのか。
公共R不動産研究所では、「どうする? 猛暑の公共空間デザイン」という連載で、ソウルと東京の猛暑対策の比較や、実際のソウル視察記事(#01、#02、#03、#04)を通して、行政が主体となって実施している暑さ対策の取り組みを紹介してきました。

関連
どうする? 猛暑の公共空間デザイン #01 暑さを乗りこなす世界の都市から考える
ソウル市としての暑さ対策に関する政策についてはこちらの記事をどうぞ
どうする? 猛暑の公共空間デザイン #02 ソウルと東京の猛暑対策(研究員対談)
https://www.realpublicestate.jp/post/publicspacedesignforextremeheat-02/
どうする? 猛暑の公共空間デザイン #03 いざソウル視察!〈視察編〉
https://www.realpublicestate.jp/post/publicspacedesignforextremeheat-03/
どうする? 猛暑の公共空間デザイン #04 いざソウル視察!〈考察編〉
https://www.realpublicestate.jp/post/publicspacedesignforextremeheat-04/
そんなソウル視察で出会った延世大学気候適応リビングラボ研究事業団のみなさんと、品川区・大井町駅前の交差点で日よけパラソルの実証実験を実施することになりました。

品川区では、官民共創オープンイノベーションプラットフォーム「しながわシティラボ※」という仕組みがあり、民間からの提案で実施される実証実験をサポートする制度があります。
今回は、しながわシティラボの「品川区の夏を冷やす暑熱対策ソリューションの共創」というテーマに対して、「横断歩道前における日傘設置効果社会実験」を提案し採択されました。
暑い夏、横断歩道の信号待ちは避けることができない滞留時間であり、歩行者にはストレスが発生しています。
品川区では今年度、暑熱対策都市戦略(シェードポリシー)の策定を進めており、「日陰」を軸に都市空間を再設計し、暑さ対策を環境施策にとどめることなく、都市戦略として位置付けていくための検討を行っています。
こうした中、「移動の途中に生じる暑さ」に対し、まちなかに日陰をつくることで、より快適に歩ける環境をつくることができないか、その効果や実現可能性を検証し、戦略への反映を検討することを目的としています。
本実験では、韓国の先進事例を参考に、歩道に仮設の日よけ(大型パラソル)を設置し、暑熱環境の改善効果や利用者のニーズを確認するとともに、日本の道路空間への導入に向けた安全面や運用面などの課題を検証します。
※しながわシティラボとは:
品川区では、大学・研究機関、民間事業者と連携し、SDGsに資する地域課題の解決を図るため、「しながわシティラボ」を運営しています。区をフィールドとした社会実装を目指す提案を民間企業や大学等から募集し、社会課題の解決に資する技術やノウハウ、アイデア等の提案を受け付け、社会実験の場等を提供することで、新たなソリューションを創出するとともに、行政および企業等における双方向の連携を推進しています。
https://shinagawa-citylab.jp/issues/c3zV84zBaNg
【社会実験の概要】
・日よけ設置期間: 2026年10月2日(金)~10月5日(月)の4日間(各日 9:00~15:00)
・設置場所: 大井町駅 西口 歩道 (①三菱UFJ銀行前、②阪急百貨店前)

この夏も日本では、信号待ちというちょっとした時間でも、建物や電柱の影をうまく隠れたりしながら、日陰を求める人々を目にしました。
こうしたパラソルやスマートシェードの設置は、日本でも神戸市や千代田区が実験的に取り組みを始めていますが、公共R不動産研究所では、こうした暑さに対処したり、都市を快適にするための取り組みが、総合的な「都市政策」の一環として実行され、都市の熱環境そのものを変えていくような議論にまで繋げられれればと思っています。
期間中、大井町駅近くにお越しの方は、ぜひ体験してみてください!
現地ではアンケート調査も行っておりますので、生の声を聞かせていただけると嬉しいです。
実験の結果についても、今後の記事でレポートしていきます。




