2025年度に公共R不動産のメンバーが実際に現地を訪れて「いいな」と感じた公共施設、パブリックスペースをご紹介します。公園や道路空間、墓地、個人が手掛けるパブリックスペースなど、世界各地や日本全国に点在する多彩なスポットをピックアップ。気になる場所があれば、ぜひ訪れてみてください!
※公共R不動産による独断と偏見でピックアップしています。

朝から晩まで賑わうソウル市民の憩いの場
汝矣島漢江公園と漢江(ソウル,韓国)
金子さん

死と生と日常を、あたたかく受け止める森
森の墓地-スクーグシュルコゴーデン(ストックホルム,スウェーデン)
https://skogskyrkogarden.stockholm/en/
鎌田さん
公共R不動産の(自称)お墓担当として念願だった森の墓地。建築家グンナール・アスプルンドの代表作であり、世界遺産にも認定されています。ストックホルム中心部から電車で15分ほど、駅の目の前に約100haの森と10万基以上のお墓が広がります。森の中を歩いていくと、散歩やランニングをしている人とすれ違い、都市や日常との距離の近さを感じます。火葬場やチャペル、墓石が森の一部のように佇んでいて、歩くだけでスウェーデンの「死者は森へ還る」という死生観や、「Lagom(ちょうどいい)」という哲学を感じることができます。-10℃の大雪の日に、異邦人がひとりで歩いていてもなんだかあたたかい、不思議な包容力のある墓地でした。

築40年を超えてなお新しい、地域にひらかれた市役所の原点
名護市庁舎(沖縄,名護市)
https://www.city.nago.okinawa.jp/about/2018072000468/
菊地さん
日本建築学会賞も受賞している名建築。設計した象設計集団が好きなこともあり、老朽化による移転の議論もあるため、現役の姿を目に焼き付けておきたい!と行ってきました。暑い沖縄の風土に馴染むよう、半屋外空間がふんだんに設けられ、植物が建物に巻き付く様子は、公園が立体的に広がっているようでした。休庁日でもテラスを自由に歩き回ることができて、空間自体を楽しむこともできました。テラスには無造作にテーブルやベンチも置かれていて(笑)、日常に馴染んでいる様子が伺えました。市民にとって、手続きをするだけでなく、憩う場所になっているんだなと思い、40年以上経った現代的な新しさを持つ思想に触れた気がしました。

2階で映画をやるということ
2階シネマ(千葉県,東金市)
https://www.instagram.com/2kaicinema/
小柴さん
私の最近のお気に入りの場所「二階シネマ」は、自宅の2階をセミパブリックとして開放する試みから生まれた、小さな映画館。近隣に映画館がないこのエリアに、千葉市から移住してきた夫婦が古民家をリノベーションし、上映の場をひらいたのだそうです。家具職人である夫の工房に併設された母屋には、丁寧につくられた家具があちこちに並び、その空間で妻が映画を上映しています。ラインナップは少しマニアックですが、それもまた魅力のひとつ。知人づてにじわじわと評判が広がっているそう。窓の外には瓦屋根の風景が広がり、映画と日常がゆるやかにつながるような心地よさがあります。こんなふうに、自宅の一部をひらくあり方もあるのかもしれません。

都市の魅力とポテンシャルを再発見する空中歩行空間
Roof Park STREET……KK線/旧東京高速道路(東京都中央区)
https://roofpark.com/ja/
木下さん
東京の銀座・新橋エリアを3つの区にまたがる全長約2kmの自動車専用高架道路、KK線を、車のための場所から、人のための場所へと生まれ変わらせる「Roof Park Project」が進んでいます。その一環として開催された「Roof Park Fes& Walk」は、歩行者空間化したKK線の姿を体感できるイベント。車しか入れなかった場所を歩くだけでも楽しいのはもちろん、新たな目線からの銀座の風景は発見がいっぱい。道幅や面するビルの高さによって変わる街との距離感や居心地、人が入る想定がないからか思いのほか柵が低いこと(横を通り抜ける新幹線も大迫力)、休憩所に設定されたスペースに座ってみると、豊かな緑があることに気づいたりもして、土木インフラと都市との応答が楽しい空間でした。
昨年版、2024年度 公共R不動産メンバーが行ってよかった公共空間もあわせてどうぞ。
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2024年度 公共R不動産メンバーが行ってよかった公共空間 part 1




ここ最近毎年行っている韓国。ドラマの舞台となった百貨店に行く前に、何やら大きい公園があることに気づき散歩がてら行ってみたところ、感動!大きい橋の下をうまく活用した子ども向けのスケボーやBMX用のトラック、さまざまな種類のベンチ、シェード、大人でも足をつけられる親水空間。巨大な橋が日除になり、その中で遊ぶ子どもたち。きれいに整備された公園で、ランニングやヨガをする人、ピクニックする人、河川敷の公園にとても豊かな風景が広がっていました。夜には別の漢江沿いの公園にも行きましたが、夜なのに人がたくさん。昼も夜も漢江に集い、思い思いに過ごす様子を見て、ソウル市民がうらやましくなりました。