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クリエイティブな公共発注について考えてみた by PPP妄想研究会
  クリエイティブな公共発注について考えてみた by PPP妄想研究会

4/26『公募要項作成ガイドブック』発刊イベントレポート

2021年4月26日、『公募要項作成ガイドブック』の発刊日に合わせて、執筆者とゲストを迎えてのオンライントークイベントが開催されました。この記事ではイベントの様子についてレポートします。動画でもご視聴いただけますので、ぜひご覧ください。

公募要項作成ガイドブックとは?

『公募要項作成ガイドブック』は、自治体が保有する遊休施設を活用する際のいわば「公募要項虎の巻」、要項の雛形とその解説書です。もともと公共R不動産ウェブサイトの連載「クリエイティブな公共発注について考えてみた」の母体であるPPP妄想研究会(以下「PPP妄想研」)メンバーで重ねてきた議論をもとに作成されました。

PPP妄想研は、公共R不動産メンバー、元国家公務員、元自治体職員、PPP専門家、不動産のプロ、弁護士、建築家などなど、様々なバックグラウンドの専門家たちが「公共発注がおもしろくなったら、もっと日本の公共空間はおもしろくなるのではないか?」という問題意識のもと、自主的に活動している研究会です。(詳しくはコラム初回をご覧ください。)

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第1話:PPP妄想研が公共発注について考えてみたかったこと

これまで、議論の内容は12回に渡るコラム連載で発信してきましたが、PPP妄想研としては、もっと、実社会に実践できるかたちで還元したい…という想いが募り、このガイドブックの発刊に至りました。

発刊記念イベントの内容

イベント当日は、まず本書の執筆・監修を手掛けた公共R不動産コーディネーター菊地マリエより本書の概要をご紹介。その後、執筆に関わったPPP妄想研メンバー5名と、スペシャルゲスト2名をお招きし、みなさまからコメントをいただきました。最後に、公共R不動産ディレクターの馬場をファシリテーターに迎えクロストークを行いました。

冒頭、菊地からは、上記で触れた本書の発刊までの経緯、そして本書の構成、特徴、使い方をご説明しました。

続いて、執筆者の5名から本書にかける想いや課題意識などを話していただき、その後、スペシャルゲストとして、国の立場から見た本ガイドへのコメントを国土交通省の千葉さんに、自治体からの声を岩手県紫波町の鎌田さんからいただきました。以下、みなさんのコメントをダイジェストでお届けします。

民間の知恵を引き出すためには新たな契約手法が必要
佐々木晶二さん(元・国土交通省国土交通政策研究所長)

「公的不動産の契約が、あまり合理的ではなく、民間の知恵が出しにくい現状に問題意識を持っています。現在の地方自治法をベースとした自治体の契約の仕組みは、基本的に単純なサービスやものの購入が前提で、よりサービスの中身(質)が問われる公的不動産活用については、行政が評価・選定の経験があまりないのが実情です。

より民間の知恵やエネルギーを発揮してもらうためには、新たな契約手法(民間が事業化に取り組むのであれば、行政側が一定の安定性を民間側に示し、リスク分担、公平性・効率性の担保を両立するやり方)を探る必要がある。そのチャレンジの一つとして出したのが今回のガイドブックです。しかし、あくまでもこれは叩き台であり、妄想研では別の発注方法も検討しています(column12参照)。まずは今回の発刊をキックオフとし、議論が深まっていけば嬉しいです。」

劣化コピー厳禁!ビジョンと与条件を重視したオリジナルな活用を
寺沢 弘樹さん (合同会社まちみらい 代表社員)

「今回すごく大事なのはガイドブックの「ビジョンと与条件」というところです。
従来の公共施設の整備ではハコを作ることだけが重視され、どの事業手法と補助金で作るかばかりが議論されてきました。結果、コンテンツが空っぽで結局誰にも使われないものができる。今後、使ってもらう施設作りに大事なのはビジョンで「何をしたいのか」と、それを実現するためのコンテンツ、つまり、誰が、何を、どんな収支で、どんな頻度でやっていくのかがセットアップされることです。コンサルがやるとここが抜け落ちます。いきなりPFI、リース、DBOといった事業手法の検討から入り、作ることが目的化してしまうという問題意識があります。

茨城県常総市で、あすなろの里という年間6000万円赤字の直営施設の再生をお手伝いしています。私は助言こそしましたが、全くコンサルの手はかかっていません。自分たちでビジョンをつくり、それに基づきトライアルサウンディングという手法を用いて民間事業者のフィードバックを受けながら実験を積み重ね、丁寧な組み立てをした事例です。現在、キャンプ場部分の事業者公募を行っていますが、その公募要項も今までに見たことがないようなクリエイティブなものになっています。

ただ、注意して欲しいのは、これをそのまま真似ればいい、ということではありません。ガイドブックにもいくつかの大切な要素が書かれていますが、重要なことは、その要素の意味を理解し、決して劣化コピーをつくらず、自分たちの現場の実態に合わせて実践していくことです。」

イケてる会社が公的不動産活用に興味を持ち始めている理由!?
林 厚見さん(株式会社SPEAC共同代表/東京R不動産ディレクター)

東京R不動産というサイトを通じて民間不動産の改修・賃貸・売買、その他建築不動産の再生プロジェクトプロデュースやエリア再生戦略立案などを手掛けていますが、最近は公共に関するの案件も扱っています。その中で、「イケてる会社」がパブリックな場所を作りたいという思いを強く持つ傾向にあります。それは、民間物件では経済性だけでビジネスを行う必要がありますが、公的不動産の場合、地域への波及や行政課題の解決といった要素を含めば、民間不動産では実現できないような条件で、サービスや空間を生み出す機会が生まれるから。そういう意味で、官民の需給が重なってきています。

その際、契約形態としては民間不動産と同じく、定期建物賃貸借契約を締結することになるが、注意点が2つあります。1つは、ビジョンと与条件の設定。これがうまくいけば、行政として単なるコスト削減ではなく、何十倍もの価値を地域にもたらす事業を民間と組むことができます(ただし、与条件の中で賃料設定については変数が多いため本書内で書ききれておらず、個別対応が必要)。2つ目は審査。これまでの行政目線、学識目線の評価軸と異なり、パブリックマインドを持ったビジネス展開をしている経営者・実業家たちが評価すべきだと思います」

「契約の自由」の不自由さを解消するツールとしてのガイドブック
水野 祐さん(シティライツ法律事務所)

「弁護士の立場から、大企業からスタートアップまで様々なサービスや製品に関する法的なサポートをしていますが、林さんと同じく、サービスや製品を展開する際に公共空間をハブとした地域やコミュニティの力が見直されていると私も感じており、これも今回のガイドブック作成の背景の一つだと思います。

法的な視点からいうと、行政契約には公法上の契約と私法上の契約が混在していますが、今回ガイドブックで扱う普通財産の民間貸付型については、会計法や地方自治法がかかってはくるものの、民-民の契約に近づいていくという特徴があります。従って、基本的には「契約自由の原則」が適用されるので、国や行政ができるかぎり介入すべきではないと認識されていたのではないかと思います。かといって、『民-民の契約は自由だから各自治体で進めてくれ』と言われても、これまでと異なる毛色の契約に自治体がいきなり踏み込むことにも抵抗があるだろうし、一方で、国が介入すべき領域でもない。そこで、今回のガイドブックがその部分を補う叩き台となり、ここから『こういう条項があった方がよいのでは』とか『ここは気を付けるべき』など、官民両サイドから様々な工夫や解釈を足していく新たなトライにつながっていけばよいかなと思います。」

「ビジョン・デザイン・マネジメント」の一貫性が重要
加藤 優一さん(株式会社Open A)

「OpenAで設計しながら公共R不動産でコンサルもしているので、現場で感じていることを具体的にお話しします。設計者はデザインだけ考えていると思われがちですが「運営者が決まっていない状況で設計するリスク」についても考えます(column6)。完成した空間次第で、運営者が見つからないという悲劇も起こりえます。そこで、企画・設計・運営を一貫して担う「一括発注」方式に着目し、民間の力を最大限に発揮できる発注手法の1つとして「民間貸付型」をガイドブックの対象としています。

今回、ガイドブック中で、要項作成の3つポイントを挙げており、特に「行政のビジョンと審査基準設定の一致」が大切だと考えています。ビジョンがふんわりしすぎていたり、逆に民間の可能性を狭めてしまう要項。あるいは、ビジョンはよくても、審査基準が従来型の実績重視でビジョンと紐付いていない要項も多いです。

最後に、事業公募ではデザイン面に言及がないケースがありますが、空間が施設サービスの質を左右する1つの要素なので、ガイドブックではそこにも気を配りました。やはりビジョン・デザイン・マネジメントに一貫性を持たせ、それらが相乗効果を生むような要項が増えてほしいと思います。」

失敗体験から学んだ、行政の覚悟と民間対話の重要性
鎌田 千市さん (岩手県 紫波町 企画総務部 企画課企画課長)

「岩手県紫波町といえばオガールプロジェクトが有名ですが、今日は最近取り組んだ紫波町旧庁舎敷地活用の公募についてお話します。1回目の事業提案募集では、「ビジョンなき公募」をしてしまい、その後にビジョン、与条件の整理を行いました。ビジョンは、「まちとまちをつなぐ結節点」であり、「農と食が育む持続可能な場所」。また、具体的な条件面では、旧庁舎(建物)は無償譲渡とし、町の費用負担による解体を提案することも可とするなど、行政も覚悟を決めて2回目の公募に踏み切りました。結果、株式会社ひづめゆさんが公衆浴場+コンビニ+飲食店+紫波町産りんごのシードル醸造所を提案してくださいました。

成功するPPP事業の10の法則』の第1章「官の責任」として、構想策定、法的準拠、資金調達、「民の責任」として、プロセスの透明性の担保、実現可能性の確立があげられています。これをサウンディングの中で、確認していくことが大切だと思います。また、役所の役割で重要なのは審査(デューデリジェンス)の部分です。このまちづくりでよいか?ファイナンスは大丈夫か?立地適正からの不動産価値は?建築物の行政的評価は?といった議員や住民に納得していただく手続きは必要だと思います。

1回目の失敗からビジョンの設定(行政の覚悟)と民間事業者さんとの対話を重ね、事業条件の確認をすることは必要だと学び2回目の公募に生かした、というお話しでした。

遊休公共不動産活用は、国でも省庁横断的に取り組むべき分野
千葉信義さん(国土交通省 不動産・建設産業局土地政策課長)

「現在は土地政策を担当していますが、これまでは道路空間の活用推進のため、道路専用の特例制度や地方創生でエリアマネジメント、以前には港湾の貸付などを行ってきました。
国は「制度を作るのには関心があるが運用には関心が薄い」と言われがちですが、今日のお話を聞いて、振り返ると思い当たる節もあります。どうしても国の人事制度上2-3年の異動周期なので、新たな制度をつくってもガイドラインまで手が届かないうちに異動になってしまう宿命にあります。また、P-PFIや道路空間活用といった行政契約は、従来型の許可制度の枠組みからは、より民-民の契約に踏み出していると思いますが、現場の実践を踏まえて法制度化し、ガイドラインや通知文に想いをのせてはいるものの、反映しきれていないと反省もしました。

今回のガイドラインのような分野は、本来、国が省庁横断的に取り組むべき課題だと認識しました。ガイドラインには多くのノウハウが詰め込まれていて、関心しました。自治体職員が1歩を踏み出すきかっけとなり、ガイドブックにオリジナリティを加え、多くの好例が全国で生まれることを期待しています。

要項作成ガイドブックの4つのポイント

最後に、公共R不動産ディレクターの馬場をファシリテーターに迎え、クロストークを行いました。

馬場:みなさん、ありがとうございました。これは各業界のトップランナーが知恵を振り絞って、それぞれが当たってきた課題や困難、成功事例を寄せ集めて作ったガイドブックです。
ガイドブックには大きなポイントが4つあると思っています。

1つ目に、行政マンの方に伝えたいのは、公募要項と契約書は抜群にクリエイティブなものだということ。どこからか持ってくるのではなく、自分たちのビジョンに合わせて作るもので、そのプロセス自体が行政マンの最高の醍醐味なのではないか、ということです。クリエイティブで面白い事業にはクリエイティブで面白い公募要項と仕様書があり、面白い行政マンがいると思っています。その3つが揃うと新しいことが起こって、エリアや地域や行政が元気になっていきます。なので、作り出す公募要項と契約書は創造的なものなのだと本当に思ってほしいです。

2つ目は、ビジョンがやはり非常に大切ということ。民間に思いっきり任せる、というビジョンもありますし、逆に行政からのリクエストに応える民間企業を募集するビジョンもあります。いずれにしても、ビジョンが明確だと民間企業は動きやすいということです。

3つ目は、官と民は歩み寄るべき、ということです。それぞれの理論と言語がありますが、行政は民間感覚を取り入れ、民の理論を把握した上で要項や契約を作らないといけない。同時に民間も、もっと行政のことを理解すべきだと思います。市民の前、矢面に立たされる大変さ、単年度で成果を求められることも踏まえた上で、行政に寄り添って考える自主性、マインドセットを持つべきです。官民の境界が溶け合う状況がやってきているので、お互いにそう思わなくてはいけないですね。

4つ目に、公募要項と契約書の間に審査がありますが、そのプロセスに対して知識を持たない人を審査員に入れてしまうと、全てが水の泡になるので、ものすごく気を遣わなければいけないということ。つまり、審査員を選ぶこと自体もクリエイティブなことで、同じレベルのリテラシーを持ち合わせていることが重要です。

この4つがこのガイドブックの重要な点だと思います。また、これはスタートであり、今後あらゆるクリエイティブな公募と契約が出てくるはずです。それをオープンソース化して、色々な場所で参考にしながら発展させていくプロセスが欲しいと思っています。このガイドブックはあくまでも育てていくきっかけという位置づけです。

ガイドブックをどのように進化させていくか

馬場:今後このガイドブックをどのように活用し、進化させていくかを、皆様に感想と共に語っていただければと思います。まずは佐々木さんいかがですか。

佐々木:公的不動産だと地方公共団体、特に市町村の案件がすごく多いと思うので、やはり契約の仕組みとして地方自治法の一般競争、指名競争、随意契約しか認めないという仕組み自体が、かなり頑なで、より地域の実勢を反映する仕組みになった方がいいと思います。不正を防ぐため法律で縛っていますが、そこはもう少し自治体や市町村議会を信頼していかないと良い行政はできないのではないかと。

ただ、そこまで一気にいかないからこそプロポーザルを随意契約の中に読み込んだり、PPPエージェントという仕組みを考えたり(column12参照)、色々な仕組みに挑戦しています。制度も最終的には柔軟化してほしいけれども、現行制度を批判していても始まらないので、民間側に力を発揮してもらいつつ、行政側の重視する公平性や財政効率性の問題もクリアできる方法を編み出してほしいです。我々は実態を改善する色々な工夫を通じて、事例やノウハウを拡充し、議論を活発化していくのが大事だと思います。

馬場:佐々木さんのお話を聞いていても、発注システムを再考すべきタイミングに来ているような気がするのですが、そのような可能性や、千葉さんが先ほど触れていた、国レベルで省庁を横断して議題に乗せるような動きや方法論はあり得るのでしょうか?

千葉:例えば、除却に建設国債や地方債はあてられない仕組みだったものが、最近は可能になりました。時代のニーズに合わせて根幹が変わっていくことは大いにあり得ると思います。今後、少子高齢化、市町村合併で公的不動産が余ってくることは全国的な共通課題で、変化の機運は十分にあると思います。

自治体はどう動くべきか?

馬場:ありがとうございます。今は国レベルの話でしたが、逆に自治体からすると国はどう動いてくれたら良いのか、自治体はどう動けるのか。寺沢さん、いかがでしょうか。

寺沢:PPP事業の運用ガイドを国交省、内閣府、総務省など国にも作ってもらい、以前の職場である流山市で実施した、随意契約保証型の民間提案制度などは総務省から認めてもらいました。おかげで、今ではどんどん色々な自治体に広がっており、そのような動きは非常にありがたかったです。

自分としては、常に既存の制度をどう使っていくかを考えていたので、自治体と国との関係を気にしたことはないです。制約は法律にかかることは経験上あまりなくて、条例、規則、内規のことがほとんどなので。自治体職員には「ある制度をうまく使えば良い。既存制度も穴をついて、すきま産業を探せ」と伝えたいです。国にはコロナ禍での佐賀県の道路暫定利活用の件のように、スピード感をもってバックアップしていただけると嬉しく思います。

馬場:既存制度の解釈との組み合わせでやりたいことを自治体が引き寄せていくのはある意味醍醐味、であり行政マンのクリエイティビティの発揮のしどころなのかもしれません。制約があるからこそ燃える感じですね。鎌田さんはいかがですか?

鎌田:寺沢さんのおっしゃる通り、現行制度の中でどう解釈して進められるかだと思います。馬場さんが先ほどおっしゃっていた、官と民で最強のプロセスを作るという考え方が大好きで、市民参加、議会の納得を含めてプロセスをどうデザインできるかが行政マンの醍醐味だと思います。

クリエイティビティという言葉が今日たくさん出てきましたが、公務員に求めるのはなかなか難しくて。そこは、サウンディングという制度の中で民間とどう対話して、それをどう募集要項に反映させていくかと考えていければと思います。

もう1つ付け加えると、紫波町では空き校舎校が7つ発生します。賃料をいただいて貸すことが難しい現実もあるので、今ある遊休不動産を貸しやすくする制度があってもいいのではないかと考えています。

馬場:既存ルールをどのように活用するか、議会対策、市民説明の仕方をしたたかに考えることこそが行政マンのクリエイティビティであり、鎌田さんはすごくクリエイティブな人だと思います。新しい提案をされていましたが、新しいアプローチを思いつくことが重要で面白いことのような気がします。

クリエイティブな事例の裏に、クリエイティブな要項と契約書あり

馬場:時間が足りませんが、最後に加藤さん、水野さん、林さん、一言ずつお願いします。

水野:先ほどの馬場さんから「クリエイティブな事業の中には、クリエイティブな要項と契約書がある」とお話がありましたが、本当にその通りだと感じています。普段民間の様々なサービスや製品に関わる仕事をしていますが、新しいサービスや製品の裏にはクリエイティブな契約があるというのがわたしの持論です。

PFIは民間資金を公共発注にどう流入させるかという1つのスキームで、ファイナンス面は民間の理論が入っているものの、そこには法的なお膳立てがありました。今回ガイドブックが対象にしている普通財産民間貸付はファイナンスだけでなく、契約に関する部分は、民間の契約から新しいアイディアを活用できる余白が大きくあります。もちろん行政がこれまで培ってきた契約に関する知見も必須ですが、民間の契約に関する新たな発想を取り入れて、新しいスキームを開発できたらと思います。

加藤:水野さんと全く同感です。要項自体がクリエイティブというのが良いなと思っていて。クリエイティブな要項のまとめサイトができるくらい良い要項が出てくれば世の中が変わるのではないかと思います。

:私は民間企業との接点が多いのですが、「面白い公募ないですか?」と聞かれることが多くあります。面白い公募とは解きがいのある課題で事業自由度が高いことだと思います。もちろんマーケットがあることや商売しやすい環境ということは考えますが。とにかく、これから色々なチャレンジが起こっていく空気を感じます。行政の方同士のどんなやり方あるんだろうと情報共有されるコミュニティがあったらいいなと思いつつ、興味のある民間企業も含めたつながりの場を作れたら面白くなるのではないかと感じました。

馬場:みなさん、今日はありがとうございました。

ガイドブックから始まる今後の公共発注の展望

みなさんのお話を聞いていると、このガイドブックを叩き台として、自治体だけでなく民間企業も入っての議論のプラットフォームづくりだとか、さらに契約書作成分科会だとか、新たなスキームの開発だとか…このガイドブックをきっかけとした、さらなる可能性について、さらにむくむくと妄想が広がっていくトークイベントでした!

使っていただくみなさんで育てるガイドブックとして、重版を重ねていく際に、またどこかのタイミングでパワーアップしたガイドブックについて、改めてみなさまにご報告する機会がつくれたらよいなと思います。みなさま、ありがとうございました!

この記事ではエッセンスだけを抽出しましたが、こちらから全編動画で視聴できます。ぜひご覧ください。

【書籍のご購入】

また、記事を読んでガイドブックに興味を持ってくださった方は、こちらからご購入できます。

※ありがたいことに早速重版が見えてきており、残り10冊ほどとなっております(2021/5/18現在)。少々お時間いただく方もいらっしゃるかもしれませんので、お早めにお申し込みください。

PROFILE

菊地マリエ

菊地マリエ

公共R不動産/アフタヌーン・ソサイエティ。1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。日本政策投資銀行勤務、在勤中に東洋大学経済学部公民連携専攻修士課程修了。日本で最も美しい村連合特派員として日本一周後、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。現在はフリーランスで多くの公民連携プロジェクトに携わる。共著書に『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』。