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クリエイティブな公共発注について考えてみた by PPP妄想研究会
  クリエイティブな公共発注について考えてみた by PPP妄想研究会

第1話:PPP妄想研が公共発注について考えてみたかったこと

行政経営の効率化を図る公民連携(PPP)。その法制度や仕組みがクリアになれば、もっとクリエイティブな公共発注が可能になるのでは??という問題意識から発足した「PPP妄想研」が、既存のルールを読み解いた上で、「こんな制度が理想的なんじゃないか」論を妄想していきます。

公民連携をもっとクリエイティブに!

こんにちは。公共R不動産 コーディネーターの菊地マリエです。

さてさて、新年度から、というか、実は昨年度から、公共R不動産がひっそりと、しかしアバンギャルドな研究会を始めています。その名もPPP妄想研究会
PPP(Public Private Partnership)、つまりは「公民連携」周りの法制度や仕組みがクリアになれば、自治体もプレーヤーも公民連携がもっと楽になったり、もっとクリエイティブな公共発注ができるのでは、という問題意識から発足しました。

昨今、行政経営の効率化を図る「公民連携(PPP)」が盛んになっているものの、日本社会としてはまだまだ経験が浅く、前例が少ない分野であるために、法制度面で「グレー」な部分も多い。それでも、ええい、やっちゃえ!と、リスクをとった職員、腹を括った首長がいる自治体が「先進事例」を繰り出していくという印象があります。その勇気は大いに賞賛されるべきもので、そんな熱意のある方々とお仕事したいなぁと、私たちも常日頃考えています。

けれど、それだけでよいのだろうか? 時として場当たり的になってしまっている対応や、特定の人に集中している知識やノウハウを共有していけば、もっとたくさんのクリエイティブな事例を生み出せるのではないだろうか?

いや、水をさすわけではないのです。日本人はグレーだと手を出さない慎重なところがあるじゃないですか。なので、その「グレー」に、一度ちゃんと向き合ってみよう。そして、正しいものについては、そのホワイトさを証明し、グレーさを拭えないものについても、論点の整理くらいまではやってみよう。
そうすることで、勇気を振り絞った人だけができる、みたいな精神論で自治体の未来、つまり私たち市民の暮らしが左右されるのではなく、クリアなルールのもと、もっと気軽に、さらにクリエイティブに、誰もが公民連携事業に取り組める社会にしていきたいと考えています。

さらに、守るべき原則が白黒はっきりしてくると、応用ができる。つまり、自ずと遊べる範囲も分かってくる。これぞ、妄想研の妄想研たるゆえんで、ルールを読み解いた上で、「こんな制度が理想的なんじゃないか」論を妄想していきたいと思います。

PPP妄想研の仲間たち

この研究会は、そんな目的を共有するメンバーで、自主的に行われています。しかし、毎回、内容が刺激的で、このまま眠らせておいてはもったいない。ということで、皆さんに研究会での発見をコラムで共有していきたいと思います。

本編に先立ち、今回はまず、研究会メンバーをご紹介します。

初回ということで、以下のメンバーと公共R代表の馬場による、コラムスタート記念座談会の様子を動画配信中。
メンバー紹介に加え、各々の研究会への参加動機を語ってもらっています。
ぜひこちらもご覧ください!

●佐々木晶二さん/元・国土交通省国土交通政策研究所所長
実は、この研究会の発起人である佐々木さん。忘れもしない、公共R不動産に「一緒に研究しようよ」と笑顔でお話をもってきてくださった時のこと。私は運命の女神に微笑みかけられたような気がして震えました。だって佐々木さんと言ったら元国土交通省の官僚で、制度を読み解くとかではなく、制度をつくってきた側の方ですよ。特に東日本大震災の復興で大変ご活躍されていたのは記憶に新しい。
退職後、その時の経験や知識をフルに活かして、フリーで様々なプロジェクトの公民連携案件のブレインとしてサポートに入られています。

●水野祐さん/弁護士、シティライツ法律事務所
水野さんはクリエイティブ関連の法律や契約ではきっと日本屈指の知見をお持ちの弁護士さん(それは何?という方は著書『法のデザイン』を是非ご一読ください。いい本!)。法律が何かを制限するためのものでなく、むしろそれによって何かを可能にしたり、促進させたりするようなものである、という視点で、新しい社会的状況や活動に対峙してくださる、非常に稀有なポジションの法律家さんであるゆえ、界隈では引っ張りダコ。
「民法や契約的にはどうなの?」という話も分かる& 柔軟に前向きな議論ができる方が必要、という佐々木さんからの提案で、お声がけさせていただきました。煮詰まった議論に、いつも専門的な立場から、さらりと角度の異なる切り口を与えてくださいます。

●林厚見さん/(株)スピーク・東京R不動産 ディレクター
東京R不動産の林さん。もともと東京大学工学部建築学科(建築意匠専攻)、コロンビア大学建築大学院不動産開発科修了。経営戦略コンサルティング会社、マッキンゼー&カンパニーを経て、現在へ。
最近、純粋な民間不動産の取引だけでなく、行政がらみの案件も多くなり、課題を共有していることから参加してくださいました。さすが元戦略コンサル、メンバーの雲をつかむような議論をいつもホワイトボーダーとしてまとめてくださる手腕は芸術の域です。

●寺沢弘樹さん/(特非)日本PFI・PPP協会
寺沢さんは元、千葉県流山市職員。流山市で画期的な民間提案制度をつくり出し、日本に新たな施設活用のムーブメントを生み出した方で、現在はその実績から(特非)PFI・PPP協会に移籍され、日本中の自治体のコンサルティング業務に日夜奔走されています(日本中のラーメンにも詳しい)。
現場レベルが法制度をどう読み解けば、自分たちの思うような事業が実施できるか、という解釈のプロと言いましょうか、その稀有なクリエイティビティと多くの経験から、現場目線で地に足のついた議論を展開してくださいます。

公共R不動産チーム
Open Aで実際の設計にも携わる加藤優一と、菊地マリエ飯石藍、そして時に、パートナーの矢ヶ部慎一(某再開発コンサル勤務)が公共R不動産チームとして、私たちなりの知見や疑問、アウトプットのあり方など議論しながら運営を務めております。

PPP妄想研のスコープ・すすめ方

研究会発足当初、私たちの中でもやもやとしていた問いは以下のようなもの。

・随意契約の正当性を探れ —— もっとやりやすくするには?
・公募手続きフローのガバナンス論 —— なぜ基本構想を描くと設計コンペにでれないの?
・公募要項をコモンズに?
・官民契約時のリスク分担論
・PPPエージェントの法的位置付けとは?

すでに、ここで数名の読者を置き去りにしたかもしれません。今後のコラムで解説を加えていきますので、悪しからず…。

研究会の進め方としては、月1で集まり、それぞれのテーマについての課題洗い出し→仮説→検証という議論の方法を繰り返し、アウトプットにつなげていこう!……という想定で始めましたが、さっそく初回から挫折。
議論は相互に絡み合い、一進一退を繰り返しながら、多方面に拡散しまくり、暗中模索、五里霧中、公民連携の大海に浮遊する木の葉のような気持ちになりながら、しかし、唯一、確固とした羅針盤である「これがクリアになったら、自治体の担当者も民間も、もっと楽に公民連携ができ、もっとクリエイティブな発注もできるはず!」というポイントに立ち返ることで、議論の中から、いくつもの有力なヒントめいたものを発見してまいりました。

皆で育てる連載

……というわけで、テーマごとの結論というよりは、上記のようなテーマを念頭に置きながらも、その時々でぶちあたる素朴な疑問と、妄想研なりの暫定的な答え、見えてきたヒントや考え方のポイントを、ランダムに連載してまいります。

上記紹介の通り、研究会メンバーは、現場経験者と、制度をつくるプロなど、いろいろなバックグラウンドの方が官民混在しているとはいえ、少人数、そして学識者不在。経験や知見にも偏り満載であることは承知の上で、むしろ、ここは、いっそのこと、議論を公開することで読者の皆様から知恵をいただきながら、このコーナーを育てていければと思っていますので、皆さま、どしどしご意見や体験談、実情(苦情?)、アドバイス、アイディアなど、メールいただければ幸いです。特に結論がひとつに収斂していくタイプの議論ではないので、ラジオ番組のように、皆さまのご意見も取り入れながら進めていければと思っております。

テーマごとに、難易度、解像度、だいぶ違うと思います。研究会を定期的に開催しながら、コラムを書きながら、進んでまいりますので、ゆるくお付き合いいただければ幸いです。
どんな話をするの?メンバーの経験や課題意識は?といったことを皆さんにお伝えしたくて、公共R不動産、初の動画づくりにチャレンジしました!
ぜひ、こちらも併せてご覧ください。

もう一回貼っちゃう!

PROFILE

菊地マリエ

菊地マリエ

公共R不動産/アフタヌーン・ソサイエティ。1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。日本政策投資銀行勤務、在勤中に東洋大学経済学部公民連携専攻修士課程修了。日本で最も美しい村連合特派員として日本一周後、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。現在はフリーランスで多くの公民連携プロジェクトに携わる。共著書に『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』。