公共R不動産のプロジェクトスタディ
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公衆トイレで朝食を
The Attendant Café

タイトルを見てあんまり食欲の沸かなかった方もいらっしゃるのでは?でも飲めるんです。美味しいコーヒーが。なんと元公衆トイレで。今回は、ロンドンで公衆トイレをリノベーションしたカフェのご紹介です。

ぱっと見た感じはおしゃれなカフェ

タイトルを見てあんまり食欲の沸かなかった方もいらっしゃるのでは?でも飲めるんです。
美味しいコーヒーが。なんと元公衆トイレで。
ロンドンで公衆トイレをリノベーションしたカフェのご紹介です。

磨き上げた便器

ああ、でもやっぱりまさしくこれは・・・

2013年、オーナーは10万ポンド(約1700万円)をかけてヴィクトリア朝時代の公衆トイレ(男性用)をリノベーション。

あえて残した小便器は、イギリスを代表する陶磁器メーカー、ロイヤルドルトン社製。「こんなに美しいものを残さない手はない!」とオーナーに迷いはなかったそうです。全て高圧洗浄、完璧に清掃され、新たにコンクリートで固められているので、もちろん店内はピカピカ。

テーブル席もあるので、抵抗がある方はそちらで召し上がっても。

カフェは地下にあります。メトロの入り口のような上部も素敵。(写真は公式サイトより)

サマセット州の契約農家から仕入れたジャージー牛乳と、世界各地から集めたサステナブブルな豆で淹れたラテ、バニラディップドフレンチトーストや、ロースト野菜とゴートチーズのサンドイッチなど、おいしそうなメニューが並びます。

ユニークなリノベーションと、地元でも人気を博し、オープンから3年たった今も、客足が絶えません。

ここロンドンは公衆トイレ発祥の地(1825年に世界最初の水洗の公衆トイレが出来たと言われています。)。他にもアイスクリーム屋さん、洋服やさん、住居などに改装された例があるとのこと。

ロンドンにお越しの際は、訪れてみては?

PROFILE

松田 東子

株式会社スピーク/公共R不動産。1986年生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大成建設にてPFI関連業務に従事。2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。スピークでは「トライアルステイ」による移住促進プロジェクトに携わる。2017年から2020年までロンドン在住。2021年University College London MSc Urban Studies 修了。

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