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公共R不動産の頭の中
公共R不動産の頭の中 公共不動産データベース(公共DB)

公共不動産データベース、始まります

2020年4月末にリリースした「公共R不動産データベース(β版)」。トライアル期間として様々な方にご利用いただきながらご意見を集めてブラッシュアップを図ってきました。そして2020年9月末、名前も変わり、「公共不動産データベース」として正式にリリースしました!

公共不動産データベース
https://db.realpublicestate.jp

公共不動産が当たり前に流通する未来

「公共空間をもっと楽しく」をコンセプトに、遊休化した公共空間の情報を編集して多くの人に届けるためのメディア「公共R不動産」を立ち上げたのが2015年3月。物件の掲載にとどまらず、国内外における公共空間活用の事例を紹介したり、公共空間活用に関する制度に切り込んでみたり、公共空間そのものの可能性を開いていくようなメディアとして多くの情報を届けてきました。

そして公共空間活用における社会の状況もここ5年の間に劇的に変化し、都市公園法の改正やウォーカブル推進政策など、国や自治体としてももっと公共空間をまちに開いていく、使うことから考えていくというポジティブな動きに変わってきているなと感じています。

ただ、そうは言ってもまだまだ遊休化した公共空間が余っており、活用に至る案件はまだまだ少ないのが現状。むしろ人口減少・財政難などに伴い年々遊休化した公共空間は増え続けています。
公共R不動産でも物件情報を紹介してはいるものの、全然追いつかない…!なんとかこの状況を変えられないか…!

そんな問題意識から、6年目に突入した公共R不動産が新たなサービスを立ち上げることになりました。それが「公共不動産データベース(以下「公共DB」)です。

網羅性の高い公共不動産の情報サイトを目指して

「公共R不動産と何が違うの?Rがあるかないかの違い?」そうお思いの方は多いかもしれません。実は根本の思想から全く別物なんです。

そもそも、民間不動産の業界では、網羅性が高く「量」をカバーしている不動産事業者向けの情報サイト、そして一般ユーザー向けの不動産情報サイトが存在しています。今ではウェブやアプリで不動産情報を探すのは当たり前になりましたが、もともと電話とFAXでやりとりされていた、ある種クローズドな不動産情報がオープンになったのがここ数十年の話。そして東京R不動産は、網羅性は必ずしも高くないけれど、情報に「編集」という観点を加えることで、見過ごされていた物件に光を当てた、いわば「不動産のセレクトショップ」的なサービスを始めました。

公共R不動産も、当初は多くの情報を扱うサイトにしようと考えていたものの、まだまだ公共不動産自体の流通が少なかったこと、活用できるという機運が醸成されていなかったことから、まずは公共不動産の情報を「編集」して発信し、公共不動産が新しいアイデアで活用できるというコンセプトでスタートしました。いわば、民間不動産の状況とは逆で、いきなりセレクトショップを作ったというわけです。

そして時は経ち、公共不動産の活用事例がどんどん増えてきたり、自治体側も民間事業者への営業をしていかなければならないステージに入ったこともあり、網羅性の高い公共不動産の情報サイトを作ろう!ということで今回、「公共DB」の開発に踏み切りました。

データベースでできること

では、公共DBはどんなことができるのか?簡単にポイントをまとめてみました。

▶︎自治体にとってのポイント

1:簡単な操作で、物件情報の登録・発信が可能
まずは何よりも重要なポイントがこれ!自治体の皆さん自身で物件情報を登録し、情報発信をすることが可能です。操作もとても簡単。
ポータルサイトなので、全国の情報が集まり、情報をより多くの人に届けたい時に最適です。

管理画面。項目に沿って記入していくのみ。

2:わかりやすい物件情報デザインで、民間への発信力アップ!
自治体の管理している物件情報はエクセルで写真がないものだったり、各自治体で施設カルテを作ってはいるもののフォーマットが異なるために民間事業者側は比較検討が難しかったりと、課題が多くありました。それを解消すべく、物件情報のページを、とても見やすく、わかりやすくデザインしています。写真も沢山掲載できますので、物件情報をより魅力的に伝えることが可能です。

写真が大きく表示され、直感的に物件探しができる。自治体からのPRポイントも要チェック。

3:マーケティングに活用できる
物件に対して「お気に入り」の登録ができるボタンを実装しました。これによって、管理側は何件の方がお気に入り登録したかがわかるようになります。また、物件ごとのアクセス数も見えるようになるので、どの物件が人気か、関心が高いかわかるようになり、その後の活用検討に向けての材料としても活用いただけます。 (※特別会員メニュー。2021年4月以降は有料化)

4:管理しやすい
データベースの登録はcsvでも行うことが可能です。全国統一の項目での管理をすることが可能になるため、例えば自治体同士での情報交換などにも便利ですね。

最後に自治体のみなさんへお願いです。自分たちでは気づかなかった魅力に民間事業者が反応するケースが多くあります。庁内での優先度を問わず、お持ちの公共不動産はもれなくご登録ください。そうすることで、思わぬマッチングが生まれるかもしれません。


一方、公共DBを使う民間事業者にとってのポイントは以下の3点。

▶︎民間事業者にとってのポイント

1:全国の公共不動産情報を一気に検索できる
これは声を大にして言いたい!探しやすくなりますよ〜〜!!全国の公共不動産を探しているみなさん!各自治体のホームページに行き、深い階層から物件情報を探し当てる、まるで宝探しのようなプロセスだった公共不動産の情報がオープンになります。

検索ウィンドウからは、さまざまな項目で絞り込み検索が可能。

2:民間不動産と類似した項目
物件情報の項目にもこだわりました。民間不動産を探すときと限りなく類似した項目を設定していますので、民間不動産と公共不動産を比較検討することも可能になります

3:自治体に関心表明、問い合わせがしやすい
物件検索をしてピンときたものがあったら、関心表明という意味での問い合わせやコンタクトが容易にできるのもこのデータベースのポイント。どんな自治体がどんな物件を出しているか、そしてPRのコメントを見ればその自治体の熱量もわかるので、物件だけでなく、どんな自治体とパートナーシップを組みたいか、という視点でも活用いただくことが可能です。

民間不動産と公共不動産の大きな違い「契約可能時期」

公共不動産と民間不動産では異なる点はさまざまありますが、その中で最も大きな違いは、公共不動産は活用に到るまでに時間がかかる、ということ。民間不動産のように、すぐに契約して鍵がもらえるわけじゃないんです。公募での選定、その後役所内での調整・議会承認・住民合意などなど、活用するまでに多くのステップを踏まなければいけないんです。こればかりは仕方ないんです!

そこで、データベースでは「契約可能時期」という項目を設けました。「1年以内に契約可能」「契約までに1年以上要する」という選択肢があるので、民間事業者のみなさんは物件探しをする際、この項目は忘れずにチェックしてくださいね。なるべく早めに動き出したいということであれば「1年以内に契約可能」の物件だけを検索しても良いかもしれません。

そして物件を登録する自治体のみなさまは、「契約可能時期」をいかに短縮できるかが重要なポイントになります。あまりにも契約までに時間を要することがわかると検討から外されてしまうので、是非スピード感を持って交渉を進めてください。

他にも、自治体が見落としがちでありながら、民間事業者にとっては重要な情報が沢山あるはず。本データベースでは、官民の認識のズレをできるだけ埋めるように項目を設定しています。

まずは登録ください。
そして使ってみてください

現在、一般会員(無料)と特別会員(有料)のメニューがありますが、2021年3月までは特別会員メニューも無料で使っていただくキャンペーンを実施しています。皆さんのニーズに合わせて機能の追加や改善も随時対応していきたいと思っていますので、まずはアカウント登録をいただき、使ってみていただけたら嬉しいです。

公共不動産データベースを今後ともよろしくお願いいたします!

お問い合わせ、アカウント登録はこちらから
https://db.realpublicestate.jp/

PROFILE

飯石 藍

公共R不動産/株式会社nest/リージョンワークス合同会社。1982年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、アクセンチュア株式会社にて自治体向けのコンサルティング業務に従事。その後2013年に独立し、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。全国各地で公民連携・リノベーションまちづくりのプロジェクトに携わりながら、南池袋公園・グリーン大通りのPPPエージェント会社の立ち上げにも参画。

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公共R不動産の本のご紹介

クリエイティブな公共発注のための『公募要項作成ガイドブック』

公共R不動産のウェブ連載『クリエイティブな公共発注を考えてみた by PPP妄想研究会』から、初のスピンオフ企画として制作された『公募要項作成ガイドブック』。その名の通り、遊休公共施設を活用するために、どんな発注をすればよいのか?公募要項の例文とともに、そのベースとなる考え方と、ポイント解説を盛り込みました。
自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

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