公共R不動産がピックアップする物件
公共R不動産がピックアップする物件

桜舞う、熊本城内ミュージアムカフェ
熊本県立美術 喫茶室

ででーん!熊本城でござる!(まだ八部咲き...)

あり得ない立地で、カフェの運営事業者を募集!

なんと、熊本城二の丸、城内の敷地にある、熊本県立美術館のカフェスペースです。

興奮のあまり、何から書いて良いかわかりません。ひとまず、立地と合わせてすごいのが、その賃料。年間約34万円。何度もPDFファイルを見直して確認してしまうほどの破格です。一気にリアリティが増してきませんか、この数字。

そして、すばらしい眺望!目の前には漆黒の名城、熊本城がそびえ立ちます。熊本城は日本の桜百選にも選ばれている桜の名所でもあり、この季節は特に、黒と淡いピンクのコントラストが美しい。カフェは、美術館に入館せずとも使えるので、お散歩がてらテラス席でのんびりしている人も多いみたい。

美術館自体も1976年に前川國男氏によって建てられた、雰囲気のよい建物。展示の他、文化活動の一環としてコンサートや講演等も開催しているようで、客層もお上品そうではありませんか。

行政財産なのでちょっと注意

ただ、気をつけたいのが運営期間。わずか9ヶ月足らずの募集なのです。なにも取り壊しが決まっているから…とか特別な理由があるわけではありません。実は、美術館というのはそもそも行政目的(この場合は「文化振興」とか)で建てられた施設なので、その一部を本来目的から外れたカフェに貸し出す場合、地方自治法上の「行政財産の貸出し」という特別なルールに乗っ取って貸し出すこととなります。その手続き上(解釈上)、短期で公募をかけているという事情があるのです。

なにはともあれ、お城の中にカフェなんて、千載一遇のチャーンス!私がもしカフェオーナーだったら、速攻手をあげちゃいます。

(撮影協力:藤澤幸士郎)

ステータス:募集終了
所在地:熊本市中央区二の丸
交通:バス:「交通センター」で下車、徒歩15分
価格:341,427円/年(光熱費別)
面積:40.55㎡(作業スペースのみ。客席別)
期間:募集終了

PROFILE

菊地 マリエ

公共R不動産/アフタヌーン・ソサイエティ。1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。日本政策投資銀行勤務、在勤中に東洋大学経済学部公民連携専攻修士課程修了。日本で最も美しい村連合特派員として日本一周後、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。現在はフリーランスで多くの公民連携プロジェクトに携わる。共著書に『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』。

連載

すべての連載へ

公共R不動産の本のご紹介

クリエイティブな公共発注のための『公募要項作成ガイドブック』

公共R不動産のウェブ連載『クリエイティブな公共発注を考えてみた by PPP妄想研究会』から、初のスピンオフ企画として制作された『公募要項作成ガイドブック』。その名の通り、遊休公共施設を活用するために、どんな発注をすればよいのか?公募要項の例文とともに、そのベースとなる考え方と、ポイント解説を盛り込みました。
自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

もっと詳しく 

すべての本へ