≫オンライン開催決定! 9/25(金)『第3回 公共空間 逆プロポーザルonline』
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アウトドアを通じて、
稀有な自然環境を持つ日本の魅力を伝える
雄大な自然と大切な仲間、そして旬を味わう料理。大自然でこそ体験できる最高の贅沢を多くの人々に届けたい。そんな思いのもと、四季に合わせて日本各地の高原や渓谷、国立公園などをめぐるアウトドアホテル「The Caravan」を手掛けているのが、株式会社Wonder Wanderersです。
東京生まれ山形育ちという都会と田舎双方の居住経験から、常に多角的な視点を持つ須藤さん。事業を起こしたきっかけについてこう話します。
「日本は小さな国土面積にもかかわらず、四季に恵まれ、流氷からサンゴ礁まで見られる世界的にも極めて稀な自然環境を持っています。だけど、それを認識していない日本人が多く、とても残念に思い、日本人や日本の市場にとってプラスになるものは何かと考え、起業に至りました。
事業を通じて届けたいのは、大自然がもたらす『何もない贅沢』。自分の好きなアウトドアに絡めながら、都会・地方・海外という3つの視点を生かし、日本の魅力を発信できるよう、自然と人々を繋ぎ、地方と都会を繋ぎたいと考えています」
四季を追って国内を巡業する、
ラグジュアリーなアウトドアホテル「The Caravan」
こうして、2017年3月に株式会社Wonder Wanderersを設立。コンセプトを発信する基幹事業として、地元の腕利きのシェフが振る舞う地元食材を用いたアウトドアダイニングや、ホテルさながらのバーラウンジ、さらにはレンジローバーによる1組1台の送迎まで付いた、ラグジュアリーなアウトドアホテル「The Caravan」をスタートさせました。
「本来はアメニティの充実に加え、ホテル同様のホスピタリティが伴うアウトドア施設のことを『グランピング』というべきなのですが、日本では、グランピングテントとベッドなどの家具が予め用意されているキャンプが『グランピング』と呼ばれています。なので The Caravanでは、グランピングではなく、あえて『アウトドアホテル』と銘打っています。
日本のアウトドアも『高付加価値』というキーワードを提供することによって、従来ではリーチできなかった層も誘うことができる。そんなポテンシャルがあることを全国に知ってもらいたいという思いを込めています」
The Caravanを広告事業として、①大自然を楽しむラグジュアリーアウトドアホテルやグランピング施設などのアウトドア施設企画開発、②企業広告やPR企画などのアウトドアコンテンツ制作事業、③アウトドアイベント企画制作、④ウェディング事業 といった4つの事業を展開。
「〇〇×アウトドア×ラグジュアリー」というように、さまざまなジャンルとの掛け合わせに挑んでいます。
環境省と国立公園オフィシャルパートナーシップを締結した経緯
2018年6月には、事業のフィールドを一気に拡大するように、環境省と国立公園オフィシャルパートナーシップを締結。栃木県日光市にある日光国立公園や、鹿児島県指宿市にある霧島錦江湾国立公園など、次世代に残すべき優れた自然環境として国から指定・保護・管理される国立公園を開催地に「The Caravan」を展開しています。
「環境省とパートナーシップ関係を結んだのは、日本最大級のアウトドア業界向けカンファレンスで登壇させていただいたのがきっかけでした。日本のアウトドアにはラグジュアリーさが欠如していて、なおかつ大衆化しておらず、国立公園のような貴重な資源があるのにあまり盛り上がっていない。その文脈から、うちの事業を用いて現状をどう変えられるかといったプレゼンをしました。
サミットに参加していた国立公園を管轄する環境省の方々も、まさに同じ思いを持っていました。高付加価値化を目指したコンテンツやワーケーションを検討するなど、さまざまな層がアウトドアを身近に感じられる企画を導入したいと考えていた中で『The Caravan』のことを知っていただき、お誘いを受けて提携の運びとなりました」
飯能×北欧「ノーラ名栗」から学んだ、
自治体との協業と役割分担
Wonder Wanderersの躍進はとどまることを知りません。2020年8月には埼玉県飯能市で、大自然に囲まれたアウトドアサウナや北欧風バーベキュー、地産地消のマーケットなど、地元の資源を存分に生かしながら北欧文化を体験する施設「ノーラ名栗」がオープンしました。
「ノーラ名栗」も官民連携プロジェクトのひとつ。飯能市から依頼を受け、Wonder Wanderersが指定管理業者となって監修を務め、翌年4月にはグランピングも開始する予定です。
協議に約2年間を要したという「ノーラ名栗」や、他にも過去10自治体以上と官民連携プロジェクトを実施してきた経験を振り返り、須藤さんはこう話します。
「来客者だけでなく地元の人々にとっても幸せな場所をつくるには、地元事業者との協業が欠かせません。地元の人々は熱意と資源を持っている。ソトモノの僕らは客観的な視点でその魅力を認識して伝えることができる。これらが組み合わさることで新しい価値が生まれる、と僕らは考えています。
また、官民連携を進める中で、役割分担も大切です。発想の柔軟さやスピードの速さが問われるクリエイティブは民に任せて、官はそれを最大限に実現させるために、各論だけでなく総論で捉えて枠組みや制度を調整すること。この適材適所と全体最適が、成功の方程式ではないでしょうか」
「自治体がプライドを持つ場所と出会いたい」
最後に『公共空間 逆プロポーザル』に向けて、連携を希望する自治体や公共空間の条件をうかがいました。
「土地だけでも物件付きでも、どういった場所でも僕らはプランを組むことができます。だからこそ、自治体がプライドを持っている場所がいい。『この土地をなんとか生かしたい』『この景色をどうにか残したい』そう強く願っている自治体と、誇りや思い入れのある遊休地で、ぜひ連携したいですね」
公共R不動産が提案する公民連携の新たな手法「トライアル・サウンディング」の初回にも意欲的に参画してくださった須藤さん。茨城県常総市が活用を検討する敷地「水海道あすなろの里」にて、日本出版販売株式会社のブックディレクションブランド「YOURS BOOK STORE」とキャンプイベント「森の生活」を共催し、今後に繋がる収穫の多い一泊二日をつくりだしていました。
≫「森の生活」のレポートと須藤さんへのインタビューはこちら。
官民双方の本気度や相性を確かめるためにも『公共空間 逆プロポーザル』で接点を持ち、「トライアル・サウンディング」で具体的なマッチング・テストへと段階を進めるのも一つの手かもしれません。
第3回『公共空間 逆プロポーザル』では、果たしてどんな地域との出会いが生まれるのか。須藤さんと自治体、さらには地元事業者さんとのコラボレーションによって、新たなエリアの魅力発掘と独創性に溢れたアイデアが生まれることに期待が募ります。
第3回「公共空間逆プロポーザル」
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・日本の大自然のポテンシャルを発信したい。国立公園を巡業するアウトドアホテル by Wonder Wanderers
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