NEXT PUBLIC AWARD
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NEXT PUBLIC AWARD公共R不動産のプロジェクトスタディ

観光とローカルな日常を編み上げながら、30年後の温泉地を描く。鳥取・皆生温泉エリア経営実行委員会の挑戦

公共空間活用の新たな可能性を発見する「NEXT PUBLIC AWARD」で審査員特別賞を受賞した、鳥取県米子市の皆生温泉街を拠点に活動するカイケラボ。街の低未利用地を活用し、屋台を軸にしたマーケットを定期開催するなど、多様な活動が広がっています。その裏側には、旅館組合、観光協会、行政など多様なセクターと連携した小さなアクションの積み重ねがありました。コロナ禍をバネにした、地域住民と共にあり続ける温泉街の形とは?

鳥取県米子市にある皆生(かいけ)温泉は、1921年に開かれた歴史ある観光地。20以上の旅館が海沿いに並ぶ山陰地方最大級の温泉街として、長年にわたり多くの人に親しまれてきました。戦時中は傷病者の療養場所として、経済成長期には団体旅行の目的地として、時代の変化に合わせて柔軟にあり方を見直してきたエリアでもあります。

今回ご紹介するのは、コロナ禍以降の皆生温泉エリアの変遷。「30年後も選ばれる温泉地になるために、今、何が必要か?」という問いに向き合い、具体的な数多の実践を積み上げてきた皆さんへのインタビューを通して見えてきた、観光地の新しいあり方をお伝えします。

左から
諏訪創さん(米子市経済部文化観光局観光課観光戦略担当)
坂内和孝さん(皆生温泉エリア経営実行委員会副会長/皆生温泉観光株式会社代表取締役社長)
伊坂明さん(皆生温泉エリア経営実行委員会会長/株式会社皆生グランドホテル代表取締役社長)
永井高幸さん(カイケラボ共同事業体 代表/株式会社エートス代表取締役)

コロナ禍直前に描かれた「皆生まちづくりビジョン」

日本海に面した皆生温泉は、海水浴と温泉を一緒に楽しめる観光地として親しまれてきましたが、平成初期以降は団体客需要低下の影響に伴い、宿泊客はゆるやかに減少。特にオフハイシーズンの集客に課題を抱えていました。

そのような状況を踏まえ、2017年、若手旅館経営者中心の「皆生温泉まちづくり会議」を立ち上げ。2019年には、海と温泉という自然資源を活用した新たなリゾート像を描いた皆生まちづくりビジョンが策定されます。

プランの具体化に向けて、旅館経営者だけでなく、建築デザイナー、米子信用金庫、商工組合中央金庫、観光振興団体、米子市など様々なセクターで構成された「皆生温泉エリア経営実行委員会」が始動します。しかし、いざ様々な実践を始めようとしていた矢先、新型コロナウイルスが地域を直撃します。

皆生温泉エリア経営実行委員会の全体像。旅館経営者を始め、民間が主体となった官民連携の取り組み。

コロナ禍で見えた、「地域の内側」へのまなざし

観光・サービス業に深刻な影響を与えたコロナ禍。皆生温泉も例外ではなく、宿泊客数は約40万人から約24万人に激減するなど、大きな打撃を受けたと言います。皆生温泉エリア経営実行委員会会長の伊坂さんによると、地域全体が大きな影響を受けたと語ります。

伊坂「旅行者のニーズの変化や、そこに向けた対応不足、新型コロナ…様々な影響により、地域の飲食店やお土産屋さんのほとんどが廃業してしまいました。宿泊客もさらに減少し、今まで以上に地域全体で盛り上げていかなければいけない危機感が強まりました」

米子市経済部文化観光局観光課観光戦略担当の諏訪さんは、外出自粛ムードが進んでいた当時を振り返り、だからこそ「地域の内側」に目が向いたと語ります。

諏訪「外からの観光客が全く来ない状況を目の当たりにして、もうこれは、地域に暮らす皆さんの生活そのものをより豊かにする方向へシフトするしかないと感じました。これまでの観光・宿泊業の常識や垣根を超えて、この街全体の未来という視点で考える必要がある、と。皆生温泉エリア経営実行委員会には多様なセクターが関わっていて、全員が利害関係者であり当事者。だからこそ、共にできることがあると考えていました」

同じく伊坂さんも、当時のコロナ禍で地域のにぎわいが失われていく中、「まずは自分たちがこの街を面白がれることが何よりも大事だ」と強く感じたと言います。

伊坂「この地域で暮らす私たち自身が、”皆生温泉、なんか面白いぞ”と思えることが増えれば、きっと未来にもポジティブな期待を持てるようになる。なんだか面白いことが始まっているらしい、と興味を持てたら、外に出てみようかな、関わってみたいな、という気持ちにつながるはずだと思っていました。」

小さなアクションを重ね、大きな変化を生む

そこから皆生温泉エリア経営実行委員会では、議論を重ねながら様々なアクションが始まりました。その際に大切にしていたのは、地域の関わりしろをつくることと、小さなアクションを積み重ねること。

例えば、皆生温泉のメインストリートである四条通りを歩行者天国にしたイベント、日帰りの一般向け駐車場増加施策、海水浴シーズン以外でも海を楽しむイベント「カイケジャンボリー」など、多岐に渡る数々の施策が実行されました。

そうした取り組みは、各場所や活動ごとに10項目に分類された「リーディングプロジェクト」として整理され、こちらのウェブサイトにまとめられています。ぜひご覧ください。

2021年10月、四条通りの一部を一時的に歩行者天国化したPark(ing)Dayの様子(写真提供:カイケラボ)
オフシーズンの海辺を楽しみ尽くす社会実験「カイケジャンボリー」の様子。こどもから大人まで、海辺で様々なアクティビティが楽しめます。(写真提供:カイケラボ)
「灯り」と「飲食」を切り口に、魅力的な空間づくりをめざした社会実証実験「KAIKE AKARI PARK(カイケアカリパーク)」の様子。公園や遊歩道をライティングし、魅力的な滞留空間をつくり出した。(出典:米子市HP)

地域と共に考えるエリアの未来

このような地域に向けた実証的取り組みと並行し、住民参加型のワークショップ、まちづくりに関心のある住民や事業者の方などを対象としたイベントなども多数開催されました。皆生温泉周辺を再現した街並み模型にやりたいことを自由に書き込んでみるアイデア会議、空き家ツアー、エリアデザインスクールなど、様々な企画が進行しました。

伊坂「皆生温泉エリア経営実行委員会設立初期から、地域との関わりしろをつくり出すワークショップ形式でのプログラムを積極的に企画・開催しています。初期の頃から参加してくれた方々が今も継続的に関わり、イベント時には自主的に企画をしてくれるなど、こうした活動を続ける大切さを実感しています。」

皆生温泉の街並みが再現された模型の前でアイデアを交わす地域の皆さん。(写真提供:カイケラボ)
模型の前に実際にアイデアを書き込んでいきます(写真提供:カイケラボ)

また、ワークショップやイベントの他に、日常的な交流の場として「水一(スイッチ)広場」という企画も行われています。毎月1回、皆生温泉エリアの動きに関心のある人たちが地域の公園などに集まり、飲んだり食べたりしながらゆるやかに情報交換や近況報告をする場です。

ある日の水一広場の様子。屋外で焚き火を囲みながらアイデア会議をすることも。(写真提供:カイケラボ)
整備されたデッキで開催された水一広場。屋外での対話は気持ちもオープンに!(写真提供:カイケラボ)

お話を伺っていると、実証実験や企画の数、その幅の広さに驚かされますが、これらの取り組みがどれも地域の未来に向けた重要なステップであることも感じられます。

伊坂さん「日常のコミュニケーションやつながりをとても大切にしています。水一(スイッチ)広場のように参加ハードルの低い気軽な時間から、みんなで議論を深めるワークショップまで、様々なアプローチを実行しています。それぞれに良さがあり、日ごろのつながりで育まれた信頼や関係性は大きな力になったのではないかと思います。」

エリアビジョンの実践部隊としての「カイケラボ」

2022年3月、それまでの実証実験や地域向けの取り組みをもとにまとめた「かいけエリアデザイン」が策定されます。その具体的な実践部隊として誕生したのが、共同事業体「カイケラボ」です。複数のメンバーで構成されるこの組織は、エリアビジョンの実現に向けた重要な役割を担っています。

伊坂「皆生温泉エリア経営実行委員会として活動を続ける中で、コロナ禍にも関わらず、多くの相乗効果が見られました。これを一過性のものとして捉えるのではなく、永続的に続く組織体として運営する必要があると感じました。そこで、ビジョンの実践部隊として本格的に立ち上げたのがカイケラボです。」

カイケラボの設立にあたり、皆生温泉エリア経営実行委員会が声をかけたのは、鳥取・島根両県を中心に活動する株式会社エートスの永井さんでした。永井さんは、オフシーズンの海辺活用を考える社会実験「カイケジャンボリー」の統括プロデューサーなど、すでに皆生温泉の様々な企画に関わっていた方でもあります。

永井「まずはウェブサイトを立ち上げ、地域に関わる方々がより豊かな暮らしを送るための取り組みを広げるために、この皆生温泉の魅力や可能性を地域内外に発信することから始めました。カイケラボには、建築設計士の吉田輝子さん、都市計画コンサルタントの又吉重太さんなどの専門家から、四条通りでの歩行者天国イベントであるパーキングデイをきっかけに関わり始めてくれた森田悟史さん、エリアデザインスクール受講生の小西正剛さんなど、非常に多様なメンバーで構成されています。」

これまでの皆生温泉エリアでの様々な取り組みがまとまっているカイケラボの公式ウェブサイト

低未利用地を活用した分散型マーケット「ぐるぐるかいけ」

そんなカイケラボの代表的な取り組みのひとつが、2022年から定期的に開催されている社会実験「ぐるぐるかいけ」です。これは、皆生温泉エリアの複数の低未利用地を発掘・活用し、地域のあちこちで分散的に行われるマーケットイベント。街のあちこちに小さな「屋台」が現れ、訪れる人々がエリア内を「ぐるぐる」と巡りながら楽しめる仕掛けです。

諏訪「皆生温泉エリアでは、空き店舗や空き家などの低未利用地が増えていることが大きな課題です。そこで、これらの場所を地域の新たな資源として活かせないかと、永井さんたちに相談をしたことがきっかけでした。」

低未利用地の利活用の可能性を広げ、地域の日常がより豊かになる企画ができないかという思いで始まったぐるぐるかいけ。活用する土地は、行政保有の敷地だけではなく、民間の空き店舗や空き家、空き地など、多様な場所が対象となっています。そのため、開催にあたっては、所有者ごとに異なる手続きや条件を整理し、柔軟かつ再現性のある活用フローとしてまとめ、ガイドとして共有されているのも活用のハードルを下げる重要なポイントです。

米子市中心に、地域内外からの出店者が参加します。ご自身の得意なことや趣味を活かしてお店づくりにチャレンジする方も。(写真提供:カイケラボ)
夕方から夜間にかけてもいい雰囲気に。家族ではじめてのお店づくりにチャレンジする方もいるそう。(写真提供:カイケラボ)

永井「屋台の内容は、飲食、クラフト、ワークショップなど、実に様々です。いつもは小学校の先生だけどキャンプ飯をつくるのが得意な方が出店してくれたり、普段の仕事や立場はいろいろです。かつて『エリアデザインスクール』の受講生が企画をしたり、逆にぐるぐるかいけをきっかけにコアメンバーになったり、これまでの活動が自然とつながる場所でもあり、新たな関係性が生まれる場所にもなっています。」

企画で大切にされたことは、「皆生温泉エリアのちょっと未来の豊かな日常を見せる社会実験にしたい」という思い。そのため、単発でイベントを実施するのではなく、イベントの継続性を見据えた仕組みやルールづくりにも力が注がれました。

諏訪「単発で終わらない、継続的な活動に育てたいという思いが根本にあります。やりたいことがある人は気軽にチャレンジできる場所になるよう、永井さんたちと一緒に参加しやすい仕組みやルールを整えました。屋台を軸にしているのも、誰でも気軽に関われるようにという工夫です。屋台をレンタルできる仕組みも整え、自分のアイデアをすぐに形にして参加できるようになっています。」

「屋台」を誰でもレンタルできる仕組みを整備。出店したい場所や内容に応じて、米子市、旅館組合、保健所などが相談に応じる。低未利用地の活用可能性の発掘、地域プレイヤーの活躍の機会創出など、様々な側面で価値をつくり出している。(写真提供:カイケラボ)

人の動きが、地域経済の動きを生み出す

ぐるぐるかいけの初開催時を振り返り、皆生温泉エリア経営実行委員会の副会長であり、皆生温泉観光株式会社代表取締役社長である坂内さんはこう語ります。

坂内「こんなにも人が集まるなんて、本当に驚きました。そのくらい初回から大勢の方々が訪れてくれてとても嬉しかった。コロナ禍で宿泊客が減り、地元のお店も減少し、商売全体がうまく回らない状況が続いていた中で、希望の光を感じた瞬間でした。やり方次第でこんなにも人が来てくれる。
観光産業の視点では、つい外からの集客に目が向きがちですが、まずは地域に暮らす人たちに目を向ける大切さを実感しました。今後も、皆生温泉に住む皆さんがまた来たいと思えるようなエリアに育てていきたいと思っています。」

こどもから大人まで様々な出店で賑わうぐるぐるかいけ(写真提供:カイケラボ)

2025年3月には、10回目のぐるぐるかいけを開催。メイン会場になったのは、長らく使われていなかった松林。そこに多くの方が集い、にぎわいが生まれたと言います。さらに最近では、イベントをきっかけに常設店舗を構える動きも出てきています。

諏訪「ずっと屋台を出していた方が、皆生温泉でコーヒーショップ兼焙煎所を開いたんです。ぐるぐるかいけでのチャレンジがまちに定着する継続的な動きにつながった。この動きが生まれ始めたことはとても大きな意味があり、これから連鎖的に広がっていく気もするんです。」

こうした動きは、地域の社会実験としての成果もさることながら、皆生温泉という観光地としての価値を広げるものでもあります。

諏訪「様々な社会実験を通して、宿泊客の方に案内できる地域の選択肢が少しずつ増えていく。それらが積み重なることで、皆生温泉に訪れたくなる理由が増えること。そんな可能性を感じさせてくれる動きとなりました。とはいえ、それを観光業に結びつけていくにはまだまだ時間がかかります。旅館経営者の皆さんがお客さんの増加を実感できるようになって初めて、地域での取り組みと観光業がつながってくる。そのためにもまだまだこの活動を広げていかなければいけません」

旅館を地域にひらく、新たな滞留空間

街で過ごす選択肢が増えれば増えるほど、旅館にとっての新たな武器やメニューになる。そんな視点から、日常的に立ち寄れるような滞留空間をつくる取り組みも始まっています。

諏訪「海と温泉がこれほど近いという、皆生温泉ならではの環境を活かさない手はありません。地域での居場所の選択肢を増やし、旅館を地域にひらく実験のひとつとして、海岸沿いの3つの旅館の一部敷地を活用し、新たな滞留空間を整備しました。ベンチやテーブルなどのファニチャーを設置し、周辺の植栽も整えたことで、皆生の風景を楽しみながらゆったり過ごせる空間ができたと思います。」

令和5年度の米子市都市景観施設賞・景観部門を受賞したOUランドのファサード整備(写真提供:皆生温泉観光株式会社)
左 皆生シーサイドホテル海の四季では、屋外デッキを設置。 中 湯喜望白扇では、遊歩道に休める場所が少なかったことから十数人が座れる場所を整備。 右 皆生グランドホテル天水の滞留拠点では、垣根の一部を改装して、散歩する人にくつろいでもらえるようにベンチを設置。

伊坂「ここに日常的にキッチンカーが来てくれたらもっと面白いと思っています。人の流れと経済の循環が自然と生まれるような、そんな仕掛けをつくりたいですね。」

以前はただ通過する海岸沿いの道だったところが、今では散歩中にちょっと休憩したり、ペットと一緒にゆったり過ごす風景が見られるように。地域住民から観光客まで、幅広い使い方が期待される遊歩道となりつつあります。これからも、ここを起点に様々な動きが生まれていきそうです。

地域の恵みを未来へめぐらせる

地域の内側に目を向けたアクションを積み重ねながらも、常に30年先の皆生温泉の姿を見据えている皆生温泉エリア経営実行委員会の皆さん。今後さらに大きな未来を描くために、より広く、深い視座で地域資源の活用と循環を進める必要があると語ります。

諏訪「皆生温泉エリアは温泉を集中配湯している強みがあります。発展的に、温泉供給管の更新に合わせた電熱供給の仕組導入することにより、旅館のエネルギーコストの削減、地域経済全体にとってポジティブな影響をもたらせる構想の具体化に期待しています。」

永井「僕らは、人が動くことが地域経済が動くことにつながると信じて活動していますが、それらも温泉という自然資源と、旅館経営者の方々の理解があってこそ成り立つものだと思っています。自然環境、人、経済、それらすべてがつながり循環してこそ、本当の意味での持続可能な地域づくりが進められるのではないか。そのビジョンを、関係者の間で共通認識として持てていることがとても心強いです。」

小さな活動・アクションを積み重ねたのちに、地域経済の循環が広がっていくイメージ図(カイケエリアデザインver2.0 かいけエリアビジョンver1,0より抜粋)

コロナ禍という未曾有の危機をきっかけに、地域の内側に光を当て、観光地としてだけでなく「暮らしの場」としての価値を見つめ直した皆生温泉。旅館経営者、行政、観光協会、地域住民といった多様なプレイヤーが手を取り合い、小さな実験や対話を重ねながら、新しい風景をつくり出しています。

100年以上の歴史ある温泉街としてのあり方を根本から問い直し、未来に向けた一歩を踏み出す皆生温泉エリアに今後も注目していきたいと思います。

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