公共R不動産のプロジェクトスタディ
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わいわい!!コンテナ
わいわい!!コンテナ2

芝生で思いっきり遊ぶ子どもたち。

空き地にコンテナを置くこと。

このとてもシンプルに見える作業は、建築基準法をクリアすることから始まります。これが結構面倒。コンテナは建築物ではないが、長期間同じ場所に設置し、中に人が入ることを前提にする場合は建築確認申請を通さなければなりません。そのためポンと置くだけではダメで、基礎をつくりボルトで固定する必要があります。

街にコンテナが突然出現

その効果は大きく。コンテナの中には、小さな雑誌や絵本の図書館、積み木がいっぱいの遊び場、そしてチャレンジショップ(空き店舗を店舗開業希望者に期間限定で格安に賃貸)が入っています。芝生を有志の市民で敷きつめたことによって、ここはみんなの場所になりました。何の手掛かりもなかった空き地に、コンテナというアイコンがやってきたことで、ここではいつも何かが起こっていて、なんとなく市民が集まってもいい場所に育っていきました。

始まりは社会実験。

この「わいわい!!コンテナプロジェクト」。始まりは街なかに賑わいを取り戻すための取組みとして2012年1月末までの社会実験でした。街のなかに出来た公共とも私有地とも言えない、コンテナはその実験期間に多くのひとが訪れる空き地リビングとなり、1号目の「わいわい!!コンテナ1」は現在、地元佐賀のサッカーチーム「サガン鳥栖」のサテライトショップとなっています。そして、2012年から始まった「わいわい!!コンテナ2」はクリーク沿いに新たに「チャレンジコンテナ」が仲間入り。チャレンジショップやギャラリーができる、市民の何かに挑戦したい、関わりたいという気持ちをサポートしています。

地方都市は中心市街地の空洞化が止まらない。

駐車場という名の空き地が増え、風景やコミュニティが壊れています。佐賀のプロジェクトで提案しているのは、どうせ疎らになってしまったならば、そこを原っぱと捉え直し、再び子どもたちが自由に走り回れる場にすること。そのなかに点々と店や家が点在し、緑と建物が混在する新しい街並みをつくることです。コンテナはそのスタートのアイコンとなっています。

PROFILE

飯石 藍

公共R不動産/株式会社nest/リージョンワークス合同会社。1982年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、アクセンチュア株式会社にて自治体向けのコンサルティング業務に従事。その後2013年に独立し、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。全国各地で公民連携・リノベーションまちづくりのプロジェクトに携わりながら、南池袋公園・グリーン大通りのPPPエージェント会社の立ち上げにも参画。

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