公共R不動産のプロジェクトスタディ
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上野公園の緑を堪能
スターバックス・PARK SIDE CAFE

広場に面したスタバ。賑わいが生まれている。

なぜ今までなかったのだろうか。

上野駅から上野動物園へ向かう途中の大きな広場に面して建てられた2つのオープンカフェ。2012年の春にオープンした「スターバックス」と「PARK SIDE CAFE」。公園の大きな木に囲まれたカフェは、どちらも深いの軒の下にテーブルが設けられ、公園の緑を楽しみながらゆったりとくつろげる空間になっています。なぜ今までなかったのだろう、と疑問に思ってしまうが、これも規制緩和によって生まれた景色の1つ。

オープンカフェができるまで。

上野恩賜公園は、東京都建設局が直営で管理している公園。平成21年に策定された「上野恩賜公園再生基本計画」にオープンカフェの設置が盛り込まれ、都によって整備が進められてきました。都市公園法では、公園以外の用途で使用することができないことになっています。公園以外の用途とは、と疑問に思う人もいるかもしれないですが、誰もが気持ちよく使えるために制定当時に考えられたこと。しかし、今の時代に公園にオープンカフェがあることが、気持ちよく利用することに必要な施設と考えられないだろうか。それによって規制緩和が行われています。今回の場合、都が建物を建設し、建物の指定管理を民間事業者が担う。その民間事業者がオープンカフェのテナントを誘致し、運営を行っています。テナントはカフェでの収益を民間事業者を通して、東京都へと還元していく。実は、あの風景はこのようなスキームでつくりだされています。

PROFILE

飯石 藍

公共R不動産/株式会社nest/リージョンワークス合同会社。1982年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、アクセンチュア株式会社にて自治体向けのコンサルティング業務に従事。その後2013年に独立し、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。全国各地で公民連携・リノベーションまちづくりのプロジェクトに携わりながら、南池袋公園・グリーン大通りのPPPエージェント会社の立ち上げにも参画。

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