公共R不動産がピックアップする物件
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スポーツ・自然派コンテンツにオススメ小ぶりな研修所

大津市といったら琵琶湖!ですが、今回ご紹介するのはリバーサイド。瀬田川沿いの小高い丘の上の研修施設、2階建て16部屋の客室をもつ約1,300㎡ほどの小ぶりな建物です。

アクセス難を気にしないコンテンツで

市街地からは車で30分ほど。ちょっと離れているため、日常利用はなかなか難しく、令和2年3月31日をもって廃止予定。今般、地域以外の方々が足を運びたくなる、または地域の方にたくさん使ってもらえるような新しい施設の運営形態への転換を期待して事業者からの意見を募集します。

立地としては、川も近く、周囲にはテニスコート20面、野球やサッカーができるグラウンドなどのある広大な大石緑地スポーツ村があり、今後、近くにグラウンドゴルフ場も整備されるという、合宿にはもってこいの場所。企業の研修や合宿利用って、みなさん、バスや車でいらっしゃいますよね。しかも、将来的にはスマートインターが近隣に整備される予定もあるようで、車移動前提の用途を前提としたコンテンツがよさそうです。

吹き抜けの厨房が素敵 あとはコンテンツで尖せる

施設の中で一番いいなと思ったのは、入ってすぐ、施設の中心に位置するレストラン部分。吹き抜けといっぱい差し込む光が気持ちいいんです。無駄なものは取り払い、ここだけ独立しレストラン経営で、テラス席をもう少し充実…という形でもいいかも。スポーツ施設が周辺に充実しているので、スポーツに特化したアスリートメニューとか、いけるかもしれないですね。

それから、これまで大広間として使われてきた60畳の和室や大浴場(中浴場くらい)もあるので、例えばヨガのリトリートなんかにももってこい。自然に囲まれ、人工物がほとんど目に入らない立地で、窓を開ければ瀬田川のせせらぎや鳥の声が聞こえるこの環境は、コンセプチュアルなビオホテルとかにも向いているかも…とか。自然の中ならではのコンテンツは相性よさそうです。

躯体もしっかり!

平成6年築なので、躯体もしっかりしていますし、ほとんど手を入れなくてもファニチャーとかだけ少しやり変えれば印象が変わりそうです。現在、まだ使われている状況ですので、引き継げば設備的にもほとんど問題なく使えるはず。アイディアがうまく実現できれば、低投資で宿泊事業に乗り出せるチャンスになるかもしれません。わざわざ、ここにきたくなるようなコンテンツと抱き合わせだとなおよしかと。

売却、賃貸などの方針も民間の意見を受けて検討されるようで、今のうちに意見を伝えておく価値大です。

今後の予定

ひとまず、大津市としては、どんなアイディアで使ってもらえそうか、意見を聞きたいという段階で、今回いただいたアイディアをもとに、令和3年度中に公募に持ち込めればと考えているようです。応募フォームもとても簡素なもので、なんとメールかファックスでの提出でOK、各種会社の証明書なども不要という気軽さです。まず、少しでも興味のある方は、お問い合わせ気分で、アイディアを送ってみてはいかがでしょうか。

ステータス:募集中
所在地:滋賀県大津市 大石淀3丁目16番18号
交通:京阪バス大石行き「大石小学校前」下車・徒歩約15分
価格:提案次第
面積:延床面積:約1,300㎡
期間:2019.12.26~2020.3.13
募集要項:「大津市スポーツハウス・リバーヒル大石」の建物・土地の活用意向調査を募集します
問い合わせ先:大津市 未来まちづくり部 公園緑地課

PROFILE

菊地 マリエ

公共R不動産/アフタヌーン・ソサイエティ。1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。日本政策投資銀行勤務、在勤中に東洋大学経済学部公民連携専攻修士課程修了。日本で最も美しい村連合特派員として日本一周後、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。現在はフリーランスで多くの公民連携プロジェクトに携わる。共著書に『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』。

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