「公共不動産データベース(公共DB)」とは、全国の遊休公有財産の情報を一元化したサービス。面積や築年数など整理されたデータ項目と写真が大きく見やすいデザインで、全国の遊休公有財産情報を一気に検索することができます。
そんな公共DBの中から、公共R不動産のメンバーが、自身の興味のあるテーマに沿って、3件をピックアップしていきます。
公共不動産データベース(登録・閲覧無料)
※公共R不動産による独断と偏見でピックアップしています。
物件の詳細は、各リンクの物件情報と問合せ先からご確認ください(閲覧には会員登録が必要です)。また、データベース内の物件は常時更新されているため、リンク先の物件の掲載が終了しているものもあります。ご了承ください。
矢ヶ部さん
民間提案制度を導入する物件3選
そんな背景のなか、いま改めておすすめしたいのが「民間提案制度(特に随意契約保証型)」です。
行政側で事前に条件や情報を揃えてくれている一般的なプロポーザルは、検討しやすく公平なのがメリットですが、その分、決められた枠の中で提案力や実績を競い合うハードルの高さもあります。
対して「民間提案制度」は、事業者のアイデアをもとにオーダーメイドで活用プロジェクトをつくっていく手法です。条件が決まりきった状態で競うのではなく、お互いの「できること/できないこと」をテーブルに乗せて、対話しながら事業化できるのが最大の魅力。小規模や実績が少ない事業者にとってもチャンスが広がります。
公共DBでも、この制度を採用する物件が少しずつ増えてきました。 「民間提案制度」と聞くとお堅い印象ですが、要は『一緒にプロジェクトつくっていきましょう制度』だと思っています。まずは話し合いからスタート。そんな気持ちで気になる物件に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
ゆくゆくは事業拡大も…?

旧大山保育園(千葉県鴨川市)
https://db.realpublicestate.jp/estates/5385
矢ヶ部さん
PRポイントの文章のトーンでその自治体や担当者のキャラクターが垣間見えますよね。「旧大山保育園の100m以内に旧幼稚園舎や旧小学校体育館、約300m以内には旧公民館があります。ゆくゆくは事業拡大も…?」といった売り込みフレーズがいいなと思いました(笑)。事業内容によっては、別の物件が提案される可能性があるかも?
絶景露天風呂付き

ごぜんやま温泉保養センター四季彩館(茨城県常陸大宮市)
https://db.realpublicestate.jp/estates/5267
矢ヶ部さん
延べ床面積1935㎡という大きな施設、そして絶景の露天風呂付き!民間提案制度のいいところは、お互いのニーズをすり合わせていけるところ。大きすぎてちょっと持て余すかも…という場合は、部分的な活用が可能か、交渉してみるのも一手だと思います。令和8年度から民間提案制度などで活用募集が始まるとのことで、要チェックです。
敦賀湾を臨む明るい旧校舎

海を臨む旧西浦小中学校(福井県敦賀市)
https://db.realpublicestate.jp/estates/5094
矢ヶ部さん
吹き抜けの中庭から光が差し込む、明るい室内が魅力。学校建築としては珍しいレイアウトです。 夏は海水浴客でにぎわう海沿いのエリアなので、その立地を活かした宿泊や合宿施設など、地域全体を盛り上げるような提案がこの場所には合いそうです。
全国にある公共不動産の活用事例も紹介しています!
公共R不動産では、公共不動産を活用したプロジェクトの背景、ビジネススキームやデザインなど、全国のあらゆる事例を取材しています。公共不動産活用事業の参考に、以下よりぜひご覧ください。
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お宝物件を掘り出せ!「公共不動産ディぐるナイト」
おもしろ公共不動産をディぐって、掘り出し物件を見つける楽しさを共有するイベント「公共不動産ディぐるナイト」。公共R不動産がおすすめする物件をセレクトして、不動産愛好家(勝手にそう呼ばせていただきます)のみなさんをゲストにお呼びし、セレクトした物件に対して「こんなふうに使っちゃう?」と妄想を繰り広げてもらいました。
廃校や文化施設、少年自然の家など、全国にある遊休公共不動産の活用方法についてディスカッションしているので、ぜひご覧ください!





おかげさまで公共不動産データベース(公共DB)は、2025年も大きな成長を感じる一年となりました。民間会員数は毎月約100名ペースで増え、物件への問い合わせも月10〜20件ほど。テレビのゴールデン番組で公共不動産活用が取り上げられたりもして、みなさんの身近にある遊休施設の活用への関心が高まっている実感があります。
一方で、民間と行政のミスマッチも課題です。公共不動産は、売買でも賃貸でも手続きが複雑で、地域への配慮も不可欠ですし、民間取引のスピード感とは異なるハードルがあるのも事実です(※ビギナー向けの詳細は「公共不動産活用ガイド」をご覧ください)。