公共R不動産がピックアップする物件
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愛知県陶磁美術館活性化アイデア募集

愛知県陶磁美術館で、屋外空間やレストランスペースなど、展示室以外のスペースについて施設活性化事業のアイデア募集を行います。

狛犬が迎えてくれるロビー。オークラランタンが美しい。以前はこのスペースにミュージアムショップがあった。

陶磁美術館概要

愛知県陶磁美術館は日本のやきもののふるさと・瀬戸市に広大な敷地を有する、日本最大級の陶磁美術館。縄文時代から現在に至るやきものの歴史、変遷を伝える貴重な作品・資料や、海外陶磁器、現代作品などが展示されていて、窯業の歴史と作品の美しさを同時に楽しめる場所です。また、3つの展示館のほか、作陶体験ができる陶芸館、茶室スペースなど、多様なやきもの体験を提供。30年にわたりこの館に携わる館長の佐藤一信さんはじめ、学芸員の知識も圧巻の、焼き物の聖地です。設計はホテルオークラなどを手掛けた谷口吉郎。壁のタイルからドアの取っ手に至るまで、細部までこだわって作られた建物は、焼き物に興味がなくても必見です。隣接する愛・地球博記念公園には、今秋ジブリパークも開園予定でますます注目!なのですが、レストラン・ミュージアムショップ・茶室等の運営者がおらず、展示スペース以外の活用が求められています。美術館は2023年6月中旬から2024年度末まで改修工事に入るため、2年間の十分な準備期間を経て、活性化事業に臨むことが可能です。

今回のアイデア募集は、公共R不動産を運営する株式会社OpenAが、愛知県から受託して行っています。OpenAは、このアイデア募集を陶磁美術館のあり方を問い直す機会の一環と捉え、「この土地で生まれ、育まれてきた陶磁産業を切り口に、地球とのつながりを丸ごと感じることができるネイチャーパーク」をコンセプトに、施設再編に向けてアプローチを進めています。

本稿では、中でも公共R不動産が活用可能性を強く感じる、おすすめのスペースを詳しくリポートします。活用のアイディアが浮かんだ企業・個人の皆さん、ぜひ以下からご提案ください。
https://www.pref.aichi.jp//soshiki/bunka/2022idea-boshu.html

左 ホールの入り口のドアノブも陶器 中 地元瀬戸の大和窯業が制作したボーダータイル。 右 エレベーターに貼られた打ち出しの銅板も美しい。

レストラン

本館から美しい廊下を抜けてたどり着くレストラン(357.96㎡)は、以前は食券スタイルの食堂があったのですが、2021年度をもって営業を終了(2022年度からの事業者を募集した際の資料では、参考賃料として年額446,000円)。以来美術館付近で飲食できる場所がなく、お弁当を持参するしかない状況です。しかしこの美しい庭の景色!料理を目的に来てもらえるようなガストロノミーにもぴったりです。厨房機器も一部残っており、二年後の開業に向けてじっくりとプランを練る猶予があります。今回のアイディア募集では契約方法(業務委託なのか賃貸なのか)、金額(委託料や賃料)、契約期間(内装に投資するので長期で借りたいなど)すべて自由に提案できます。ショップや屋外空間を使ったイベント実施など、他の事業と合わせての提案も可能なので、レストラン目的での来館者数を増やすなど、意欲的な提案をお待ちしています。

美しい芝生を見渡すレストランスペース
左 厨房 中 ここにテラス席を創ったらきっと気持ちいい。 右 平面図

屋外スペース

水景が美しいサンクガーデン。写真奥に広がる芝生スペースも活用提案可能です。
敷地面積は芝生や森、駐車場も含め27万㎡!
敷地全体の活用提案もお待ちしています。

茶室

織部など美術館の所蔵品でお茶を飲める企画が人気を博していた森の中の茶室も運営者を募集しています。(2021年度参考賃料 124.98㎡ 年額70,000円)

緑に囲まれた茶室「陶翠庵」
左 緑をかき分けていくと現れる門 中 以前は甘味などが提供されていた。 右 キッチン完備
左 本格的な茶室があり、お茶会も催されてきた 中 茶室内部の様子 右 喫茶スペース横の和室

公募要項

以下愛知県HPをご参照ください。
https://www.pref.aichi.jp//soshiki/bunka/2022idea-boshu.html

スケジュール
募集要領の公表 2022年9月22日(木)
現地見学会の参加申込み  2022年9月22日(木)~10月3日(月)
現地見学会の実施  2022年10月12日(水)
質問受付  2022年9月22日(木)~10月21日(金)
アイデアシートの提出  2022年9月22日(木)~10月21日(金)
個別ヒアリングの実施  2022年11月上旬~中旬
結果概要の公表  2023年2月(予定)

連絡先

事務局:愛知県県民文化局文化部文化芸術課 振興第二グループ
住所 〒460-8501 愛知県名古屋市中区三の丸三丁目1番2号
電話 052-954-7476
FAX 052-972-6075
e-mail geibun-kentou@pref.aichi.lg.jp

PROFILE

松田 東子

株式会社スピーク/公共R不動産。1986年生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大成建設にてPFI関連業務に従事。2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。スピークでは「トライアルステイ」による移住促進プロジェクトに携わる。2017年から2020年までロンドン在住。2021年University College London MSc Urban Studies 修了。

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