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公共R不動産 ✕ 瀬戸内市
「旧牛窓診療所」リノベーションプロジェクト

[開催レポート3] 旧牛窓診療所リノベーションプロジェクト・サウンディングツアー

オリーブ園から。海だけでなく緑もたくさん。穏やかな瀬戸内海を望む(提供:瀬戸内市)

岡山県瀬戸内市、「日本のエーゲ海」で知られる牛窓の海辺に佇む旧診療所。この診療所を再生するための「旧牛窓診療所リノベーションプロジェクト」では、29年8月末にサウンディング調査の一環として視察ツアー&トークイベントを行いました。今回の調査では、瀬戸内市✖公共R不動産で、地味に新しいかたちのサウンディングに挑戦しました。その結果はいかに…vol.3ではトークイベントとサウンディングの結果をレポートします。

2日目の午前中は市長もいらっしゃってのトークイベント。公共R不動産の馬場から公共空間の使い方のレクチャーと、地元岡山市問屋町の仕掛け役であり、なんと牛窓に一時期お住まいだったこともあるというブランディングディレクターの明石卓巳さんをゲストにお招きし、エリアリノベーションについてのレクチャーをいただきました。

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視察ツアーに参加していただいた企業の方の意見を一人ずつお聞きし、もし可能性があるとしたらどんなことができるのかアイディアを教えていただき、課題についても出していただきました。

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会場の地元の方の意見もとても愛がこもっており素晴らしかったです。多くの方が、この牛窓独特のゆったりした空気が好きで、古い町並みなどに愛着を持たれているようでした。また、この診療所についても、気にかけており、様々なアイディアをお持ちだということがわかりました。企業の方に牛窓のよさを教えてくださるとともに、みなさんの想いや願い、この診療所が地域にとってどんな存在であるべきかなど、具体的にたくさんの意見をくださいました。

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ともすれば「住民説明会」という、対立構造になってしまいがちな現地説明会ですが、このように、地元の方に魅力を教えていただきながら、企業の方たちと有意義なディスカッションができ、一緒に今後このエリアがどんなになっていくべきなのか、夢が見られたような興奮のうちに終わりました。

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その後、1ヶ月にわたり、サウンディング期間を設け、6社から意見をお聞きすることができました。

 

用途としては以下の通り

・アーティストインレジデンス
・ホステル
・研修施設
・カフェ
・パン屋
・オフィス
・研究・文化機関

 

などなど、様々な意見が出ていますが、総じて・初期投資は何らか補助がないと賄えないのではないかといった意見が大半。思いの外、地元の業者さんからも手が上がり、地元と東京の企業のコラボレーションも生まれるかも!?といった状況で、ひとまず瀬戸内市✖公共R不動産で目指した新型サウンディングは目的を達成して終われそうです。

事業者の公募はまた来年度に実施予定で、乞うご期待です!

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※ 後日談…

本業務ですが、今年度は事業者募集まで行く予定だったところが、実は市が行う耐震工事の内容に変更が生じてしまい、工事完了までとなりました。
というわけで、まだ使いはじめられていないのですが、トークイベント後、イベントに参加した地元の方や牛窓に移住した方々、その想いを聞いて共感した地域外の方々が集まり活用法についての話し合いが自主的に行われたとのこと。地元のみなさんにとっても何らか、この施設が使われること、そして自分たちがつかっていくことのイメージが湧いて、わくわくしながら関わってくださるきっかけとなったようで、うれしいです。

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屋上、さらに抜け感がでてよい感じですねー!

地元もあたたまってきているところで、いよいよ30年度には事業者公募が開始する予定ですので、楽しみにお待ちください。

 

※プロジェクト概要はこちらをご覧ください

サウンディングの募集記事はこちらをご覧ください

[開催レポート1] 旧牛窓診療所リノベーションプロジェクト・サウンディングツアー

[開催レポート2] 旧牛窓診療所リノベーションプロジェクト・サウンディングツアー

[開催レポート3] 旧牛窓診療所リノベーションプロジェクト・サウンディングツアー

 

PROFILE

菊地 マリエ

公共R不動産/アフタヌーン・ソサイエティ。1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。日本政策投資銀行勤務、在勤中に東洋大学経済学部公民連携専攻修士課程修了。日本で最も美しい村連合特派員として日本一周後、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。現在はフリーランスで多くの公民連携プロジェクトに携わる。共著書に『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』。

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