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公共R不動産 ✕ 沼津市
1DAY RePUBLIC@沼津プロジェクト

[開催レポート・前編] 1DAY RePUBLIC アイディアコンペ@沼津 vol.2

ネガディブなクレームは、行政に届きやすく、結果、禁止事項やルールばかりの不自由な公共空間が増えていく。逆に、敢えて物言わぬサイレント・マジョリティー市民の「こんな場所があったらいいな」「こんなことしたい」という、ポジティブな想いをすくいあげる機会をつくってみたい、というモチベーションで公共R不動産が開催している1DAY RePUBLICアイディアコンペ。ある公共空間をお題に、ユーザーたちで楽しい意見を出しまくり、集めて、まとめて、一番いいものを競ってみる。あわよくば実行してしまう…というプログラムです。昨年12月に続き、静岡県沼津市さんから第2回目開催のオファーをいただき行ってまいりました。今回はその日の模様をレポートします。(募集記事はこちら

TOGO PARK RENOVATION PROJECTって?

静岡県沼津市といったら「漁港」とイメージされる方が多いと思いますが、まちから自転車で行ける距離にマリンスポーツが楽しめるビーチがあります。 今回の対象地はそんな牛臥(うしぶせ)海岸沿いの島郷(とうごう)エリアの空き地。

ここは東京都立大学附属高等学校沼津寮の跡地で、数年前に沼津市に寄贈されたままになっていました。隣には老舗マリンスポーツショップがあり、ウィンドサーフィンやSUPを楽しむ方々の拠点となっていることから、この空き地も、もう少し有効活用できる方策があるのではないかという期待の声がちらほら。また、現在、県の防潮堤工事が予定されており、これを機に、市民の声を聞き、「使いたい」ニーズが高いようなら、工事と合わせて整備が検討できるというタイミングである、という2つの要素から、対象地として選定されました。

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というわけで、公共R不動産が勝手に“TOGO PARK RENOVATION PROJECT” と名付け、公園としてリノベーションするアイディアをみんなで妄想したものの、厳密には、公園課が管理している「空き地」であり、正式な「公園」ではありません。今回のアイディア次第では公園として整備される…かもしれないといった微妙なステータス。私達もどう転ぶのか落とし所なく臨んだワークショップでした。

さて、市民のみなさまの意向はどんなものだったのでしょうか…?

当日のプログラムを追ってレポートしていきます。

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>>10:00〜レクチャー

今回の参加者は全部で26名。中学1年生から自治会の方々まで、幅広い年齢層の方々がご参加くださいました。会場は由緒正しい沼津御用邸の東附属邸。畳に座布団で、多様なバックグラウンドと年齢層の方が揃い、なかなか珍しい場になりました。

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まず、東京R不動産代表の吉里裕也さんから、下北沢ケージや、海つながりで上総一ノ宮の事例のご紹介。また、スペシャルゲストとしてお招きした西山芽衣さんから、西千葉で運営されているHELLO GARDENという空き地活用プロジェクトの事例をレクチャーしていただきました。なんだか、話を聞いていると自分たちでもできそうな気持ちになってきます。

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>>11:30〜フィールドリサーチ

さて、アイディアのシャワーを浴びたあとは、フィールドリサーチへ。対象敷地とその周辺を散策し、どんな地域資源があるのか発掘しつつ、妄想を広げます。

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牛伏山公園では地元の古民家カフェNORAのピザと、地元の食材にこだわったオビワンズカフェの沼津麦豚バーガーが、沼津生まれのおしゃれ屋台TINY STANDでランチを求める私たちを待ち受けてくれました。のんびり海辺でランチ〜の予定が、ちょっと寒すぎて凍えながらのまちあるきになってしまいました。。。

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>>14:00〜アイディアブレスト

14時過ぎからはワークショップ会場に戻り、ここから3時間、集中してアイディアブレスト。3チームに別れ、各チームから3つのアイディアを最終発表してもらうことに。

まずはまちを歩いて発見した、このエリアの魅力をとことん出し合います。次に、沼津での日々の暮らしの中のストレス・ほしいコンテンツを考え、それらの中からこの場所の魅力と合致して解決できるような場の使い方のアイディアを考えていきました。

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>>17:00〜アイディア発表・投票

あっという間の3時間。17時からは3チーム✕3つのアイディア=合計9つのアイディアを順に発表してもらいました。市内の方も発表を聞きにいらして、一緒に発表を楽しんでいただきました。後編では、アイディアとコンペ結果をご紹介します!

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PROFILE

菊地 マリエ

公共R不動産/アフタヌーン・ソサイエティ。1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。日本政策投資銀行勤務、在勤中に東洋大学経済学部公民連携専攻修士課程修了。日本で最も美しい村連合特派員として日本一周後、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。現在はフリーランスで多くの公民連携プロジェクトに携わる。共著書に『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』。

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公共R不動産の本のご紹介

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自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

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