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蒲原地区「トライアルパーク」プロジェクト

静岡市・蒲原の新たな実験場「トライアルパーク」。事業の根幹を担う、施設長とキュレーターを募集中

2022年夏、静岡市清水区蒲原に「トライアルパーク」がオープンします。市民、企業、行政が連携しながら、1.2haの広大な敷地をどのように活用していくかトライアルを重ねていく実験場です。2022年1月には運営事業者が決定し、ただいま工事が進行中。今回はこのプロジェクトの根幹を担っていく、トライアルパーク施設長(責任者)とキュレーターの人材を募集します!

新しい道の駅を見据えた、
トライアルパークとしての暫定利用

舞台は、静岡市・蒲原にある1.2haの広大な敷地。市が所有するこの場所を、多くの人の「やりたい」を実現するテストマーケティングの場「トライアルパーク蒲原」とするため、ただいま整備が進んでいます。

当初、静岡市では、この敷地を活用して道の駅をつくる構想が動き出していました。ところが、将来の人口減少社会を見据えたとき、最初から大規模な公共施設をつくるのではなく、小さな事業の実験を重ねながら段階的に計画を進めていこうとシフトチェンジ。そこで着目したのが、公共R不動産が提案する「トライアルサウンディング」の手法です。

旧県立庵原高等学校のグラウンド跡地が活用される。国道1号バイパスから多くの利用者が見込める立地であり、近くには富士山や伊豆半島を一望できる河川がある。

トライアルサウンディングとは、行政が活用検討している敷地に対し、民間事業者が検討中の事業をまずはトライアルで実施できる期間を設けるという制度。官民共にトライアルの結果をフィードバックし、その後の公募に活かしていく新しいサウンディングのプロセスです。

例えば、何か物を売りたい人がいきなり店舗を構えず、キッチンカーや仮設店舗から始めることで、ノウハウを蓄積しながら段階的に事業を成長させていくことができます。

つまり今回においては、トライアルパークをテストマーケティングの場として暫定利用しながら、徐々に蒲原に相応しい機能や施設が洗練されていき、将来的に道の駅事業に引き継がれていくというわけです。
蒲原のエリア紹介やトライアルサウンディングについては、以下の関連記事で詳細をご覧ください。

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公共R不動産では静岡市とタッグを組み、トライアルパークの基本設計やトライアルサウンディングに向けたプロセスデザイン・周辺エリアも含めた「サイクルツーリズム」のプランニングなどに取り組んできました。

基本設計が仕上がり、現在は2022年夏のオープンに向けて着々と工事が進んでいます。

ただいま工事が進行中!

運営事業者は「スルガスマイル」に決定

2021年12月、静岡市がトライアルパークの運営事業者を公募し、審査会を経て、2022年1月には運営事業者が決定しました。

採択されたのは「スルガスマイル」。以下の5社による共同企業体で、それぞれの専門性を生かして役割を担っていきます。

・駿河重機建設株式会社(代表企業/総合統括マネージャー)
・株式会社イワセイ(古民家改修業務)
・株式会社もちひこ(管理・臨時駐車場業務、災害対応業務)
・株式会社さくら不動産(古民家運営業務)
・ALESIA株式会社(清掃業務)

スルガスマイルのみなさん。左から、久保田常右さん(株式会社イワセイ)、望月久功さん(株式会社もちひこ)、下山豪さん(株式会社さくら不動産)、高山和也さん(ALESIA株式会社)、栗山 勝訓さん(駿河重機建設株式会社)

誰もが主役になれるトライアルパーク

トライアルパークでは、多彩なコンテンツが計画されています。

例えば大企業から個人事業主まで、あらゆる人々が商品を展示したりプロモーションできるスペースや、静岡の食の魅力が集まるフードトライアルエリア、市民が日常的に集えたり、観光客も楽しめるイベントが行われる広場、サイクルツーリズムの拠点となるサイクルハブなど。

スルガスマイルの代表をつとめる駿河重機建設株式会社の栗山さんは、このように想いを語ります。

「トライアルパークでは誰もが主人公です。大企業から中小企業、個人事業主、観光客、サイクリスト、そして地域住民のみなさままで、誰もが主体者となりこの場所を使いこなしてほしい。そして、ここで蓄積されたノウハウが蒲原エリアを飛び出し、静岡全体に生かされていくことを思い描いています。さまざまなスケールや業態のプレーヤーがチャレンジしやすい仕組みを考えていきたいです」

完成イメージ

さらに周辺エリアにあるコンテンツも活用していきます。蒲原は宿場町「蒲原宿」として古い建物や街並みが残る趣き深いエリア。この風景を保存するために古民家を活用したプログラムを実施していく予定です。

さらにはサイクリストのメッカである静岡として、素人からプロまで楽しめるバリエーション豊かなサイクリングコースも用意。トライアルパークがサイクリストたちが集う拠点となります。

このように「トライアルパーク」「サイクルホスピタリティの向上」「歴史的建造物の継承」この3つを連動させていくことがミッションとなっています。

事業の根幹を担う、トライアルパーク施設長(責任者)とキュレーターを募集します

こうしたコンテンツを動かしていくために、スルガスマイルでは新たな人材を求めています。

今回募集するポジションは、トライアルパーク施設長(責任者)とキュレーターの2名。スルガスマイルのみなさんと一体となって業務を進めていきます。

トライアルパーク施設長(責任者)
行政(静岡市)、プレイヤー、地域住民を繋ぐ大切なポジションです。来場者から施設に係るプレイヤーまで、すべての人にワクワク感が提供できるような場所づくりをすることが役割です。トライアルパークを起点に地域を盛り上げ、蒲原から静岡市、そして全国へと熱量を広げていき、事業が発展した先には施設運営に限らずHDグループ(スルガノホールディングス株式会社)の幹部候補生として昇華する可能性も秘めています。

キュレーター
数多くのトライアル(イベント、キッチンカー出店、企業や個人事業主のチャレンジエリア、シェアキッチン、カフェ等)のキュレーションを行い、全体のクオリティをコントロールしていく、パークのキーマンともなる存在。HDグループ内の統括営業本部とタッグを組み、このまちの魅力と全国に散らばる可能性をトライアルパーク蒲原に集結させていく役割となります。

最後に、応募者のみなさんに向けて、栗山さんはこのように想いを語ります。

「トライアルパークのキーワードは“マッチング”。“食”でいうなら、地元の事業者、飲食店、有名シェフらがこの場所で出会うことで、これまで隠れていた価値が見出されて、静岡の食体験を多様化させていくように、あらゆる人やモノ、コトの出会いの場としていきたいと思っています。

そして、このまちにある大切なモノを温め、外からの新しい風(コト)を知る。そんな「温故知新」の精神をテーマにしています。この想いは蒲原の枠を飛び出し、市内のプレーヤーや観光コンテンツとの共創、地域の回遊性にも寄与していきます。

私たちのゴールは、トライアルパークをハブとした蒲原地区、そして静岡市全体の価値向上、活性化です。さらにそこから全国に広がり、このまち静岡を世界に轟(とどろ)かせます。蒲原、そして静岡の地域を愛し、私たちのコンセプトに共鳴してくださる方。ぜひご応募をお待ちしています!」(栗山さん)

応募条件やエントリー方法について、詳細は以下よりご確認ください。
https://www.wantedly.com/projects/845643?fbclid=IwAR2KlRyOH2HtazsNaEO3fcRHtWzmT8HMaL8gurbHbONOKI5IKuweQQUbgP0

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