公共R不動産がピックアップする物件
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絶景の地域シンボルお丸山と温泉再生

領主の気分でまちを一望

さて、今回のサウンディング募集の対象は喜連川沿いに立地する「お丸山公園」。
鎌倉時代には城が構えられ、領主は”お丸山”から見える喜連川や、桜や楓など、季節や自然を眺望とともに楽しんでいたそうです。
現在は市の名前にもなっている桜の名所であり、シーズンには市外からもたくさんのお客さんが足を運びます。車で5分圏内には「道の駅きつれがわ」があり、遠方からも訪れやすい場所です。

全体で68,000 m2もの公園ですが、市の再整備基本構想では公園内を「城址シンボルゾーン」「さくら安らぎゾーン」「自然ふれあいゾーン」の3つに分けており、今回のサウンディングの対象区域は「さくら安らぎゾーン」(10,500 m2)になります。
城址シンボルゾーンと自然ふれあいゾーンは、ここ5年ほどで植栽や遊歩道が再整備されたところで、自然を散策して楽しめるようなエリアになっています。今回のサウンディングでは、観光拠点となるようなコンテンツの提案が求められています。

2つの建物の取り扱いに注意

サウンディングの前提条件でありポイントとなるのは、対象敷地内にある2つの建物です。
お丸山のシンボルであるスカイタワー(展望台)と老人福祉センター(温浴施設)。東日本大震災で被災し、それ以降全く使われなくなっていました。整備もほとんどされていなかったため、建物を使おうと思ったら、老人福祉センター、スカイタワー共に1.5億円ほどの改修費がかかる見込みとのことです。または、建物を撤去することもokです。
※ 市の調査結果による改修費・撤去費の見積もりは募集ページを参照ください。

ちなみに温浴施設の建物は、改修か新築の必要がありますが温泉はすでにひける環境であるとのこと!
活用にあたっては、まずこの建物を活用するか、撤去するか、ということからスタートです。

この施設の改修もしくは解体撤去にかかる費用は、協議の上ですが、基本的には市が負担します。市長もこの公園の活用については相当熱い想いがあるようです。多少ぶっとんだ提案でも受け止める準備は万全!?

実はいろんな廃校活用がされている

今回依頼をいただいたさくら市。ご案内するところなんてありませんよ〜なんて言いながら、しっかり廃校活用されてました!

地元の特産品となる干し芋を生産する工場となっている「和みの杜」や、木工細工の製作販売から制作・学びができる「喜連川丘陵の里 杉インテリア木工館」になったりと、派手ではないかもしれませんが、地域の産業や特産品を生かした素敵な場所になっていました。

実はこういうことがとっても大事だったり。いざ活用してみよう、となったときに、行政と民間が敵対してしまうこともしばしば。さくら市ではすでに民間と協働しよう、という雰囲気がありそうです。

今後のスケジュール

今後のスケジュールとしては以下のとおり。

現地見学会   2019年12月12日(木)
対話参加の申込 2019年12月10日(金)〜2020年1月17日(金)
個別対話の実施 2020年1月20日(月)〜2020年1月27日(月)

今回のサウンディング調査を通じて、市がよいと判断した提案に対しては、これから導入する「民間提案制度」により事業化に向けて進んでいきます。具体的な提案であれば実施に向けたプロセスもよりスムーズに進められそうです。

現在は立ち入り禁止区域となっておりますので、現地見学会の機会にまずは現地をご覧になってはいかがでしょう。

ステータス:募集終了
所在地:栃木県さくら市喜連川5478番地1
交通:東北自動車道矢板ICから車で20分
価格:未定
面積:1.05ヘクタール
期間:2019.12.10~2020.1.17(サウンディング エントリー期間)
募集要項:お丸山公園の賑わい創出と魅力向上向けたサウンディング型市場調査を実施します
問い合わせ先:政策推進室プロジェクト推進係

PROFILE

菊地 純平

OpenA/公共R不動産/NPO法人ローカルデザインネットワーク。1993年生まれ。芝浦工業大学工学部建築学科卒業。筑波大学大学院芸術専攻建築デザイン領域修了。2017年にUR都市機構に入社し、団地のストック活用・再生業務に従事。2019年にOpenA/公共R不動産に入社。また、2015年より静岡県東伊豆町の空き家改修、まちづくりプロジェクトに携わる。

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