公共R不動産研究所
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「言い訳」が必要な公共空間のアートとその可能性

公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が運営する新しいウェブサイト、「アートと都市と公共空間」に公共R不動産の松田東子が寄稿しました。「公共R不動産研究所」では、公共空間とアートも研究テーマのひとつに掲げ、アートプロジェクトの実施や設置が公共空間においてどのように可能になったのかを紐解いていきたいと考えています。

隅田川の流域全体を使った祭典「隅田川道中」の一環として行われたカミソリ堤防でのDJ「堤防DJフェスin浜町船着場​​」。撮影:高田洋三​​

公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が立ち上げた新しいウェブサイト、「アートと都市と公共空間」に寄稿しました。地域活性化の起爆剤としてアートに期待しながら、アートがアートだという理由では公共空間で許可されない現状に触れた上で、建前をうまく使いながら小さな実験として実施するアートプロジェクトが新しい風景を生み出し、公共空間を開いていく可能性について述べました。

アートという定義すら難しいものが、公共空間で不特定多数の人と出会ったとき、どんな作用が生まれるかは予測が難しい。だからこそ、一時的にでも置いてみる、やってみる、そんなトライアルを重ねていくしかないのだと思う。アートに限らず、規制や法律が網の目のようにかかる公共空間では、小さな実験を積み重ね、効果を検証していくことで新しい風景を生み出すことができる。アーティストであれ、未来のアーティストかもしれない市民であれ、誰かが公共空間でなんらかの表現をしてみたいと考えたときに、それを受け入れられる空間は、オープンだと言えるだろう。そこが開かれた場であれば、トライアルが行われた後で、建設的な議論をすることもできる。そうした議論の蓄積を経て、個人が自分らしくいられる空間に、公共空間を近づけていくこと。アートプロジェクトが、「空間使用の前例」となり、もっと恒常的な利用を開く可能性を信じている。先の隅田川道中では、使われたことがなかった防災船着場に演奏舟が着岸したり、かみそり堤防の上でDJをしたりと、新たな可能性が開かれた。公共空間はまだまだ使えるし、これからどんどん余っていく。今は言い訳を駆使しても、まずはトライしながら使いたい人が使える仕組みをつくっていくことで、アートと公共空間双方にとって、よりよい未来が開けるはずだ

アートと都市と公共空間 β版 「公共空間とアート―オープンな公共空間をめざして」より

公共R不動産では、「アートと公共空間」について、今後も公益財団法人横浜市芸術文化振興財団と連携し、記事を掲載していく予定です。ご期待ください。

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