自分たちで、公共空間を使ってみよう!公園の新しい日常を探る実験[2/28 PLAY! PUBLIC@隅田公園]

公共空間活用のムーブメントを提唱し始めて、早いもので10年が経ちました。
私たちは全国の自治体や民間企業からの相談に乗りながら、制度のあり方や活用のノウハウを発信してきました。公共空間活用を取り巻く環境は、この10年でかなり変化したと思います。

左 トライアルパーク蒲原 右 唐津松浦河畔公園での社会実験

しかし、制度が整い、先進的なプロジェクトが動く一方で、ふと立ち止まって考えました。
「もっと個人が、軽やかに公共空間にアクセスし、使いこなす風景をつくれないだろうか?」

かつてコロナ禍に提唱した「PUBLICWARE」は、まさにそれを助けるツールになるはず。もし、そんな「使いこなしの道具」たちが街に溢れ出したら、一体どんな風景が立ち現れるのか。墨田区の隅田公園を舞台にその実践を試みます!

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隅田公園は、活用される公園をテーマに2020年に大規模リニューアル。2024年から東武鉄道を代表企業とする「すみだパークマネジメントグループ」が指定管理者として運営しています。

「組織」から「個人」のムーブメントへ

企画を検討していく中で、今回のイベントを「PLAY! PUBLIC」と題して進めることにしました。
この10年、公共空間活用の事例は、着実に蓄積されてきました。しかし、申請においては公的な団体としての位置付けが必要だったり、「個人」として踏み出すことにはハードルの高い状況がまだまだあるのも事実。次のフェーズは「組織から個人へ」。一人ひとりがパブリックに対して能動的に働きかけ、自分たちの居場所を自分たちで仕立てていく。そんな「個」の力が街を変えていく10年になるのではないかという予感があります。

その旗印となるのが、「PUBLICWARE」です。 これは、一個人が公共空間を使いこなすためのツールやアイデアの総称。ツール一つ、アイデア一つで、街の風景は変えられるという想いを込めています。
https://publicware.jp

公園の新しい日常を探る実験

公園は、本来もっとも身近な日常の舞台です。しかし近年、気候変動やルールの硬直化により、屋外空間を素直に楽しめる時期や方法が限られてきているようにも感じます。 公園で豊かに日常を過ごすためには、今、少しの「工夫」が必要なのかもしれません。

今回、「PLAY! PUBLIC」の企画を隅田公園に相談したところ、まさに”日常”をいかに豊かにできるか、という点に試行錯誤をされているとのことでした。
浅草とスカイツリーに挟まれた立地ということもあり、土日の利用は地元プレイヤーを中心に毎週末イベントが行われるほどに賑わう風景があります。

一方で、平常時の公園の使われ方、過ごし方ももっと追求していきたいという想いがあるそうです。そのような課題もあり、今回の企画「PLAY!PUBLIC」の趣旨に大いに賛同いただき、共同で主催をしていただくことになりました。

ここで探究してみたいのは、
公園の新しい日常の風景をつくる、3つのヒントがあるのではないかということです。

ヒント1
ツール:一個人の発想を拡張する「手立て」

そこに「道具」があれば、人の居方は変わります。
例えば、ニューヨークのブライアントパークにある4,000脚の可動式チェアが、人々に自由な居場所を与えたように。
小さな遊具やグッズがツールが公園で貸し出されることで、手ぶらで来た個人の「ここでこう過ごしたい」という想像力が刺激されたり、公園の今まで気づかなかった一面を発見したり、使いこなしのバリエーションが広がります。

実際に私も公共空間を使って何かをしたい、という思いから、「サンリン自転車屋台」を購入し、地域のマルシェに出店したり、遊び場に持っていったり、イベントの受付にしたりしています。これがキャッチとなって、「なんだかおもしろそうなことをやっているぞ」と目を向けてもらい、コミュニケーションできることが多いです。
こういったツール一つでキャラクターが形作られ、自分の居場所をつくれるような実体験があります。

左 公園どこでも遊び場にしてしまう「コロコロレール」(制作:VUILD(株)、星功基) 右 ふらりと屋台がやってくる「サンリン自転車屋台」

ヒント2
タイムシフト:時間をずらして可能性を広げる

例えば、夏の酷暑。日中の公園は厳しくても、夜の公園には「ナイトパーク」としての大きなポテンシャルが眠っています。
冬であれば、焚き火や温かいしつらえで「寒さ」を「心地よさ」に変えることができるかもしれません。
季節や時間軸をずらす(タイムシフトする)発想が、公園の利用時間をぐっと広げることができます。

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ヒント3
マインドセット:私物化と公益性のあいだ

ここで常に議論になるのが「管理者のジレンマ」です。特定の誰かによる「私物化」と「公益性」のバランスをどう取るか。 「公益性を担保できる使い方であれば、もっと容認しやすくなるはず」と考えています。
公園管理者としても、公園が賑わってくれるのはうれしいこと。公園を自由に使って楽しく過ごせるのが一番。ただ行政施設ではあるので、「公益性」を担保することは必要になります。

例えば「焚き火」。単なる火遊びではなく、それがコミュニティを温め、見知らぬ人同士の会話を生む中心となり、新しい出会いが生まれる。そんな風景が生まれるなら、十分に公益性があるといえるのではないか。
使い手側も「自分がやりたいこと」の先に、それが「場所の価値をどう高めるか」という視点を持つ。この歩み寄りが、公共空間をより自由に、豊かに変えていく鍵になりそうです。

左 公園で実施が難しいコンテンツ代表例、焚き火 右 手持ち花火のルールも課題になりがち

これらのヒントはまだ仮説ではありますが、「PLAY!PUBLIC」の中で実際に風景にすることで、探っていきたいと考えています。ぜひ、一緒に体感しにきてください。

「PLAY! PUBLIC」概要

実施日:2026年2月28日(土)12:00〜20:00(仮)
会場:隅田公園 そよ風ひろば(東京都墨田区向島1‐3‐45)
内容:
・PUBLICWARE(ファニチャー・遊具)の設置
・遊具の貸し出し(コロコロレール・手持ち花火)
・パブリックトーク
・焚き火/キャンプファイヤー
・公園活用の相談窓口 等
主催:公共R不動産(株式会社オープン・エー)・すみだパークマネジメントグループ

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