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公共R不動産の頭の中
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NewNormal コロナ後の街・住宅・オフィス(街編)

2020年5月に近畿大学宮部浩幸研究室、東北芸術工科大学馬場正尊研究室、OpenAで立ち上げた「コロナ後の街・住宅・オフィス」を考えるオンラインゼミ。どこでどのように住み、働くのか、人々の意識の変化はまちにもじわじわと影響を与えるでしょう。これからの日常「NewNormal」を考える、R不動産、REWORKとの3メディア横断型企画です。

イラスト:オノタツヤ
イラスト:オノタツヤ

with/afterコロナのまちと住宅とオフィスはどうなっていくのだろう。

近代化以降、まちも住宅もオフィスも、仕事を会社ですることを前提に計画されてきましたが、その前提が変わりつつあります。一方で社会に横たわる多くの問題はウイルスが解決するものではないというのも事実です。
世界が同時に同じ問題に直面するなんでことは一生のうちでも滅多にないことです。だからこそ、この機を捉えれば、自分たちの暮らしをポジティブにアップデートできる気がします。

そんなことを思いながら、 大阪と山形の大学生とR不動産の仲間が集まったオンラインゼミから出たアイデアを紹介します。

これからの街のあり方を考える

テレワークで家やそのまわりで過ごす時間が多くなったことで、これまではあまり気にしなかった自分のまちの昼間の魅力がとても重要に感じられるようになりました。家探しでも自分が街で過ごす時間のことが気になります。
在宅ワークでも、ときにはランチででかけたいし、気分転換にジョギングもしたい。近所にワークスペースを確保できれば、家にこもりっきりで煮詰まることもなくなりそうです。

学生たちとアイデア出しをしてみると、お店や働く場所以外にもまちの中には沢山の可能性が見えてきます。今まで居場所として使いこなせていなかった公園や道路、水辺と行った公共空間を使いこなせるようになると、まちの中にいくつも居場所を見つけられるようになりそうです。

公園カフェ

公園カフェの扉もパーティションを兼ねる。

密になることを避けながら、快適に時間をすごせる居場所がまちにほしい。そんなニーズに見事に応える公園カフェが増えてほしいです。テラス席も広々とした公園なら、なお気持ちがいいです。窓を開け放てば屋内でも開放的。
少し今までの公園カフェからアップデートしています。大きめのガラス戸をくるっと開けて固定すると座席を仕切るパーティションになります。これなら少々距離が近くても大丈夫そうです。

公園サテライトオフィス

公園もワークスペースに。

テレワークはいいけれど在宅ワークは飽きました。ホームオフィスのサテライトオフィスほしいです。そんなときに近所の公園に開放的なワークスペースがあったら、きっと行きます。公園レストランと併設されていたらいいなあ。

水辺、船上飲食店へ

停泊中の船に組み合わせる形で。

もうすでに佐賀や鳥取などの各地で歩道を飲食店のスペースとして活用する動きが各地で始まりましたね。密を避けての外での食事。テーブルや椅子が並んだ道はヨーロッパの街で見かけるような楽しげな人間のための空間になります。これは暫定措置にとどまらず定着してほしいです。
これと同じ様に水辺空間も利用できたらいいと思います。停泊中の船に近くの飲食店のテーブルを並べれば、そこはちょっと贅沢な船上レストラン。まちなかに川のある地域でぜひやってほしい。周りの飲食店のアップデートにもなりそうです。

橋の下ライブ

橋の下のステージ。

ライブにいきたい。演奏がしたい。密を避けてできるところ、橋の下はどうでしょうか。多少の雨でも大丈夫だし、少々大きな音を出しても気にならないかもしれないですね。田舎の鉄道なら本数が少ないので轟音で演奏がかき消される心配も少ないです。裏側のようなスペースが表になるとまちの魅力はぐっと上がりますね。

電話ボックスリノベーション

使われていない電話ボックスもワークスペースに。

電話ボックスってあんまり使われてないですね。電話ボックスに本棚を取り付けてシェア本棚にするのはどうでしょう。そこが公園なら青空図書館ですね。本は持ち寄りです。まちによって集まる本の傾向が違ったら面白いですね。通信網に頼らない情報交換のラインがもうひとつ、まちに足されるというのもよさそうです。
もうひとつのアイデア。通信設備はあるわけだから、電話ボックスをワークスペース化して使ってもらうというのもよさそうです。見向きもされなくなっていた電話ボックスが気になります。

いたるところに小さなテーブル

フェンスにカウンター。
歩道橋にカウンター。
階段手摺りにカウンター。
橋の欄干にカウンター。

手すりやフェンス、まちのなかのちょっとしたところにちょこんと小さなテーブルを引っ掛けて使えたら、そこはあっという間に居場所になります。テイクアウトの食事をしても良いし、パソコン広げてササッと作業してもよいわけです。
これから橋の欄干や公園や道路の手すりを作るチャンスが有るなら、カウンターとして使えるデザインにしておきたいです。

くるまオフィス

くるまオフィスin地方
くるまオフィスin都市

家を飛び出して仕事がしたい。車の中を仕事場に改造しちゃおうというアイデアです。大阪の学生と山形の学生が同じようなアイデアを発表したのですが、考える場所で答えが違ってきます。都会は駐車スペースが限られているから、車の中で機能が完結する仕様に。田舎でスペースがあるところなら、車からホロを張り出して、デスクをセットしてというように車の周りに機能が展開します。
こんな車なら海辺や山、見知らぬまちでワーケーションができますね。

チャリンコとオフィス

駐輪場とベンチ、テーブルがセットになれば…?

自転車を改造したアウトドアワークスペースというアイデアもありました。気分転換に移動しながら気持ちよさそうな木陰に止めてひと仕事。これなら車をもっていなくても気軽にできる。ちょっとやってみたい。
平坦なまちでは自転車移動が増えるでしょう。そうすると駐輪場の重要性は増すはずです。ベンチやテーブルと行った佇む場所と駐輪スペースが合体したらまちでもっと人を見かけるはず。
さらに自転車よりももっとコンパクトな電動キックボードが収納できるところがあるというのもスマートだな。

いまこそウォーカブル、佇めるまちへ変わるとき

コロナ後は今まで以上に住・職・遊の機能が混合したまちが好まれるでしょう。どのまちにとっても公園や水辺、道路などの外部空間の居場所化は足りなかった機能を補うチャンスです。沼津では「泊まれる公園」を更に発展させてエンターテイメントの場所に変えるプロジェクトも始動しています。

さらに国はウォーカブルシティを推進し始めました。
車中心から歩行者中心へと進化するまちに人は魅力を感じるでしょう。今こそ道路が人間のための街路に進化するときです。
まちのユーザーである僕たちが自らの手でまちを使いこなす術を実行しちゃうほうが早いかもしれません。学生たちの小さなアイデアがそれを物語っています。まちの生存競争なんて言われていますが、生き残るまちは小さなアイデアが散りばめられながら、ひとが佇める場所を増やしながら進化していきそうです 。

ディレクション:宮部浩幸+OpenA
オンラインゼミ:近畿大学宮部浩幸研究室+東北芸術工科大学馬場正尊研究室+OpenA
テキスト:宮部浩幸(SPEAC)
イラスト:オノタツヤ

【同時公開中!】
・NewNormal──コロナ後の街・住宅・オフィス(住宅編 @東京R不動産
NewNormal──コロナ後の街・住宅・オフィス(オフィス編 @REWORK
・馬場正尊によるコラム「見えない災害の時代の考現学」@東京R不動産

上記の全てのアイディアを盛り込んだオノタツヤ氏によるNewNormalのグラフィックを壁紙にして使っていただけます!細かいところに色々なアイディアをちりばめたのでぜひ目を皿にしてご覧ください。

イラスト:オノタツヤ

PROFILE

宮部 浩幸

宮部 浩幸

1972年千葉県生まれ。建築家。博士(工学)。SPEAC / 近畿大学准教授。作品に「リージア代田テラス」、「龍宮城アパートメント」など、著作に『リノベーションの教科書ー企画・デザイン・プロジェクトー』『世界の地方創生』(どちらも共著 学芸出版社)など