公共R不動産研究所
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公共R不動産研究所スタート! 主任研究員によるキックオフ座談会開催

公共R不動産内に誕生した「公共R不動産研究所」。どんなことをする場所なの?研究員は誰?どんなテーマに興味があるの?などなど、ざっくばらんにおしゃべりしていきます。公共空間の評価指標づくりから学会の立ち上げまで、野望は広がるばかり!?

矢ヶ部さん

矢ヶ部慎一 こんにちは。公共R不動産研究所、所長の矢ヶ部慎一です。
今年(2023年)から、公共R不動産の中に、新しく「公共R不動産研究所」を立ち上げました。

まず「公共R不動産研究所」とは?についてお話ししたいと思います。

もともと「公共R不動産」は、公共空間をアップデートするメディアとしてスタートしましたが、そのスタンスは常に実験的、研究的だったと思っています。例えば、公共不動産の情報プラットフォームサイト「公共不動産DB」(2020年4月〜)や、クリエイティブな公共発注のための「公募要項作成ガイドブック」(2021年4月)など、常に、まず自らがプロトタイプを作って走らせてみよう、というチャレンジを続けています。その連続として、改めて「研究所」と銘打った場をつくることで、メンバーそれぞれが関心を持っていることを追求できる場を設けたいと思いました。

一朝一夕には形にはならないこと、日々気づくこと、こんなことやってみたいということ、まだ結論はわからないけど調べてみたから聞いてほしい、ということ、そういう断片的な素材を少しづつ記録しながらオープンな場で議論を積み重ねていくことで、次なるプロトタイプや提言に繋げられるかもしれないと思っています。そういう素材の宝庫にしていきたいですね。

そんなわけで、今日は主任研究員の皆さん(松田東子、高松俊、岸田一輝、内海皓平)で、研究モチベーションを話し合う、キックオフ座談会をしましょう!皆さんそれぞれ熱い思いをお持ちのようです。

では、最初は、この研究所の名付け親でもあり、海外の公共空間やカルチャーに知見を持ち研究を続ける元「ロンドン特派員」松田東子さん

イギリスの大学院への留学経験もある松田さんには、文献などを通じてどんどん海外の情報を取ってきてもらうことも期待しているんですが、松田さんの研究のモチベーションはどんなところにありますか?

松田さん

松田東子 今回、「公共R不動産研究所」を立ち上げようと思ったのは、「研究所」という看板を掲げることで、結論が出ていないもの、定義づけが難しいモヤッとしたものも含めて、広く取り上げていけるのではないかなと思ったからです。
私自身は「公共性とは何か」に興味があって、人生をかけてそのテーマに取り組んでいるような感覚です。

松田 東子(まつだ・はるこ)
株式会社スピーク/公共R不動産。1986年生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大成建設にてPFI関連業務に従事。2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。スピークでは「トライアルステイ」による移住促進プロジェクトに携わる。2017年から2020年までロンドン在住。2021年University College London MSc Urban Studies 修了。

矢ヶ部 へえ、面白い!それはなぜ?

松田 私の実家が不動産業を営んでいたこともあり、小さい頃からまちづくりに否応無しに巻き込まれていたんです。再開発地域に組み込まれ、なぜ自分達の財産を「公共のため」という理由で拠出しなくてはならないのだろうという疑問をもつ一方で、「公共性」への憧れもあったりと、常にアンビバレントな気持ちを抱いていました。だからこそ、そもそも「公共性とは何か」を問いたい気持ちがあるんでしょうね。イギリスへの留学もその答え探しに行ったようなところがあったんですが、最初の授業の冒頭で「公共性の定義はない」と言われてしまって(笑)。

矢ヶ部 「公共性とは何か」、すごく大事なテーマだし、時代背景に合わせてその定義も変わっていきますよね。たとえば、戦後の日本が必要としていた「公共性」が今後も有効なのか、それとも新たな定義づけが必要なのか、それを考えるタイミングにきていると個人的には感じています。そうしたことを考えるヒントも積み重ねていきたいです。

松田 その上でも海外事例には興味があるので、引き続き掘っていきたいですし、都市政策の世界的な潮流もかじりつつ、まずは軽く発信したいです。

それから、伝統的な公共空間を現代の視点で捉え直すこともしてみたいと考えています。以前取り上げたシンガポールの「ホーカーセンター」や、ロンドンの「スピーカーズコーナー」など。ロンドンの「スピーカーズコーナー」は日曜日になると人が立って好きなことを喋れる場所で、話題は人によって神の話だったり、ゴミの話だったりとさまざまですごく面白いんです。

シンガポールのホーカーセンター(撮影:松田東子)

矢ヶ部 海外の視点を入れると、日本の公共空間の独自性も相対化できるし、新たな視点の獲得にもなりますよね。読んでいて単純に楽しいし、ぜひやってほしいです!
では、エリマネやシティプロモーション、英国ニュータウンの誕生を研究し公民連携でニュータウン再生の先端を切り拓いた元行政職員、高松俊さん。高松さんは、どんなことに関心がありますか?


高松さん

高松俊 ご紹介いただいたように、僕はずっとニュータウンの研究をやってきたので、ニュータウン同士の比較などには興味があります。たとえば、泉北ニュータウンと初代ニュータウンであるイギリスのレッチワースなどを比較しながら、それぞれの特徴について紐解いていきたいです。

ニュータウンの元祖、レッチワース(イギリス)。(撮影:高松俊)

高松俊(たかまつ・しゅん)
1984年生まれ。早稲田大学卒業後、堺市へ入庁、泉北ニュータウンの再生に従事。10年の間に、公的賃貸住宅の住戸リノベーション、駅前地域のエリアマネジメント、シティプロモーション、住民主導型の公民連携事業の立ち上げ、関西初となる都市公園のPark-PFI事業等を実施。自身は、農村部に馬を飼い、暮らしている。2021年9月よりオープン・エー/公共R不動産に加入

それから、最近、行政の方から相談を受けることが増えてきているので、たとえば「元公務員の頭の中」みたいなコーナーで、全国の公務員が悩んでいるけど、なかなか表に出てこないような裏側の話を呟けたらなあと考えています。

たとえば、僕が堺市の職員だったときに関わった大蓮公園のPark PFIの仕組みについて聞かれることも多いんですが、ここでは歳入を特定財源(注:使途が特定されている財源​​)にすることで、きちんと特定の目的、たとえば植栽強化や建物の補修にきちんとお金をかけられる仕組みになっています。
どうしてもParkPFIは大きな公園で、利益を出す取り組み、というイメージが強くなっているけど、小さな公園で小さく稼ぐ意義や、稼ぎは小さくても特定の目標がきちんと達成できて、市民に公民連携のよさがダイレクトに伝わるようなPark PFIのあり方が必要だと思っています。そういう自分達の「やりたい」が叶う仕組みを、財源的な面や、庁内の合意形成の面からどうクリアするか、といった、かゆいところに手が届くような公務員目線のコラムを、ライトなノリで書いてみたいです。

矢ヶ部 高松さんの元行政職員ならではの切り口、需要がありそうですよね。制度は、構築され積み重ねられた歴史と、それを突破してきた歴史、運用する中で変化してきた歴史、そのトラウマの歴史の凝縮になっている面があるので、それらを解きほぐす視点を提供してもらいたいです。一方で、行政がどんな思いで、どんなプロセスを踏んで物事を進めているかを、民間事業者にも知ってもらう機会にもなったらいいですね。

高松 「30代係長級のお悩み」みたいなリアルな声が共有できて(笑)、結果として公共R不動産で相談を受けられるようになったらいいなと思いますね。

矢ヶ部 じゃあ次は、地域の視点と建築の視点を両立したデザインと地域再生のあり方を模索する建築士、岸田一輝さん。岸田さんのモチベーションや公共R不動産研究所に期待することを教えてください。

岸田さん

岸田一輝 僕は、オランダ生まれの建築家レム・コールハースが、設計事務所のOMAとリサーチ組織のAMOを持ち、デザインとリサーチを両立しながらプロジェクトを考えていくプロセスに憧れていて。公共R不動産研究所にも、そんな風に、リサーチと実践を行き来しつつ、都市を育てていくような役割を期待しています。
僕自身、学生時代は、空間構造と社会構造の関係性の研究をしていたので、自分が設計した空間がどういうふうに社会構造に影響を及ぼしたかということはずっと気になっています。研究所では、そういう興味をスケールアップして、とある公共空間が周りの都市環境や社会構造にどういう影響を及ぼしたかのかをリサーチしてフィードバックしたいです。その上で、新しく公共空間のプロジェクトを考えるときに指標としてフィードバックできたらいいんじゃないかと。実践とリサーチを行き来しながら、プロジェクトを育て、街を育て、日本を育てる、そんな大きな動きになっていったらいいなあと。

岸田一輝(きしだ・いっき)
1987年東京都生まれ。2010年日本大学理工学部建築学科卒業(横河健研究室)。2012年千葉大学大学院工学研究科修了(岡部明子研究室)。2012〜2013年まちづくりカンパニー・シープネットワーク勤務。2013〜2014年千葉大学大学院工学研究科特任助教。2014年あわデザインスタジオ設立。2018年〜公共R不動産に協力会社として参加

矢ヶ部 かっこいいですね!

岸田 言うのは簡単、やるのは大変(笑)。 

矢ヶ部 リサーチの積み重ねは有効だと思うし、ぜひそういう場にしていきたいですね。岸田さんは都市や建築といったハードにも関わりながら、社会構造や経済、情報といったソフトにフィードバックしていける人だと思うので、期待しています。

岸田 僕自身も公共R不動産のメンバーとして、公共空間のプロジェクトの実践に関わる中で、実際に公共空間を運営する人がどうあるべきか、とかどういう行政の支援が必要なのだろうか、といったことを考えないといけないことに、最近ようやく気づき始めました。空間へのアクションに対する補助や支援といった、経済的な面も折り込んで、社会構造の変化を追っていかなきゃいけないなと。行政側のサポートについては高松さんが詳しかったりと、多方面の知識を持った人がいるので、バランスがいい研究チームなんじゃないかと思っています。

矢ヶ部 運営の制度的な面、経済的な動き、地域の暮らしなど、公共空間にも多様なレイヤーがありますよね。多様な視点を獲得すること自体がすごく大事で、かつ、それを最終的には実際の都市や地域に重ね合わせていきたいですよね。

岸田 やる気のある自治体に出会うと物事がぐんと進む一方で、自治体の動きが鈍くて民間が苦労しているという地域も多いですよね。研究所がそういう地域を後押しして加速させるような存在になるといいなと。

矢ヶ部 自治体の動きが鈍い時、一歩踏み出せない背景に何があるのかを構造的に捉えてレポートできたらいいですよね。今は民間を育て委ねるフェーズとして捉えているのか、単純に疲弊していて余裕がないのか(笑)。行政運営の方針もさまざまなので、積極的に関わる、もしくは民間の勢いを削がないように裏方に徹するなど、公民連携にあたっての行政スタンスの選択肢を提示できるといいと思います。高松さんにはどういうふうに見えてます?

高松 どうしても大きくて華々しいモデルケースが先行して世に出るとみんな尻込みしてしまうんですよね。だからこそ、まずは小さく踏み出した先に何が待っているか、その後押しになるようなモデルケースを見せていけたらいいなと思います。

矢ヶ部 なるほど。では次は、歩行者天国からまちの暮らしを見つめる研究家(マニア)、内海皓平さん。内海さんには、研究家ならではのマニアックな視点を期待しています。一方で、自身の活動を通して、道路にいかにアート活動を入れ込めるかといった実践的な視点も持ち合わせているところも強み。

内海さん

内海皓平 大学生の頃、建築やまちづくりを学んでいる中で、建築物自体よりも、人が場所を共有して使いこなすような現象に興味が湧きました。「共有地」や「コモンズ」と呼んだりしますが、お祭りをする広場とか路上の園芸とか、広い意味では銭湯、書店、喫茶店などもそういう場所です。そういうテーマで深掘りできそうなものを探していて、たまたま出会ったもののひとつが道路、歩行者天国だったんです。
ただ道路を通行止めにする、というだけなのですが、交通規制や道路使用許可、道路占用許可といった制度はもちろん、周囲の建築や交通などの環境も大きく影響しますし、そこで展開されるアクティビティは個人的な生活の延長だったり、とても多層的な現象です。そういうことを調べるうちにポテンシャルを感じるようになり、本やグッズを作って発信したり、路上でイベントやアートプロジェクトをやって主催者として許可をもらう側になったり、行きつけの歩行者天国では使いこなす側として、最近は寒いので毎週こたつを出したりしています(笑)。そんな活動をずっとしてきているので、このチームの中では草の根担当だと思っています。

内海さんの研究対象であり、最近は近隣住民として使いこなす藍染大通り(撮影:内海皓平)

内海皓平(うちうみ・こうへい)
1995年東京都江戸川区生まれ。2018年東京大学工学部建築学科卒業。2020年東京大学工学系研究科建築学専攻 修士課程修了。2020〜2022年株式会社オープン・エー。2022年〜公共R不動産

矢ヶ部 いいですね!草の根で実践しているからこそ、公共空間を使う側にとっての課題はもちろんですが、可能性も示していけますね。また以前お話しした時、まちに関連するいろんな視点のマニアックな方々と繋がっているとお聞きしました。内海さんのチョイスで紹介して頂くのも面白いかもしれません!

内海 建築やまちづくりの専門家ではないけど、まち歩きや路上観察が好きな方ってたくさんいて、それぞれ意外な目の付け所でまちを楽しんでいます。落とし物とか、看板とか、地形、暗渠、電線…。そういう要素って少なからずまちや空間の魅力にも繋がってると思うんですよね。ちょっと極端ですが、そんな目線も指標に取り入れて、岸田さんがおっしゃってるようなリサーチができるとおもしろいんじゃないかと妄想しています。

松田 所長、矢ヶ部さんのモチベーションはどういうところにありますか?

矢ヶ部 僕自身は文学部出身なのですが、社会学的なアプローチに興味を持ったことが都市に関わるきっかけになりました。その後、都市再開発コンサルに就職して、都市空間を強制力を持って変えていく再開発の現場にいあわせる経験をして、その後、公民連携分野を学んだことで、政策はさまざまな分野を重ね合わせることで効果が出るんだということを実感しました。

行政、民間事業者、地域住民、といった、価値観や関心の違いのある人が集まってひとつのプロジェクトをやって行こうとすると異文化交流のような形になって、隘路が発生するんですよね。それを社会学的なアプローチや歴史的なアプローチから捉えられたらいいのに、と悶々としていた時に、「公共R不動産研究所」という、自由で便利な「箱」をもらえたのでこれを機に色々チャレンジしてみたいと思っています。

矢ヶ部 慎一(やかべ・しんいち)
文学部出身の再開発コンサルを経由して公民連携分野へ。1976年生まれ。株式会社タカハ都市科学研究所にて、法定再開発の事業コーディネート等に従事し、経営企画等も経験。東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻修士課程を修了後、現場経験をベースに公民連携分野へ展開中。東洋大学PPPリサーチパートナー/公共R不動産/株式会社アフタヌーンソサエティ/その他、埼玉県小川町でのNPO法人正会員など。

それから、公共不動産DBの運営にも携わっているので、その実践を通して、まだまだ知られていない公共不動産の状況を、数値化した情報として提供したいです。

あとは、公共Rメンバーである守屋真一さんが、街の中にモビリティをおいて小さな実証実験をしてみることで、そこでの人の動きなどをデータ化して、その後のまちづくりにフィードバックしたいというアイデアを話されていたんですが、そうした場づくり的なアプローチにも興味があります。

松田 小さく実験してリポートしていくのは面白そうですね。研究員たちが実際にやってみた取り組みが積み重なっていくのは、研究所としてもダイナミックですね!

矢ヶ部 トライアンドエラーの蓄積が大事ですよね。小さなことからでもどんどん取り組んで行けたらいいな。

高松 僕もモビリティの話には興味があって。僕も日本にイギリスのニュータウンの風景を持ってきたらどうなるか実験したくて、実は泉北ニュータウンで、馬を飼ってみて、街なかを歩いてみたりしているんですよ。元々のニュータウンが目指していたゆったりとした時間や暮らしを実践しながら提唱したいなと思っています。

なんでそんなことをしているのかという狙いについてはあまり話したことなかったんだけど(笑)、自分の中では「馬というモビリティ」を使った社会実験のつもりなんです。馬には自転車と同じ法律が適用されるので、過去に戻るモビリティとして捉えています。今進行中のプロジェクトの中でも真面目に試そうとしているので、そんな試行錯誤話も文章化できたらいいな。研究員のみんなも一度遊びにきてもらえたら嬉しいです。

馬で泉北ニュータウンを散歩(撮影:Lily Camera)

岸田 馬って、馬自身の機嫌や乗り手の能力に左右される、不確実性を許容したモビリティということですよね。確実性が重要視される時代に、面白いですね。

高松 そうそう。僕が乗れば15分のところ、例えば乗馬初心者の矢ヶ部さんなら1時間くらいかかる可能性がある(笑)。

矢ヶ部 乗り物の概念が変わりますよね。そこから広がる話、ヒントや突破口もたくさんありそう。

2013年に『RePUBLIC 公共空間のリノベーション』(馬場正尊+Open A 著​​、学芸出版社)が出版された頃から比べると、公共空間の活用事例は圧倒的に増えましたよね。公共空間をめぐる状況は変化しているにもかかわらず、基本的なOSを以前のままとして考えてしまうと、不具合が固定化されてしまう。以前のやり方を踏襲するのではなくて、常にトライアンドエラーを繰り返すことで、まだまだやれることがあるなと気づきますよね。

少し話が戻りますが、岸田さんは公共空間の評価指標づくりにも興味があるんですよね?

岸田 公共空間プロジェクトをつくる時の手法をアップデートを目指していくために、プロジェクトの評価をちゃんとしないといけないという問題意識は持っています。公共空間プロジェクトが都市、空間、社会、法令、などに、なんらかの構造の変化が起きているということを前提に、それをどう捉えて評価するかを考えたい。

例えばさっきの高松さんの話みたいに、確実性が評価される現代において、不確実性がすごく面白い現象を引き起こすことはあると思います。でも実際には「不確実だから面白いんですよ!」と言うだけではなかなか物事は動かなくて、別の切り口の客観的な指標をベースに説明するしかないですよね。この説明があれば行政も安心して一緒に取り組めるかもしれないし、公務員がより活発に動ける土壌をつくれるかもしれない。行政も、民間企業も、個人もみんなが積極的に仕掛けていけるための土壌づくりに寄与したいなと思っています。

矢ヶ部 外部の方にも「客員研究員」としてどんどん門戸を開いていきたいですね。論文まではいかないけどライトな研究のレポート公開の場としても使ってもらえたらと。公共空間って、ハード系と政策系とで学会が別れてしまっていて、横断的な発表の場所がないと思うんです。

岸田 じゃあこの研究所がうまくいったら「公共空間学会」をつくりましょう!

矢ヶ部 おっと、壮大な目標が立ち上がってしまいましたが(笑)、まずは楽しく研究の蓄積を頑張っていきましょう!

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公共R不動産研究所は隔週水曜日更新!
次回は、3月8日(水)松田研究員による書籍レビュー『オームステッド セントラルパークをつくった男:時を経て明らかになる公共空間の価値』(2022年、学芸出版社)をお送りします。

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全国の魅力的でユニークな公共空間再生の事例や、公共空間を楽しく活用する人々のインタビューなどをお届けします。

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