公共R不動産の本
公共R不動産の本

出版!『PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた』

これからのパブリックデザインを考える本『PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた』が発売。
新しいタイプのパブリックスペースをつくる6人の実践者たちへのインタビューから、その方法論を分析。そこに浮かび上がるのは、新しい資本主義の姿でした。
本の発売に合わせて、全国4ヵ所でのトークイベントも開催。ぜひご参加ください。

6人の実践者から学ぶ方法論

おそらく僕たちは今、大きな社会システム転換の入り口に立っている。 だから、新しいパブリックスペースをつくるための具体的な方法論を探すために、僕はこの本を書いた。

まずは今までの常識とは少し違う方法で、しかし着実に、新しいタイプのパブリックスペースをつくり、運営し、継続しているケースを探してみる。そして出会ったのが、この6人の手掛けるプロジェクトだった。

木下 斉 地域経営
松本理寿輝 教育・まちづくり
古田秘馬 プロジェクトデザイン
小松真実 金融・コミュニティー
田中陽明 クリエイティブプラットフォーム
樋渡啓祐 政治・行政

僕は、パブリックデザインの具体的な方法論を探すため、この6人の実践者たちにインタビューをし、パブリックスペースやプロジェクトを実際につくり上げていくプロセスを学ぼうとした。
そしてさらに、それをできるだけ構造化しようと試みた。

そこで浮かび上がってきた、これからの時代に必要なパブリックデザインの姿をダイアグラム化すると、上のようになる。

彼らがつくりあげた新しいパブリックスペースは、これらの要素を横断的に結びつけている。そしてそれを強固につなぎとめる求心力が”明快なコンセプト”だった。

本書では、このようなダイアグラムを多数用い、これからのパブリックデザインに必要な思考と行動を構造化している。

ダイアグラム
(左)これからのパブリックデザインに必要な6つの要素のダイアグラム、(右)5章、田中陽明によるクリエイティブプラットフォームのダイアグラム。

『PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた』

編著:馬場 正尊+Open A
著:木下 斉、松本 理寿輝、古田 秘馬、小松 真実、田中 陽明、樋渡 啓祐
出版社:学芸出版社
判型:四六判
総頁:224頁
定価:本体1,800円+税
発売日:2015年4月15日
ISBN:978-4761513481
amazonはこちら

この本を書こうと思った理由

僕は、2013年に『RePUBLIC 公共空間のリノベーション』という本を書いた。そこでは規制緩和や社会実験など、さまざまな方法で再生された公共空間の事例や、可能かもしれないアイデアを提示し、市民から離れていこうとする公共空間のあり方を問い直そうとした。

幸いなことに、多くの人が興味を持ってこの本を受け入れてくれた。特に当事者である行政の方々から、問題意識を共有しているという声を数多く聞いた。そして、民間企業やNPOなどの組織からも、新しい公共空間への関わり方のヒントとして捉えてもらった。

しかし、そこから一歩進んで具体的に公共空間に関わり、その変化にコミットしようとすると、僕らは新しい課題や壁と次々にぶつかることになる。そんな時、より具体的に公共空間についての新しい知識が欲しくなったことが、この本をつくるきっかけだった。

2章、松本理寿輝による「まちの保育園」のダイアグラム。

公共空間から考える新しい社会システム

僕は、彼らがつくった空間や方法論を見ていて、そこに新しい資本主義の姿をうっすらと感じることができた。
彼らは、今の社会システムを否定するわけでもなく、それに乗っかりながら、したたかに、ポジティブに、プラグマティックに理想を実現していく。

そして彼らは、その方法論が社会全体で共有されればいいと思っている。だから他者との差別化やオリジナリティーよりも、一般性、汎用性を重視する。マーケットシェア重視のひとり勝ちの利益よりも、自分のやるべき領域を明確にし、そのクオリティーを高めることに重心を置く。そして、結果だけではなくプロセスや他者との関わり、プロジェクトが成り立つ物語にこだわっている。

■出版記念トークイベント

東京
日時:2015年4月21日(火) 18:30開場、19:00~20:30
出演:藤村龍至、馬場正尊
会場:co-lab西麻布 B1F KREI SALON(クレイサロン)
住所:東京都港区西麻布2-24-2 KREIビル
参加費:2,500円(『PUBLIC DESIGN』の本代込み)
※書籍『PUBLIC DESIGN』をお持ちいただいた方は、参加費500円

参加方法:事前に学芸出版社のサイトからお申込みください。
学芸出版社のサイトはこちら
お問い合わせ先:学芸出版社・宮本 miya@gakugei-pub.jp(@を半角にして送信してください)
電話:075-342-2600(学芸出版社)

* 申し訳ございません。東京でのイベントは定員に達したため、立見でご参加いただくことになります。


大阪

日時:2015年5月12日(火) 18:45開場、19:30~21:30
出演:小野裕之 (greenz.jpプロデューサー)、馬場正尊
会場:スタンダードブックストア心斎橋 B1Fカフェ
住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋2-2-12 クリスタグランドビル
参加費:1,000円

参加方法:事前にイベントチケットをお申し込みください。
※イベントの詳細とオンラインストアでのお申し込みはこちら。
『PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた』馬場正尊×小野裕之トークショー

福岡
詳細未定
※決まり次第、学芸出版社のホームページでお知らせしますので、以下のリンクからご確認ください。
PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた(学芸出版社)


■特別対談
「東北のまちづくりと、新しい公共空間のつくりかた」

日時:2015年4月18日(土) 15:00開場、15:30開演
出演:西田 司(オンデザイン・パートナーズ)、馬場正尊
会場:せんだいメディアテーク 1F オープンスクエア
住所:宮城県仙台市青葉区春日町2-1
参加方法:入場無料(当日先着順)
定員:150 名
主催:東北芸術工科大学
電話: 023-627-2246(東北芸術工科大学 広報室)
※イベントの詳細はこちら

PROFILE

塩津 友理

Open A/公共R不動産。1987 年生まれ。昭和女子大学大学院修了。2012年Open Aに入社し、書籍やウェブの編集等に携わる。共著書に『RePUBLIC 公共空間のリノベーション』『PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた』『団地に住もう! 東京R不動産』など。

連載

すべての連載へ

公共R不動産の本のご紹介

クリエイティブな公共発注のための『公募要項作成ガイドブック』

公共R不動産のウェブ連載『クリエイティブな公共発注を考えてみた by PPP妄想研究会』から、初のスピンオフ企画として制作された『公募要項作成ガイドブック』。その名の通り、遊休公共施設を活用するために、どんな発注をすればよいのか?公募要項の例文とともに、そのベースとなる考え方と、ポイント解説を盛り込みました。
自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

もっと詳しく 

すべての本へ