秩父の水辺ではじめてみよう
荒川河川敷地

今回紹介するのは、秩父市皆野町の河川敷。埼玉県の一級河川である荒川の河川敷で、広場やバーベキュー場、売店をしてみたい事業者を募集します。

見渡す限り、指定エリアです。

水辺がどんどん開かれている。

いま、水辺の活用が始まっています。
きっかけは、1997年の河川法改正。
ちょっと話が難しくなりそうですが、少しだけ解説。
日本の河川水辺は水害と戦ってきました。市民の生活を守るため少しずつ、水辺から暮らしが遠ざかっていました。でも、そんな市民を守るために発展した土木技術が、今、水辺をオープンにすることを可能にしてくれたのです。

本当は、とっても気持ちいいはずの水辺空間を、
観光や商業に活用していこうと改正されたのが、先の河川法。それからいろんな河川で社会実験が行われ、どのように使われるのが良いか繰り返し改正が進められてきました。

具体的には、「誰が」、「何に」、「どういう内容で」、「どれぐらいの期間」使っていいのかを地方自治体が指定することができるように規制が緩和されたのです。

バーベキュー場や川の中の売店をしませんか。

その規制緩和を利用して、水辺を開いているのが埼玉県の水辺空間とことん活用プロジェクト
現在、活用のための区域を指定し事業者を募集しているのが、秩父市皆野町の河川敷。対象は、埼玉県の一級河川である荒川の河川敷で、広場やバーベキュー場、売店をしてみたい事業者。
このエリアは、高鼻橋下のライン下りの発着駅のある川岸で、秩父の山々に囲まれた自然あふれる見晴らしのよい場所。
敷地は、右上の図面で赤く塗られている18,000㎡のエリア。
使用料は、埼玉県により指定されており、たとえば、バーベキュー場ならば、100㎡あたり年間1,500円。(ざっくりと教室2個分弱くらい)
このくらしの使用料なら…と想像を膨らませてみてください。
近くには、長瀞で最近話題のかき氷屋さんもあり、冬の時期でもお客さんで賑わっているそう。夏には長蛇の列ができるほどの人気店。そんな場所から、水辺で何か始めてみるのはいかがでしょうか。

一級河川どこでもリクエスト?募集中

実は埼玉県では、このエリア以外でも水辺空間を活用してオープンカフェ等をやる呼びかけをしている。やってみたい一級河川やアイディアがある場合には、まずその管轄の地方自治体に相談をしてみてください。自治体がエリアや用途を指定すれば、目の前の水辺が活用されるかもしれません。

詳細のお問い合わせはこちらから
埼玉県 県土整備部水辺再生課 総合調整・地域連携担当
電話:048-830-5112

PROFILE

塩津 友理

Open A/公共R不動産。1987 年生まれ。昭和女子大学大学院修了。2012年Open Aに入社し、書籍やウェブの編集等に携わる。共著書に『RePUBLIC 公共空間のリノベーション』『PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた』『団地に住もう! 東京R不動産』など。

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