公共R不動産のプロジェクトスタディ
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まちの産業を支え・育む未来の給食施設とは/学校給食マネジメントアドバイザー・三宅香織さんに聞く

日本中の子どもがほぼ毎日食べている学校給食。しかし、多くの親は給食のことを献立の字面でしか知りません。全国の給食施設(校内の調理場や給食センター等)の老朽化が進む現在、建て替えには巨額の設備投資が必要なことから、単なる統廃合にとどまらない適切な活用方針が問われています。給食施設の現状を知り、その可能性を探るため、学校給食マネジメントアドバイザー・三宅 香織さんと、公共R不動産のプロデューサー馬場 正尊、メディア事業部マネージャー飯石 藍による鼎談を行いました。

学校給食の起源と変遷
自校方式とセンター方式の歩み

飯石 三宅さんは2023年3月までの38年間、岡山県倉敷市職員として働かれ、教育委員会では学校給食と食育を担当されていましたよね。現在も、ご自身で日本各地の給食関連施設に出向いては、新たな活用方法をリサーチしたり、自治体の相談に乗ったりされていますよね。今回はその知見をもとに、学校給食の運営の裏側から未来に向けた妄想会議まで、ぜひお話できればと思います。まず学校給食の起源から教えてください。

左から、公共R不動産メディア事業部マネージャー飯石 藍、学校給食マネジメントアドバイザーの三宅 香織さん、当プロデューサーの馬場 正尊
三宅香織(みやけ・かおり)
1985年4月に岡山県の倉敷市役所へ入庁。10年間行財政改革の担当として公共施設ファシリティマネジメント(FM)に着手。全国の自治体ネットワークの構築に努め、自治体枠を超えた広域FMを推進。2018年に倉敷市教育委員会学校教育部に異動。6年間、学校給食調理場の再編と学校給食改革に取り組む。市内の50以上ある老朽化した調理場の現況調査と再編シミュレーションを行い、6,000〜8,000食規模の学校給食調理場を3箇所整備する計画を策定し、実現に向けた調整役を担う。うち2箇所の共同調理場が建設中。2023年3月に定年退職。現在はNPO法人自治経営FM担当理事を務めながら、アドバイザーとして学校給食調理場の再編や更新に悩む自治体支援を行っている。

三宅 学校給食は、1889年に山形県鶴岡市にある大督寺のご住職を中心に、貧しい子弟を教育する目的で寺小屋をつくり、読み書きを教えながら食べ物を提供したのが起源だと言われています。その後、義務教育の就学率を上げるため、国の施策で給食の導入が推奨されました。さらに、1923年に関東大震災や1934年頃に東北大凶作が起き、給食が子どもの命をつなぐ重要な役割を果たしたことで、一気に広まったそうです。1927年時点の調査では約100校で提供されたというデータもありますね。

昭和30年代の学校給食の食事風景(写真提供:独立行政法人日本スポーツ振興センター)

飯石 当初は避難所の炊き出しのような存在だったんですね。それが次第に、給食室として調理場が確立されていく。その変化の背景には何があったのでしょう。

三宅 高度経済成長期を受け、1970〜80年代に全国で一斉に小学校が建てられると同時に、各校に調理場が設けられました。このように校内に調理場を設けるスタイルは「自校方式」と呼ばれています。調理場は水や塩素を大量に使うので傷みが早い。だけど校舎は長持ちする。だから、建て替える機会を逃して今に至っている。さらに、当時のコンクリートの質はあまりよくなく、調理環境として最適とは言い難い。それを40〜50年も使い続けてきた。今まさに老朽化の末期を迎えています。

建築より設備内が先に傷むため、初見ではわかりにくい水道管の奥などの老朽化がかなり進んでいる

飯石 自校方式の起源は理解できましたが、一方で、専用の調理工場で複数校の給食を一括でつくり配送する「センター方式」と呼ばれるスタイルは、いつからはじまったのでしょうか。

三宅 実は、センター方式も初期の頃から登場しています。東北地方には40〜50年前に建てられた古い給食センターがあるんですよ。詳しい事情はわからないけど、西日本は自校方式からはじまった学校がほとんど。だけど、東北などの一部の地域だと意外とセンター方式の歴史も古い。

馬場 興味深いですね。高度経済成長期、特に西日本は人口増加のカーブがきつかったから、急激に増える生徒数に対して調理から配膳まで各校で完結させる自校方式が運営しやすかった。逆に、人口増加が緩やかだった地域では、一箇所に集約させるセンター方式が効率的だったのかもしれないなあ。

自校方式からセンター方式への移行
誤解の奥にある多数のメリット

三宅 最近は、全国各地で自校方式からセンター方式への移行が検討されているんですよ。仮に自校方式から自校方式へ建て替える場合、今の衛生管理基準に当てはめると3〜4倍の床面積が必要になる。さらに設備投資は巨額。少子化が加速するなか、いっそ集約した方がいいんじゃないかって。

馬場 構造的に自校方式が難しい時代に突入しているんですね。昼になると給食の良い匂いが教室まで漂ってきて、温かい料理が提供された小学生時代の思い出がある。だから自校方式がいいと思い込んでいた。だけど今の解説を聞くと、自校方式だけでやっていくのはどう考えたって無理がある。

給食センターでの配送準備の様子。各校の配膳ボックスに、出来立ての料理が手際良く詰められていく

三宅 そうそう。まさに、自校方式に対してそういった思い出を持つ親御さんが多くて。センター方式に切り替えるなんて食育的によくないと拒まれたりもします。でも、実際はそうじゃない。極論を言えば、焼肉屋の隣に住む子が、良い香りが漂ってくるからって全員賢くなるわけでもないでしょう?

飯石 極端な例えだけど、確かにそうですね(笑)自校方式が食育に直結する明確な根拠はないですよね。

三宅 むしろ実際のところは、自校方式は各校に一人在籍する栄養士を頼りに運営するから、そのスキル次第で給食と食育の質に差が出てしまうんです。さらに、先生たちと協力して食育の授業を展開したくても、忙しい先生たち相手に一人で働きかけるには孤独感が強い。

だけど、センター方式は複数名の栄養士がチームで取り掛かっているから、スポーツ栄養学・衛生管理・アレルギー対応など、得意分野を活かし合うことができて、各自のスキルアップにも繋がる。食育に関しても、理科の先生には栄養素を、社会の先生には産業や農業の授業を依頼したりと、チームで手分けして働きかけることができる。そういうメリットを最大限活かす仕掛けをつくればいいだけの話なのに、イメージが先行して自校方式こそ美徳だと誤解されがちなんですよ。

岡山県にある給食センターの一つ、倉敷中央学校給食共同調理場。2019年に稼働を開始し、12,000食に対応

馬場 こうして本質について教わると、センター方式への移行に大いに納得できるのに、なんとなくのイメージで自校万歳に陥りがち。もっと多くの親に知ってもらいたい事実ですね。

ノウハウの無さが移行のハードル
半世紀先を見据えた最初の設計が肝

飯石 メリットの多いセンター方式ですが、自校方式を美徳とする思い込みのほかに、自校方式からセンター方式への移行を妨げている課題は何かありますか?

三宅 移行に関する行政のノウハウの無さですね。全国的に事例がまだ少なく、小さな地域ほど初の試みになり、どこから手をつけていいかもわからない。衛生管理基準は厳しく、子どもの食を扱うだけに慎重になり過ぎ、一つ一つの決断に時間がかかって遅々として進まない。しまいには数少ない栄養士に、企画から設計会社や仕入れ先など関係各所との調整まで丸投げ。お手上げ状態になっています。

馬場 なるほど。給食施設の裏側には複合要因があり、ステークホルダーも多い。食にまつわることだから神経も使う。面倒が多く調整しきれないから、既存の仕組みを変えられないのか。

三宅 そもそも給食施設は、投資額が高額なわりに稼働時間が短いんですよ。調理場の稼働時間は、基本的に早朝から15時半頃まで。朝7時頃に持ち込まれる野菜・肉・魚を洗って切って火を通して、校長先生の検食後に配膳し、食器を洗浄する。調味料や揚げ物以外は、事前の加工なしで当日調理がほとんど。重労働かつ時間との勝負です。でも土日祝に加え、春夏冬の長期休暇も稼働しない。

給食の調理風景。大きな釜で大人数分を一気に調理するため、混ぜるだけでも想像以上の重労働

三宅 だからこそ、建て替えのタイミングで、半世紀先を見通して地域貢献に繋がる給食施設をつくるべきなんです。行政が頭を悩ませている今、学校給食の分野に参入し、地元の事業者とチームを組み、未来の給食施設をつくる。そんな民間事業者が必要とされています。

飯石 ちょうど2023年4月に、徳島県神山町に「神山まるごと高専」という新しい学校ができましたが、そこの給食は、地産地消とトレーサビリティにこだわる地元企業「Food Hub Project」が手掛けているようです。企画・設計の段階から、そういったチーム構成をつくれたらいいですね。

三宅 その通り。投資額が高額なだけに、一度施設をつくると後で変更しづらい。だから、将来を見据えた最初の設計が肝となります。給食はどこも人材不足なので、一次加工を積極的に用いて、食器洗浄などの一部作業をロボット化すれば、少人数で回せるようになる。さらに、これまでは効率重視で不揃いの食材は破棄していたけど、事前に時間をかけて下処理をすれば、フードロスが解決でき、障害者雇用まで実現できるかもしれない。実際に静岡県袋井市の給食センターでは、玉ねぎのチャツネやトマトのピューレなどの一次加工品を冷凍保存して提供するよう工夫されています。

馬場 それらの状況によって、冷蔵庫や冷凍庫のスペースを多く確保したり、洗浄ロボットの設置場所を検討する必要が出てくる。確かに、計画次第で設備の面積バランスが大きく異なりますね。

便利だが多用は危険でもあるPFIの事業スキーム
柔軟なアイデアで新たな手法を探る

三宅 給食の調理場は「公用施設」といって、一般市民ではなく行政の人間が使うことを前提とした施設です。その条件があるため、稼働しない時間が長いからといって簡単に民間に貸し出すわけにもいかない。一方で、PFIのスキームで民間事業者に運営を委託する場合、空き時間の有効活用は許されているという状況も広がっているんです。空き時間にお惣菜をつくり市内のスーパーに卸している新潟県見附市の事例もあるくらいです。

給食の調理風景。調理は行政職員の調理員か委託先の調理員が行なっている。

飯石 先ほどセンター移行におけるノウハウが行政にないと話されていましたが、そこで企画・設計から運営まで包括で外部委託できるPFIが重宝されているのでしょうか。

三宅 そうなんです。PFIの型に当てはめると前例があるから議決が得られやすい。逆に言えば、そのせいで、本来はもっと自由で柔軟であるはずのアイデアが型に押し込まれて硬くなる。さらにPFIの委託会社は10〜15年の長期間業務を担うことになるため、相当の資金力が求められる。あと衛生管理基準を突破するだけの技術と実績も必要。そうなると、委託会社の顔ぶれが特定の大手に偏り、日本全国で似たような事例の焼き増しができてしまいます。

馬場 なるほど。PFIの型に固執すると、特定の企業しか参入できず、画一化が進むと同時に地域多様性も奪い、ますます融通が利かず寡占化が進まざるえない。次第に、その構造から抜けられなくなる。PFIという選択肢しか持たないと、そういう末路になると懸念されているわけですね。

三宅 そういったなかで昨年度、岩手県紫波町が提案した「エージェント型PPP/PFI」は、新たなスキームとして注目すべき手法です。エージェント型とは、まちづくりの代理人としてマネジメント会社を別立てし、企画・設計から資金調達や不動産管理まで一括して担い、運営は別の委託業務として発注する手法です。

この手法なら、二段階の事業者選定により地元の建設チームと組むことができます。これにより、設計段階から栄養士の意見を大事にし、栄養士が数十年先の地域の一次産業を見据えて献立を考え、動線を加味して必要な厨房機器を選び、建設チームがそれらの機器が収まり衛生管理基準を満たす設計をすることが可能となります。また、設計・建設を運営と切り離すことで、資金調達の金額を低く抑えることもできるんですよ。

馬場 そう考えると、給食の栄養士と図書館の司書との組織内ポジションが近いかもしれませんね。コンテンツの鍵を握る彼らが設計段階からコミットすることで、良い空間ができる。むしろ、彼らがいないと何事においても予見ができない。空間の魂とも言える、欠かせない存在です。ひとまとめに外部委託せず、紫波町の成果報告書にあるように、設計や食に関することなど部分的に切り離して扱うことでPFI以外の新たな手法が見出され、アイデアの柔軟性が増していきそうですね。

妄想会議「セントラルキッチン方式」
一次加工を積極的に導入して効率化

飯石 PFI以外の学校給食施設のあり方について、選択肢をより探るため、ここからは未来に向けた妄想会議に入りたいと思います。三宅さんがあったらいいなと思い描く、学校給食施設の仕組みはどういったものでしょうか。

三宅 「セントラルキッチン方式」と「クックチル方式」を組み合わせて導入できたらいいですね。自校方式とセンター方式のハイブリッドとも言える手法です。セントラルキッチンとなる調理工場で複数施設分の下準備をする。急速冷却して細菌が繁殖しづらい0~3℃のチルド状態にすることをクックチルと言うのですが、必要に応じて一部をその方法で保存して発送し、各施設で再加熱や仕上げをして提供する。少ない人手で多品目を扱うことができる合理的な手法で、病院や社食、ビジネスホテルでは主流となっていますが、学校ではまだ導入されていないんですよ。

馬場 いいですね! 病院で1日3食の対応をしている実績があるなら、学校でも応用できそうだ。調理場であるキッチンは外部化し、配膳室であるパントリーは内部化する。それなら自校方式で話題にあがった匂いや温かさに対するイメージの需要も満たされます。

飯石 でも民間施設に多くの実績とノウハウがあるのに、なぜ学校に導入されていないのでしょう。

三宅 現状の仕組みでは、さまざまな障壁があります。例えば、各自治体で給食施設を完結させるべきといった行政区分があり、複数の自治体でセントラルキッチンを共有することが難しい状況です。また、衛生管理基準を必要以上に厳格に捉える傾向があり、当日納品・当日調理を良しとし、一次加工が推奨されづらい。衛生管理基準を正確に読むと、一次加工の導入は全く問題ないんですけどね。

もし、広大過ぎて活用案が定まらない敷地があるなら、白紙のスペースにセントラルキッチンを併設すればいい。セントラルキッチンがあれば、給食に限らず、宅食として高齢者の見守りにも利用できるし、保育園や児童クラブ、子ども食堂との連携など、さまざまな展開が可能ですから。

地域課題に紐づいた食育の必要性
子どもから大人まで学ぶ機会を

飯石 他に、学校給食の未来に向けて、必要性を感じているものはありますか。

三宅 地域課題に紐づいた食育が重要だと考えています。岡山県倉敷市にある瀬戸内海に面した児島と呼ばれる地区では、地球温暖化による海水温の上昇から、タイの一種であるチヌ、別名クロダイが増え、養殖ヒジキの食害問題に困っています。チヌは泥臭さを抜くには調理にコツがいるから一般家庭では敬遠されがち。そこで、新たな技術設備を用いて、タイの旨みとカルシウムたっぷりの食材に生まれ変わらせ、給食に活用することで地域課題を解決しようと、今研究が進んでいるんですよ。

高温高圧調理機を用いたチヌの試行調理の様子
調理法の実験と検査手法の検討のため、調理実績のある民間事業者キッチンで共同テストを繰り返す

飯石 それはいいですね! 給食としてなら一定数扱えるから、実現すれば一気に地域課題が解決できそう。加工して冷凍保存が効けば、必要な量が集まってから提供することもできる。

三宅 実はもともと児島は伝統食としてタコが有名な地域なんです。だけど、気候変動からタコが取れなくなってきた。伝統食だからと無理に予算をやりくりして希少な地域資源を仕入れるのではなく、一次産業の変化に合わせて食材から見直すべきなんです。地域の変化に応じて、一人一人のアイデアを持ち寄り、新たな伝統食をつくる。ひいてはそれが、後継者不足に悩む一次産業の人材の育成に繋がるかもしれない。地域の生き残りをかけた作戦会議がみんなでできてこそ、公共性の高い学校給食事業です。

他にも、栄養士による調理研究の参考事例として、レトルトカレーの加工が挙げられた

飯石 面白いですね。同様の課題を抱える地域は、きっと全国各地にあるはず。給食は大量に捌ける強みがあるから、自然環境の変化や乱獲の影響から増え過ぎた食材を上手く活用できる可能性がある。その強みを地域課題の解決に活かしつつ、伝統食もアップデートしていく時代なのかもしれないですね。

馬場 むしろ学校の時間割に「給食」という授業を設けたっていいかもしれない。一般的な食育だと食べることにフォーカスしがち。だけど、こうやって給食の実態を知れば知るほど、物流や産業、行政の仕組みなど、社会の多面的な構造が理解できるようになる。そういった授業があれば、子どもだけじゃなく、大人の僕だって受けたいくらいだな。

三宅 今度、イタリアの都市・ボローニャにある国下最大級となる食のテーマパーク「FICO EATALY WORLD」の視察に行こうと思っているんです。農業大学構内にあるその施設内には、食の学習コーナーが大きく設けられていて、大人も学べる施設です。日本の学校給食もいっそ教育現場から飛び出し、子どもから大人まで食についてもっと気軽に深く学べるようになれば楽しいでしょうね。日本が多様化しつつある今、ハラルやビーガン、ベジタリアンなど食の多文化について学べる機会も増やせたらいいな。

公民連携のもと、少しずつ試しながら
地域にあった最適な手段を見出す

馬場 少子化が加速する日本では、学校給食は効率化せざるえない。だから、取捨選択して合理的に統合する必要がある。加えて、食産業の変化や後継者不足といった地域課題を抱えるローカル産業を見つめ、次の担い手を育てる仕組みを構築する必要がある。給食というテーマは奥が深いですね。

三宅 それらを実現するには、学校給食の充実と公共施設マネジメント、この両輪を同時に押し進めることが重要で、そのうえで公民連携は必要不可欠です。これから新設される給食施設はまた半世紀先までハードに制約されることになる。だから今、固定観念にとらわれずクリエイティブな発想で、どこかのコピーではなく、その地域にとって最適な手段を見出すべきだと思います。

飯石 学校給食施設は巨額の初期投資がかかるから、前例のない挑戦には大きな覚悟がいる。よくある公共空間のようにスモールスタートから取り掛かることはできないのでしょうか。

三宅 いやいや、学校給食施設にも新しい調理方法や仕組みを導入するならスモールスタートや過渡期があったっていいんです。学ばないと設計に落とし込むことはできませんから。まずは病院と連携して週に1度のペースでセントラルキッチン方式を試そうとか、何曜日は惣菜屋から仕入れようとか。大きな投資をする前に多様な手法を試す。そこで得られた改善点は未来のための価値ある教材になります。

飯石 なるほど! そうやって柔軟に考えると、トライできることはいっぱいありそう。まずは短期間で少しずつ試して、さまざまな事例を積み重ねること。そこから、各地域にあったベストな手段を探ることですね。

馬場 ほとんどの大人が、子ども時代に給食を食べていたはずなのに、その舞台裏については全く知らないまま。いや、なんともブラックボックスになってましたね。三宅さんのおかげで、学校給食施設は可能性の扉だと理解することができました。

※三宅さんは現在、note記事「FMかおりんが語る学校給食のおはなし」も配信中。全国の学校給食調理場が未来に向けて有益な公共施設として建て替えられることを願って記事を投稿しています。学校給食についてもっと知りたい方は、併せてご覧ください。

PROFILE

前田 有佳利

全国200軒以上のゲストハウスをめぐる編集者。1986年生まれ。2011年よりゲストハウス情報マガジン「FootPrints」を運営。2016年に書籍『ゲストハウスガイド100 -Japan Hostel & Guesthouse Guide-』(ワニブックス)を出版。2017年より大正大学の月刊誌『地域人』でコラム連載。2018年より毎月各地で「ローカルクリエイター交流会 -Guesthouse Caravan-」を開催。旅先で得た知見を活用し、和歌山県の移住PR事業にも携わる。

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