公共R不動産のプロジェクトスタディ
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Urban Picnic -Outdoor Library
東遊園地パークマネジメント社会実験

広場に本棚と芝生が出現!

都心と自然を同時に楽しむ

神戸市三宮、市役所にも程近い都心にあり、ルミナリエの開催地としても知られる東遊園地。
好立地にもかかわらず、通り抜けるだけに使われていた公園の広場に、カフェスタンドと本棚と芝生を設置したら、こんなに楽しく!!
6月に行われた社会実験、「Urban Picnic」をご紹介します。

Urban Picnicは、「都心と自然を同時に楽しむ」をコンセプトに、市民で結成された実行委員会と神戸市役所が共同開催。

青空の下でアウトドアライブラリー

目玉は「本がつなぐアウトドアライブラリー」。公募で集まった8歳から77歳までの市民36組が、本棚オーナーとしてそれぞれテーマを掲げ、そのテーマに沿った本を市民が寄贈。本棚オーナーと市民が持ち寄った本を、廃材などをリユースした本棚に並べることで、ライブラリーが完成しました。
会期中は会場中央の芝生に寝転んだり、カフェのパンや飲み物を楽しみながら、思い思いにページをめくる人々の姿が。
本棚オーナーと本の寄贈者との交流会も行われ、来場者は2週間で約5000人。
都心に現れた心地よい空間は、公園の広場がみんなのリビングルームになりうることを証明しました。

ファーマーズマーケットやナイトピクニックも

広場の脇ではファーマーズマーケットも開催され、神戸市近郊から9組の農家が参加。めずらしい野菜やおいしそうなデリを目当てに、多くの人が訪れ、調理法を聞いたり、食べごろの見分け方を習ったり、生産者との交流を楽しみました。
生産者と消費者を継続的につなぐファームビジットプログラムの予約受付や、その場でおいしいブランチが食べられる企画も。
今後の定期開催に向け、大きな一歩を踏み出しました。
(詳細は姉妹サイトreallocalのレポートもご参照ください。)

最終日前夜には、夜の交流会も開催。その名も「ナイトピクニック」。参加者が食べ物を持ち寄り、夜のUrban Picnicを楽しみました。

次回開催は!?

次回は秋の開催を予定。今回の結果をもとに、公園内の別の場所で芝生の常設も検討されているとのこと。
カフェや本棚、芝生といった仕掛けに加え、参加者が本や食べ物を持ち寄ることで、能動的に公園を楽しみつくす。
公園の新しい可能性を大きく開いたこの社会実験、今から次回が待ちきれません。

PROFILE

松田 東子

株式会社スピーク/公共R不動産。1986年生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大成建設にてPFI関連業務に従事。2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。スピークでは「トライアルステイ」による移住促進プロジェクトに携わる。2017年から2020年までロンドン在住。2021年University College London MSc Urban Studies 修了。

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