公共R不動産、始まります。

芝生で思いっきり遊ぶ子どもたち。

それは、名前の通り「R不動産」の公共空間版。
全国に眠っている使われていない公共空間。隠れた可能性を持ったまま眠っている、そんな公共空間を発掘する新しいサイトがスタートします。

現在、日本中に使われなくなってしまった公共空間がたくさん存在します。
少子化によって廃校になった学校。統廃合によって空になってしまった役所の庁舎。バブルの時につくったは良いけれども維持できなくなった文化施設や宿泊施設。かろうじて存在しているものの古びた遊具が悲しげに並ぶ公園。市町村はそれらを何とかしなければ、と考えてはいるものの、税収の減少や財源の不足などにより対応策がなかなか打てないのが現状です。

一方、市民や企業にとってそれらの公共空間は、時に魅力的な可能性を持った場所に見えます。
今までも、廃校が宿泊施設やアトリエなどにコンバージョンされたり、図書館に商業施設がくっついたり、線路跡が観光名所になったり。いくつかの先進的な事例がありました。でもまだまだそれはスタート。公共空間は今後ドラスティックに、新しい使い方を求めていくと考えています。

その時に必要になるのは、公共空間とその使い手とを結びつけるためのエンジン。それがこの「公共R不動産」です。

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可能性を秘めた公共空間

私たちは、今まで培ってきた独自の視線によって、眠った公共空間の可能性を再発見していきたいと思っています。そして、まったく新しい使い方や活用方法を発見していきたいとも考えています。今までの常識では考えられなかったような、大胆なコンバージョンやリノベーションの方法がまだまだ考えられるはずです。

だから、このサイトに集まる公共空間を見て、その新しい使い方を一緒に妄想してみてほしいのです。そのために参考になりそうな面白い活用方法の事例も、たくさん集めていきます。

同時に、このサイトでは全国の地方自治体から新しい使い方模索している公共空間を募集します。自分たちで投稿していただくことも、依頼があれば私たち編集部が出向いて取材し、新しい使い方のヒントを提案することも可能です。

公共をもっとオープンに

このサイトを準備する中で分かってきたことは、公共空間を民間に開放する手続きの難しさや、承認プロセスの複雑さです。このサイトでの活動を通して、それらをシンプルにしていければと思っています。
同時に、市民や企業からは目の前にある魅力的な公共空間にどうアクセスし、活用の方法を誰に向かってどのように提案していけば良いか、ということが見えにくいことも分かってきました。

私たちはこのサイトを通し、両者のニーズをつなぎ合わせる機会をつくっていきたいと思っています。
公民連携による“新しい公共”の在り方を一緒につくっていきましょう。

PROFILE

塩津 友理

Open A/公共R不動産。1987 年生まれ。昭和女子大学大学院修了。2012年Open Aに入社し、書籍やウェブの編集等に携わる。共著書に『RePUBLIC 公共空間のリノベーション』『PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた』『団地に住もう! 東京R不動産』など。

連載

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公共R不動産の本のご紹介

クリエイティブな公共発注のための『公募要項作成ガイドブック』

公共R不動産のウェブ連載『クリエイティブな公共発注を考えてみた by PPP妄想研究会』から、初のスピンオフ企画として制作された『公募要項作成ガイドブック』。その名の通り、遊休公共施設を活用するために、どんな発注をすればよいのか?公募要項の例文とともに、そのベースとなる考え方と、ポイント解説を盛り込みました。
自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

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