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“みんなの学校”をつくるための御幸森小学校活用マーケットサウンディング 開催! @大阪市生野区

大阪市の東部に位置する生野区。難波や天王寺からもほど近く、天王寺駅からは電車で2駅の近さにあります。

生野区は、大阪市内1位となる製造業や事業所数を誇る他、外国人住民の比率が都市部全国1位の約20%・国籍約60カ国にのぼる多文化共存のまち。(2018年時点)

まちを歩けば町工場から作業をする音が聞こえてきたり、日本最大のコリアタウンや最寄の鶴橋駅周辺で戦後から続く市場では、鮮魚や青果・焼肉などの食を楽しめたり、昔ながらの長屋・銭湯・商店街や市内でも有数の”地車”が未だに残るなど、様々な文化が凝縮されている個性あるまちなのです。

今回の募集は、区の北西部に位置する御幸森小学校。1924年設立の歴史ある小学校ですが、今では1学年1クラス(全校児童数88人)に。(2019年5月時点)

御幸森小は、戦災で一度校舎は全焼してしまいましたが、その後建設し直し、耐震改修もされている学校です。

生野区西部地域の学校では単学級(1学年1クラス)の学年が多数を占めており、子どもの教育環境の整備が求められています。西部地域における12小学校・5中学校から4小学校・4中学校への再編計画に伴い、御幸森小は2021年4月に閉校が決まりました。

未来への新たな活用に向け決断した御幸森小は、トップバッターとして動き出します。

御幸森エリアってどんな場所

コリアタウンは年間200万人超が訪れる人気の観光スポットになっており、鶴橋駅と桃谷駅のどちらからも歩いて15分ほど。どちらの駅周辺も趣の異なる商店街や市場、まちなみを有し、まちを散策しながらコリアタウンに向かう人も少なくありません。500m程の通りに約140店舗が軒を並べるコリアタウンですが、韓国食品・食材店、飲食店、コスメや韓流スターのグッズ店などに訪れる若者・家族連れの方で休日は大変な賑わいです。

周辺には、つるのはし跡(日本最古の橋!なんと、日本書紀に記されているのです)や神社、お寺、などの歴史遺産も多く、毎年夏と秋のお祭りのときには各地域で守り続けている地車がまちに繰り出す光景も見どころのひとつです。勇壮で幻想的な地車パレードは必見!

御幸森エリアは、いにしえから日本人と朝鮮半島にルーツをもつ人が共存してきた歴史がありますが、 100年の歴史がある在日コリアンの外国人住民に加え、近年は中国人やベトナム人の留学生や技能実習生といったニューカマーによる外国人住民の多国籍化が進んでいます。そうした外国人住民への職・言語といった多文化共生に向けた支援が一層求められるエリアでもあります。

生野区の“学校跡地を核としたまちづくり構想”の実現へ向けて

生野区の西部地域では、小中学校の再編と校舎の新たな活用について検討を進めてきました。その中で、学校は無くなるのではなく「みんなの学校」として新しい形の学びの場となり、それらが核となって多世代・多文化・すべての人が関わる生野区独自の「まちぐるみ教育」を実現しようという「生野区西部地域の学校跡地を核としたまちづくり構想」を昨年6月に策定しています。

学校が閉校することは残念なことですが、いくつかの学校が一緒になり、今まで以上にまちとの関わりを持ちながら、地域に開けた場として活用していこう!というのは未来に向けてピンチをチャンスに変えようという新しい試みですね!

まちづくり構想の情報はこちら
https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000470999.html

マーケットサウンディングの位置づけ

このまちづくり構想にもとづいて、各学校が「みんなの学校」として再生活用される予定ですが、どのような形で使われるかは、実際に学校の活用に関心のある事業者や団体、住民の方々の意思があってのことです。

学校校舎の再生・活用事業等においては通常、事業の枠組みを検討するために行政が事業者に個別でヒアリングする今回のような“サウンディング”というプロセスが設けられます。

今回のマーケットサウンディングは、御幸森小学校の「活用計画(案)」をベースに、求める条件のもとで考えられる活用案や、具体的な管理運営手法などを把握するために実施されます。

校舎の貸付料(家賃)や具体的条件など、事業者の要望を最大限に聞いてもらえるチャンス!ともとれますね。

本マーケットサウンディングを踏まえ、最終的な「活用計画/公募要項」が策定されていくことになるので、ぜひ疑問点や具体的な事業イメージをすり合わせていかれるのが、得策となりそうです。

御幸森小学校 活用に向けたニーズやアイディア

今回のマーケットサウンディングに至るまでに生野区が進めてきた、

御幸森小の「活用計画(案)」と、昨年度実施した参画エントリー会議で集まった御幸森小を含めた校舎活用案をご紹介いたします。

♢御幸森小学校 活用計画案

御幸森地域の皆さんとの協議を重ね、御幸森小学校の活用計画案をまとめました。地域のニーズや想いも活かしながら「みんなの学校/まちぐるみ教育」の考えを実現していくための考えがまとめられているので、ぜひご覧下さい。

御幸森小学校 活用計画案の情報はこちら
https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000505061.html

♢“みんなの学校”をつくるための“参画エントリー会議”

参画エントリー会議では、運営・参画に関心のある民間事業者・団体・住民の皆さんからのアイディア募集し、意志や考えを可視化することで、様々な主体がコラボレーションして関わっていける可能性も探りました。
約20組の参加者が参画の形やイメージを提案・アピールした案を、ぜひご覧下さい。

参画エントリー会議の概要や校舎活用案はこちら
https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000486302.html
(御幸森小への提案内容もございます)

マーケットサウンディング概要

イベント情報URL:https://www.city.osaka.lg.jp/ikuno/page/0000502336.html

スケジュール:
・マーケットサウンディングの実施の公表 令和2年6月5日(金)
・説明会及び現地見学会参加申込期限 令和2年6月17日(水)
・説明会及び現地見学会の実施 令和2年6月19日(金)
・実施要領に関する質問受付期限 令和2年6月26日(金)
・質問に対する回答 令和2年7月6日(月)
・調査票の受付期限 令和2年7月22日(水)
・提案者との対話の実施 令和2年7月27日(月)から令和2年8月5日(水)まで
・提案結果のとりまとめ、公表 令和2年8月下旬(予定)

御幸森小の活用に関心/意向のある方、生野区と具体的な対話ができる最後の機会となりますので、ぜひご参加下さい!お待ちしております。

ステータス:募集終了
所在地:大阪市生野区桃谷5-5-37
交通:鶴橋駅と桃谷駅 どちらからも徒歩15分程
価格:未定
期間:調査票受付期間:2020.6.22~7.22
募集要項:御幸森小学校跡地の活用に関するマーケットサウンディングを実施します
問い合わせ先:生野区役所 地域まちづくり課

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