コラム

Otsu Lakeside Renovation Projectはじまります!

text = 公共R不動産

「日本で一番大きな湖は?」と聞かれて、答えられない方はほとんどいないですよね。答えは、もちろん滋賀県の琵琶湖。しかし、その琵琶湖に最も多く接している自治体が大津市だとは、ご存知ないのでは?

そんな琵琶湖の恵みいっぱいのまち、大津市で今年から大胆なリノベーションプロジェクトが始動します。その名も『Otsu Lakeside Renovation Project』。公共空間を民間に開き、町ぐるみで琵琶湖をまちのみんなの居場所にしてしまおうという試みです。

琵琶湖と市街地が本当に近い大津。この水辺環境にはたくさんの可能性が考えられそう

大津という町は、江戸時代から東海道 最後の宿場町であり、北国海道との交差点としても賑わいました。さらに琵琶湖の水運が利用できたことから多くの港があり交易も活発で、100の町がひしめく「大津百町」と称されたほど。

その交通の要所としての歴史は脈々と受け継がれ、近年の京都・大阪へのインバウンド観光客の急増にあわせ、そのアクセスの良さから大津市にも宿泊者が増加しています。しかし、裏返してみれば、それは必ずしも大津市の滞在や観光を目的に訪問しているわけではなく、「便利だから」滞在している人が多いということ。居住者だけでなく、訪問者にとっても京都・大阪のベッドタウンとなっていると推測されます。

そこで、せっかく大津に宿泊している観光客も存在し、駅前エリアの人口も増加傾向にあるのだから、通り過ぎてしまう場所ではなく、もっと「居心地のよいまち」、「訪れたくなるまち」になれないだろうかと考えました。そこで白羽の矢がたったのが、大津の疑いようもない最高の地域資源である琵琶湖畔エリアです。ここを活用し、大津の持つ魅力を最大限に引き出せる空間としてリノベーションしていこうという作戦です。

日本中でも、ここまでに市街地に近く、さらに道路に遮られていない湖畔なんて、実は探してもそうそうありません。このポテンシャルを存分に活かすにはどうしたらよいか。公共R不動産では、そのビションを一緒に描けるような事業者を選定するお手伝いをしていきます!

メインは3エリア2つのプロジェクト

手始めに、今年度始動するのは大津駅前公園、中央大通り、大津湖岸なぎさ公園おまつり広場の3エリア、2プロジェクト。これらのエリアをつなぎ、JR大津駅前から琵琶湖につながる動線を作り出すのが狙いです。

プロジェクト対象エリア

 

琵琶湖との間を遮るものは何もない最高のロケーション

PROJECT1:LAKE SHORE PARK(なぎさ公園おまつり広場)

まずはここ!めっちゃくちゃもったいない状態になっているなぎさ公園。これは、どのような経緯でこのまま残していただけたのでしょうか。市内で最高のロケーションかもしれません!この湖岸を使えるまたとないチャンス。市民のみなさんに愛されるような場所、友達やお客様が大津にきたときに、思わず連れていってしまうような場所にしたいですよね。何があったら素敵でしょうか。大津の顔ともなるような場所なので、ぜひたくさんのアイディアをいただきたいです。

PROJECT2:GATE PARK & CENTRAL AVENUE(大津駅前公園及び中央大通り)

大津駅前でありながら、今はあまり活用されていない様子の駅前公園

こちらはやや複雑ですが、駅前公園とその前の道路という2つのサイトを一体的に使い、駅前の雰囲気をガラリと変えようというプロジェクト。JR大津駅に降りたち、迎えてくれる風景は、交番、裁判所、立体駐車場…。実は、琵琶湖までゆるい下り坂になっており、駅から琵琶湖が小さくみえるのですが、今のままではは湖を感じられず、ましてや湖まで足を伸ばしてみようかな、という気にもなりませんよね。
そこで、駅から湖に人の流れをつなげていくべく、まずは湖の方向へ思わず歩を進めてしまうような楽しい仕掛けが欲しいです。

琵琶湖までまっすぐ伸びる中央大通り。これからこの通りが大きく変わりつつあります

というわけで、大津市はこちらについても、かなり思い切った公共空間に乗り出します。
なんと、琵琶湖の方まで現在の中央大通り、こと30m道路の歩道を拡幅し、道路を活用できるようにしてしまう予定なのです!最近、全国のまちづくりでも流行りの道路活用ですが、ここまで大々的に歩道を恒常的に民間に開放するのは日本初といってもよいくらいではないでしょうか。そんな、市の考えに応え、公園とその前の道路を繋げて面白く盛り上げてくださる民間事業者さんの登場を待望します!

PROJECT X:その他のサイト

Otsu Lakeside Renovation Projectは今年の民間事業者募集を皮切りに、どんどんなぎさ公園の別のエリアも使っていこうという計画です。ついては今年度ではありませんが、次に着手するプロジェクトの検討材料とするため、その他の地域(なぎさ公園のその他エリア、琵琶湖文化館、市民プラザ)についてもご意見があればおうかがいしたいです。

Otsu Lakeside Renovation Project キックオフトーク

というわけで、キックオフに際し、まずは、関心をもってくださる事業者候補のみなさん、潜在利用者である市民のみなさんに集まっていただき、一緒に夢を膨らませるようなトークイベントを開催いたします。

開催は8月4日(土)。ゲストには公共R不動産ディレクターとして全国津々浦々、公共空間リノベーションを推進する馬場正尊と、先進的な水辺活用の立役者、水都大阪、北浜テラス、中之島漁港と楽しい水辺の企画には枚挙にいとまのない㈲ハートビートプランの泉さんにお越しいただきます。トークイベントではありますが、拡大アイディア会議とでもいいましょうか、様々な事例やヒントを提供していただきながら、大津市についても会場のみなさまと一緒に未来に想いを馳せるような会にしたいと考えています。

なんと会場は、観光船ビアンカ船上!!!


琵琶湖の、大津のポテンシャルを最大限に引き出したいという意気込みを、ぜひ共有しにいらしてくださいね。
事業者の方向けには、前日8月3日(金)に対象敷地の現地説明会も企画しておりますので、大津を一緒に盛り上げてくださるみなさま、ぜひお越しください!

■開催概要

・タイトル:『Otsu Lakeside Renovation Project キックオフトーク』

・日時:平成30年8月4日10:00〜12:00

・場所:大津港 ビアンカ船上内

(所在地)大津市浜大津五丁目1番1号

・参加料:無料

・定員:90名

・お申込方法:こちらのフォームにご記入いただくか、お電話で下記までご連絡ください。

当日参加も歓迎ですが、お席数に限りがございますので、お申し込みいただいた方優先でお座りいただきます。

・お問い合わせ:大津市役所 未来まちづくり部 都市再生課(松岡)

e-mail:otsu1314@city.otsu.lg.jp

TEL:0775 28 2501

・主催:大津市

・運営企画:(株)オープン・エー(公共R不動産)

■今後のスケジュール
以下予定は暫定のもので、日程が多少前後する場合がございます。

・サウンディング調査(申請書提出期間)
:平成30年7月23日(月)〜8月20日(月)

・サウンディング調査(ヒアリング実施)
:平成30年8月29(水)、8月30日(木)

※うち、30分 -1時間程度をご希望の時間帯で調整

・公募:平成30年11月〜12月

・民間事業者の選定:平成31年1月中

■ゲスト略歴

馬場 正尊
株式会社オープンエー 代表取締役/東北芸術工科大学教授/公共R不動産ディレクター
1968年佐賀県生まれ。1994年早稲田大学大学院建築学科修了。博報堂で博覧会やショールームの企画などに従事。その後、早稲田大学博士課程に復学。雑誌『A』の編集長を経て、2002年OpenA Ltd.を設立。建築設計、都市計画、執筆などを行う。同時期に「東京R不動産」を始める。2008年より東北芸術工科大学准教授、2016年より同大学教授。建築の近作として「Reビル事業」(2014-)「佐賀県柳町歴史地区再生」(2015)、「Shibamata FU-TEN」、「Under Construction」(2017)など。近著に『エリアリノベーション 変化の構造とローカライズ』(学芸出版,2016)、『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』(学芸出版,2017)がある。
Open-A ltd. http://www.open-a.co.jp/
東京R不動産 http://www.realtokyoestate.co.jp/

泉英明
都市プランナー、有限会社ハートビートプラン代表
高松、下関、大阪なんば、豊田、岡崎のまちなか再生や公共空間のプレイスメイキング、工業地域の住工共生まちづくり、着地型観光事業「OSAKA 旅めがね」、水辺空間のリノベーション「北浜テラス」、「水都大阪」事業推進、「長門湯本温泉」の温泉街再生などに関わる。まちづくりの「まち医者」としての関わりを目指す。著書に『都市を変える水辺アクション』(共編著、学芸出版社)。