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京都福知山 廃校マッチングバスツアーに同行してきました! 募集終了

京都府福知山市。兵庫県との県境、京都府北西に位置する福知山市が、廃校になった小学校の利活用を促すための「廃校マッチングバスツアー」なるものを実施されるということで視察してきました。福知山市とこの地が創業の地である京都銀行が「公民連携促進に関する協定」を締結したことから実施されたツアーです。“行政”ד地銀”のタッグという意味で、とてもユニークな企画です!

職員に案内されながら学校内を視察しました。
職員に案内されながら学校内を視察しました。

福知山市のエリア的な特性というと、京都と大阪と神戸にそれぞれ車で1.5時間でアクセスできるという利便性と、由良川が中心部を流れ自然が豊かであること、そして、そんな環境が育んだ全国9位*の出生率を誇る街。実際に福知山盆地を車で走ると、それまで山間部だったのに途端に大きな平野が現れ、豊かな土地であることがわかります。大河ドラマの主人公でもある明智光秀が善政を布いたことでも知られている場所ですね。校舎の窓からも雰囲気ある景色が眺められ、羨ましい限りです!

*平成20年〜24 人口動態保健所・市町村別統計:厚生労働省

募集枠を越える反響!!

今回行われたこの企画、実は10月23日(金)と11月20日(金)の2回開催ですが、なんと定員30名の枠に対して120余名の応募があったというから驚きです。小学校という特殊なスペースへの関心の高さを感じますね。京都駅で集合してバスで来場する方々と、現地で合流する方がおられ、開会の場所となった旧菟原小学校には関係者合わせて約50名ほどが集まりました。

ちなみに、取材させていただいた10月23日(金)の参加企業の業種は本当に多様で、運輸、サービス、飲食業、観光業、機械製造業、アパレル業、IT系、スポーツ関係にエネルギー関係などなど。皆さんも自分が通っていた小学校を思い返していただければと思いますが、広い教室と数の多さ、そして体育館やグランドなどがあり、頭を少しひねればあんなことやこんなことに使えそうな場所ばかり!

今回は、半日をかけて3つの廃校になった小学校(旧菟原小学校、旧細見小学校、旧上六人部小学校)を巡りましたが、学校の内部視察の前にそれぞれの小学校がどのような場所だったかの説明もなされました。ちなみに、今回巡った3校とも、通常の定員の1/10程度の学生数になったタイミングで廃校の決定がなされているそうです。

2班に分かれて学校の視察を行いました。

小学校内の視察は、2班に分かれ、各小学校の建物や部屋の配置の説明をしながら行われました。冒頭にも説明しましたが、小学校の中は音楽室が吸音の壁になっていたり、一直線で25メートル以上ある廊下だったり、10メートル近い体育館の天井の高さなどなど、学校を構成する空間は通常のテナントではなかなか見つけられない特徴を持っています。私有地では飛ばせないドローンの実験や、スペースを必要とするロボティックス関係の開発、これだけスペースがあれば物流の拠点にもなり得ますよね。

ある会社の方は、スタッフを海外から採用する予定で、日本に来てもらってからスタッフが一ヶ所で寮のように暮らせる場所を探しておられました。「その方が日本での生活に慣れてもらいやすいし、寂しくないし仲間意識も生まれる。小学校の中に事業所を設ければ通勤の問題もない。さらに、そういう場所は東京や大阪などの大都市である必要がない」とのことで、小学校は事業所とスタッフの寮としてベストな場所だとおっしゃっていました。

実際に小学校を事業用途で借りている企業様へ訪問も

廃校ツアーの合間には、実際に廃校を活用されているいちご農園の企業訪問も行われました。ここは廃校になった中六人部小学校、教室の一部を事務室に、さらにグラウンドに大きなビニールハウスを作りいちごの温室栽培をされていました。エントランスもご自分達の企業イメージを表現するようにリノベーションされています。雨の日には結構ぬかるんでしまうグランドもウッドチップを敷き詰めることでその問題を解決されていたり、立ち入り禁止のところにはハードル走のハードルが置かれていたり、元々階段の蹴上げの部分にあったナンバリングに苺のマークがプラスされていたりと、小学校が持つ楽しいエッセンスも上手に活用されていたのが印象的でした。

一方で、小学校の利活用の時には用途制限がハードルになるもの事実。建築基準法的に準拠しなければいけないので改修工事に必要以上にお金がかかったり、小学校は教育委員会の所有なので活用用途が「教育目的であること」という制限がついてくることがほとんど。今回の福知山市さんの場合は随分と柔軟に対応しておられるそうです。

ツアーでは、各会場を回る時や昼食の合間など、集まった企業様間や主催の福知山市の方や今回のツアーを運営される京都銀行様の間で交流も生まれました。2回目の11月20日は今回巡った3つとはまた別の小学校を視察する予定です。

アイデアを刺激される空間の数々

さてさて、今まで小学校の「機能」としてのメリットをお伝えしてきましたが、最後は小学校が持つ空間美をご紹介しましょう。毎日働く場所であれば、空間的にも気に入った場所にしたいですよね。

パーケット貼の教室の床に、大きく切り取られた窓から差し込む目一杯の光、放送室が醸し出す雰囲気なんてたまりませんね、そのまま映像編集の空間にしてしまいましょう。校庭の周りには季節を感じさせる木々があるので、疲れた目を癒してくれることでしょう。

小さくてもそんな価値観を共有できる複数の企業が集まって借りれば、色んな化学反応が起こりそうですし、入居企業同士で合同の交流運動会なんか催した日には、廃校になった小学校もかつてを懐かしんでいる地域の方々も喜んでくれるのではないでしょうか。

ライター:水口貴之 Takayuki Minakuchi
株式会社51ActionR&D 代表/株式会社51Action 代表
1982年京都府生まれ。同志社大学を卒業後、東京にて広告代理店・株式会社ディー・エヌ・エーにて営業・アライアンス業務を担当。祖父の家が築数百年の茅葺屋根の古民家であることから、同じように「趣きのある物件」を住みつなげるようにしたいと2016年に帰京し独立。2017年、不動産業を取得し10箇所目のR不動産となる「京都R不動産」をオープンする。
同年、京都市東山区の五重ノ塔を望む築50年のアパートをリノベーションした「RC HOTEL 京都八坂」もオープン。自社運営しながら、住民減少で存続が危ぶまれ同町内会の町内会長も務めている。 また、京都中央卸売市場の場外にあたり、事務所も構える京都市下京区朱雀宝蔵町のまちづくりメンバーとして同エリアの活性化に取り組んでいる。