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”豊島邸"利活用プロジェクト

小田原・豊島邸:利活用事業者の公募開始!
豊島邸(一月庵)

活用アイデア募集やツアー形式の現地案内会など、新しい試みを積極的に展開してきた、歴史的建造物「豊島邸(一月庵)の利活用プロジェクト」。いよいよ利活用事業者の公募を開始します!

瓦葺屋根付き門に黒板塀の風情ある佇まい

近隣商業地域の中にある歴史的建造物というポテンシャル

コラムやレポート前編後編で豊島邸と小田原の魅力をご紹介してきました。が、何と言っても、この物件の最大の特徴は相反するような不動産価値を持つという点です。

1つめ、佇まい。

閑静な住宅街の中にあってもひときわ目を惹く瓦葺屋根付き門に黒板塀。大きな木々を配した和風庭園のその奥にある豊島邸は、外部からではその全貌を窺い知ることはできません。知る人ぞ知る!という期待感とともに、大切に継承されてきた佇まいがこの場所には同居しています。

2つめは、利便性。

小田原駅から徒歩10分圏内という好立地。周囲にはオーナーの意志が感じられるちょっと個性的なお店が少しずつオープンし、駅前の賑やかさとは違う、新しい流れを感じるエリア。また古い建物の残る風情ある通りにも近接しており、小田原の新しい1ページを描くのに好適な場所と言えるでしょう。

3つめは、可能性。

落ち着いた環境と利便性を兼ね備えたこの場所は「近隣商業地域」。活用の可能性の幅は幾重にも広がります。この場所とエリアをどう読み解くか、どんな未来をイメージし、どんなプロセスで実現するのか、クリエイティブな視点を持った事業者ほど、エッジの効いたブランディングや展開が可能な前提条件が揃っています。

多様な選択肢は小田原市の熱意

今回の公募の特徴は、積極的にこの物件を活用したいと考える事業者の提案を制限することのないよう、条件や要件の中に選択肢が用意されていること。

行政側の一方的な視点や前例に倣うだけでは、物件に価値や可能性があっても、それを制限してしまうことが実は少なくありません。そんな事例を反面教師に、小田原市と公共R不動産では「利活用」という本来の目的に重心を据え、何度も議論を重ねながらプロジェクトを進めてきました。前段のアイデア募集もまさにこのためのもの。頂いた様々なアイデアを実現するためには、どんな選択肢を用意すればよいのか、この場所の可能性に着目し検討してきました。定借期間を応募者が選べるのも、そのひとつのカタチ。用途制限の少ない近隣商業地域であれば、多様な事業や業態が検討可能だからです。

公民連携の本質的なカタチを目指して

事業者が積極的に活用したいと思えること、かつ小田原市にとっても意義のある事業が展開されること、その双方を満たしてはじめて公共不動産の利活用というスタートラインに立てます。そのため、事業者と行政がパートナシップを持って事業に臨める環境と、ポジティブな事業を提案しやすい状況をデザインするという視点で公募要領を作成しました。これも、小田原市の熱い想いがあってのこと!パブリックマインドを持った多様な事業者からのご応募をお待ちしています!!

公募要領や応募の流れ、必要な書類など、詳細は下記、小田原市のHPをご覧ください。

http://www.city.odawara.kanagawa.jp/municipality/c-planning/utilization/p26189.html

〇提案書の受付期間:平成30年12月5日(水)~平成31年1月10日(木)

〇質疑受付期間:平成30年12月5日(水)~平成30年12月14日(金)

〇質疑回答日:随時、小田原市HPにて回答

※平成30年12月21日(金)までに全ての質疑に対して、回答

■今後の予定

・意見聴取会:平成31年2月上旬

・優先交渉権者の決定:平成31年2月下旬

(基本協定の締結:平成31年2月下旬)

・建物賃貸借契約の締結:平成31年3月下旬

(平成30年度豊島邸耐震等改修工事に係る請負契約:平成31年3月下旬)

PROFILE

梶田 裕美子

公共R不動産/紡(西小山編集室)。1973年生まれ。中央工学校女子建築設計科卒業後、デザイン・プロデュース会社にて商業施設の企画・設計、デベロッパーにて事業企画・商品企画・営業・広報等を経て2009年に独立。㈱全国商店街支援センターでは専門家として支援メニューの開発にも携わり、2017年より公共R不動産に参加。民間・公共問わず、場(不動産)を通してまちと暮らしの質を高める事業に関わる。 ※二級建築士・宅地建物取引士

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