武蔵小杉に残された2900平米をどう使う?
総合自治会館

再開発が進む一方で、昔ながらの商店街などもあり、住みたい街ランキング上位の街、武蔵小杉。そんな武蔵小杉の、駅徒歩5分という好立地に残された、約2900㎡の公有地活用の可能性を探るサウンディングが実施されます。

総合自治会館エントランス

総合自治会館跡地

対象となるのは、川崎市総合自治会館が建っている敷地(2909㎡)。敷地には、総合自治会館の建物の他に、広場、駐車場、水路などを含みます。総合自治会館は、1984年築、鉄筋コンクリート造3階建、延床面積1387.67㎡の建物。市民の学習やふれあいの場として、広く利用されてきた施設です。館内には、多目的ホールをはじめ、大小の会議室と談話コーナー、資料室があります。
この総合自治会館が、2020年6月に再開発事業により建築される建物に移転することに伴い、移転後の建物や敷地を、どのように使っていくことができるのか?というのが、今回のサウンディングのお題です。

立地のポテンシャルを活かしつつ、地域貢献

駅から近いのはもちろん、付近には区役所等の公共施設が集積。敷地の西側には桜の名所でもある二ヶ領用水が流れる一方、東側は道路拡幅中の国道に面するという多面的な顔を持つ立地は、かなりのポテンシャルを秘めています。2040年まで人口増が想定されているため、更地にして民間企業に売却、という選択肢も思い浮かびそうですが、その先を見据えている川崎市。「地域への貢献を図りながら、人口動向や将来の行政需要等の様々な環境変化に柔軟に対応できるよう当面の間、活用を図るものとし、二ヶ領用水とのつながりを活かしながらうるおいと賑わいのある広場や親水空間としての活用を図ること」を活用の基本的な考え方としています。

提案してほしいこと

今回のサウンディングは、活用方法を考える最初の調査となるため、今なら幅広い提案が可能です。事業者は、上記の活用の考え方に基づいた上で、敷地内において、地域貢献に資する機能等の導入を行いながら、自らの事業を営むことができるものとします。

その際、以下の点を考慮した事業を想定しています。
① 賑わいや憩いに資する施設等の導入
② うるおいと賑わいのある広場の整備・運営
③ 地域住民が利用する多世代交流の場づくり
④ 二ヶ領用水とのつながりを活かした空間づくり
⑤ 災害時等に地域住民が活用できる防災機能

再開発に伴い人口も増え、公園など憩える場への需要はとても大きいとのこと。空間の居心地の良さと収益性を、両立できる予感大です!今後の活用に際し、サウンディングへの参加実績は優位性を持つものではありませんが、今だからこそどんなアイディアにも可能性があります。

事業方式・サウンディングのポイント

事業方式としては、以下を想定していますが、あくまで現時点における想定のため、各種条件に対する意見・要望もOKです。

・事業用地全体に対して、市と法人等が10~20年程度の事業用定期借地契約を締結し、法人等が対象地を借り受け、事業を行う。
・事業者が、施設の整備・運営・維持管理及び広場等の維持管理を行う。

事業期間や契約手法、土地・建物の貸付料への意見はもちろん、既存建物を改修/解体、または新施設を整備するもよし、その場合に事業者がどこまで対応できるかを教えてください。

提案できるのは、敷地への事業参画の可能性のある法人又は法人のグループ。敷地全体ではなく、建物の新設、既存施設の改修、施設の運営・維持管理、イベントの実施、テナントなど、事業の一部に関して参画の可能性のある場合も可能です。

スケジュール

滅多に出てこない都心の公有地。たくさんのアイデアをお待ちしております!サウンディングは以下のスケジュールで実施しますので、是非ご参加ください。

申込期間:平成30年11月15日(木)~12月6日(木)
実施期間:平成30年12月13日(木)~19日(水)

※サウンディング調査とは、民間による公共施設の活用を検討する際などに、官民両者にとって最適な条件で公募ができるよう、その前段階で行政と民間が対話を通じてニーズをすり合わせるプロセスです。

PROFILE

松田 東子

株式会社スピーク/公共R不動産。1986年生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大成建設にてPFI関連業務に従事。2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。スピークでは「トライアルステイ」による移住促進プロジェクトに携わる。2017年から2020年までロンドン在住。2021年University College London MSc Urban Studies 修了。

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