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公共R不動産 ✕ 大東市
「民間提案制度」活用促進プロジェクト

駅前空き地の意志ある入札!?
旧末広公園・駐車場

住道駅。駅前がいきなり川!しかもかなりビビッドなグリーンのカミソリ護岸が印象的。以前、大水害があり、整備されたものとか。

穴場的ベッドタウン大東市 住道エリア

大東市はその名の通り、大阪の東に位置するベッドタウン。市内には3つの駅があり、今回土地の公募の対象地が位置する住道(すみのどう)駅は、中でも最も西寄りで、大阪中心部まで快速電車で約15分と非常に利便性の高いエリアです。あまり知られていませんが、住道駅の1日当たり乗降客数は約6万5千人と、学研都市線内では京橋駅の次に賑わう駅。利便性の割にブランドが確立しておらず穴場的な位置付けといえそうです。

5区画セットが条件

今回、活用が求められているのは、そんな住道駅前の大小5つの土地。まとめて借り上げ、活用することが条件です。形式は、公募型プロポーザルではなく入札。つまり、価格で勝負です。期間は10~30年。合計約1,323㎡の土地を、月々賃料約50万円から入札スタートですから破格ですよね。

5区画といっても、大きく2つのまとまった敷地として扱えそうです。物件1は現在、駐車場・駐輪場として使われており、物件2〜5は、フェンスで区画されているけれど隣接した4つの細切れの土地。日本の人口が増加の一途をたどっていた頃、住宅用地として市がひとつひとつ取得し、宅地内の児童公園として使われていましたが、駅前に大きな末広公園が整備されて以降、役割を終え活用用途が決まらないまま空き地となっています。 

マンションだけはあきまへん!

さて、価格勝負とはいえ、入札の際、注意せねばならないことがあります。それは、あくまで市の施策と合致した内容の土地利用計画書の提出が求められるということ。つまり、「住道駅周辺の活性化」、「にぎわい・交流の創出」、「子育て支援、健康長寿を含む都市型産業の創出に資するもの」という方向性を示す必要があります。特に住道エリアは大東市の目指す「職住楽超近接のまち」のうち「楽」の部分を担っており、子育て世代を中心とした交流人口の増加に資するようなサービスの展開を希望しているとのこと。

素直に考えると、ファミリー向けマンションが期待されているのでは…と、想定してしまう立地条件ですが、対象敷地は今回あくまで事業用として貸し出すため、住宅のみの提案はNGとのこと(詳しくは要領をご覧ください。)

駅前公園とつないで

どちらの物件も駅前にある公園の目の前ですから、そのポテンシャルを活かさない手はないですよね。公園まではみ出して、テラス席として運営しちゃう飲食店とか、キッチンカーの溜まり場とかあったら面白そう。モバイルチェアなんかもレンタルして、自由に公園で食べたり飲んだりできる…とか!すみません。完全に勝手に言ってますよ。市役所がOKしてくれるとは限りませんので悪しからず。

入札なのでごりごり企画書をつくらなくてもいいものの、年度末・年度初めで忙しい中なので、みなさま早めのご検討を!

PROFILE

菊地 マリエ

公共R不動産/アフタヌーン・ソサイエティ。1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。日本政策投資銀行勤務、在勤中に東洋大学経済学部公民連携専攻修士課程修了。日本で最も美しい村連合特派員として日本一周後、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。現在はフリーランスで多くの公民連携プロジェクトに携わる。共著書に『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』。

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