世界へ開け!飛行機を眺める小学校
旧成田市立久住第二小学校

アクセス良好なのに意外なほど大自然!

成田空港近くの旧久住第二小学校で活用アイディアを募集!

久住第二小は136年も昔、まだここが成田市ではなく大室村だった明治6年開校という、歴史ある小学校。平成23年にその長い歴史に幕を閉じました。

この度、この旧久住小学校の活用アイディアを募集しています。小学校の建物自体は昭和46年築の鉄筋コンクリート造2階建て。校庭では二宮金次郎像がお出迎え、使い込まれた深みのある木の床、懐かしいグリーンの廊下…これぞ小学校というタイプの小学校です。

空港至近のアクセス&大自然が魅力

空港まで約10km、車で18分程度と非常に好アクセスの立地。ですが、利便性の高さとは裏腹に、周りはほとんど農地とゴルフ場と、たくさんの緑に囲まれています。そんなわけで開発が進んでいる土地ではないので、公共交通は使えず、誘客の際はそこがネックにはなってきそうです。

要項内で提示されている条件としては、建物は無償、土地については基準額を年額190円/㎡として10年間の貸し付け(ただし相談は可能そうです)。審査は書類審査とプレゼンテーションによるもの。評価基準が点数として示されていないのでウェイトはわからないものの、加点方式で地域からの以下のニーズを考慮しているかどうかを審査されるとのこと。うーむ、これを全て取り入れると採算性が気になる…けれど、6や8は工夫次第でクリアできそう。

<地域からのニーズ>

  1. 地域の人が利用できる温浴施設又はシャワー設備を備えた施設。
  2. なるべく既存遊具が保全され、敷地内で小さい子や小学生が外遊びできる場所。
  3. 農産物直売所の併設(地元の農産物を取り扱う売店)。
  4. 研修室や市民がくつろげる一般開放スペース(部屋)のある施設。
  5. 地域の歴史や自然の資料の展示スペースや学習室のある施設。
  6. 地域雇用(草刈り管理など)。
  7. 一般開放された健康づくりのためのウォーキングコースの併設。
  8. 市民が利用できる喫茶コーナーや休憩室を備えた施設
  9. 選挙の投票所や、災害時には避難所に使える施設。

留意点としては、市街化調整区域なので、用途にやや制限がかかります。ただし、周りに住居がある感じの場所ではないし、地域全体の活性化に資するものと認められれば可能性は色々あるのでは。成田市の基準を読んでいただき、担当の都市計画課さんに確認していただければと思います。

世界規模に広がる可能性

日本のインバウンドの観光客は2010〜2016年の6年間で1000万人から2000万人台へと約2倍に。また、最近は、国内便でも格安航空では成田空港発着便多いですよね。価格が安い分、深夜や早朝の便もよく見ます。つまり、ゲストハウスなどの宿泊ニーズはとてつもなく高そう!日本の玄関口、あるいは最後の思い出づくりの場所として活用してもらうのもよいかも。あるいは世界に羽ばたく卵たちをつくるような学校とか、国際的なビジネス展開をする人たちのオフィスとか…この立地的と大自然、むくむく想像力がはたらいちゃいますね。(地域ニーズと乖離しないように注意せねばですが!)

妄想している暇はない!

5/30に見学会を実施、エントリーは6/15までです。
ひとまず、エントリーシートには対話の希望日を記入すれば提出できますので、お話だけでもお聞きしたい!という方はぜひ、アクセスしてみてください。実は、今回のアイディア募集は、2月の募集に続く、2度目のトライ。公共R不動産でも掲載しましたが、前回募集の際の要項をご覧いただき、それに基づいてディスカッションができると具体的かつ発展的な内容になるのではないでしょうか。ぜひご一読ください!

PROFILE

菊地 マリエ

公共R不動産/アフタヌーン・ソサイエティ。1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。日本政策投資銀行勤務、在勤中に東洋大学経済学部公民連携専攻修士課程修了。日本で最も美しい村連合特派員として日本一周後、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。現在はフリーランスで多くの公民連携プロジェクトに携わる。共著書に『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』。

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