近代を語り継ぐ京都市電車庫、復活!
旧内濱架線詰所

外観
バス停の真ん前。街路樹のグリーンもアクセントでいい感じです。

京都は日本の電車発祥の町でした

さすが京都。なんとも想像力を掻き立てられる、ストーリー性のある物件が発掘されました!

こちらの物件、昭和2年に建てられたもので、もともと京都市電が断線した際のバックアップ車庫(架線詰所というらしい)として使われていたのだとか。交通局曰く、京都市電関係の建物では恐らく最後の1つとのこと、非常に歴史的意義も高いご様子。この文脈を理解し、まちに貢献してくれるような活用事業者を募集しています。

なんでも京都は1895年、日本で初の電車が走った町だったそうですよ。古地図のような路線図とレトロな車体!しびれます。

建物よし、立地よし

1972年の廃線後は倉庫等に利用されていたようで、ほぼ内装も手つかず。窓やドア、屋根のレリーフ等、当時のままの趣を残しています。1階部分は車庫、2階部分は事務所として使われていたようです。

しかも超好立地!河原町七条交差点の真ん前です。周りには同時代くらいの古物件多数。個人的には、最近、五条あたりがアツい気がしているんですが、おもしろ前線、南下の兆しですね〜。場合によっては、この物件の再生がエリアの価値を変える契機になりそうな。ポテンシャルを上手くすくいとってくれるプレーヤーが現れますように!!

京都市資産有効活用市民等提案制度

蛇足ですが、京都市には上記の非常な先進的な制度があります。市が活用案を求めている物件のリストを公表し、市民から提案を受け、公募をスタートするシステム。本件もそれがきっかけとなりました。従来は行政が当たり前に公共空間の活用方針を決めていましたが、こんな風に市民が発案できるまちが増えると楽しいですよね。

(写真:京都市HP)

PROFILE

菊地 マリエ

公共R不動産/アフタヌーン・ソサイエティ。1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。日本政策投資銀行勤務、在勤中に東洋大学経済学部公民連携専攻修士課程修了。日本で最も美しい村連合特派員として日本一周後、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。現在はフリーランスで多くの公民連携プロジェクトに携わる。共著書に『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』。

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