コラム

出版!『公共R不動産のプロジェクトスタディ 公民連携のしくみとデザイン』

text = 公共R不動産

『公共R不動産』スタートから3年。行政が持っている物件/資産を民間企業のニーズとマッチングさせる試行錯誤を続けてきた。現段階で得られた経験や知識、そして整備しなければならないと思える方法論を一冊の本にまとめた。
今後、この本が行政や民間企業が新たな公民連携プロジェクトを起こすときのヒントになったらうれしい。7月に東京、8月に大阪で出版記念トークイベントも開催!

 

公共R不動産が生まれた時代背景

日本のさまざまな街で公共空間再生の動きは広がりを見せているが、その動きをさらに加速させようと、使われていない公共空間と使いたい人や企業をマッチングさせるしくみとして2015年に立ち上げたのが「公共R不動産」というメディアだ。現在、日本中の自治体や国土交通省、総務省、内閣府等からさまざまな相談や掲載依頼が寄せられるようになった。このような変化のなかに身を置いて感じるのは、今から日本の公共空間、そしてそのつくり方は大変革期を迎える、ということだ。公共R不動産を始めてから3年。この変化の兆しは、瞬く間に実践モードに変わっている。

自治体と省庁で進む公共空間の再編

まず、日本の自治体が置かれている状況に公共空間再編の原因の一つがある。現在、日本の基礎自治体の数は約1700。そのうち、約1300が自主財源を義務的経費が上回る、事実上の破産状態にある。福祉や医療費が増大するなかで、公共施設への再投資は今後さらに難しくなる。これから間違いなく、堰を切ったように公共空間は民間に開放され始めるはずだ。各省庁も相次いで、公共施設のあり方について、今後10年スパンの予想や方針を発表している。今、全国各地の公共空間がその方法論を求めている。

 

 

国内外のプロジェクトを二部構成で紹介。「1.風景をつくってみる-社会実験」で紹介するアーバンピクニックは社会実験から始まり日常の風景に。(左上、写真提供:山脇和哉)、「5.シビックプライドをつくる オープンプロセス」ではコペンハーゲンのスーパーキーレンのデザインプロセスを紹介。(左下、写真提供:PARKFUL)

この本の使い方

この本は、国内外の事例をプロジェクトスタディ、コラム、インタビュー、妄想企画4つのコンテンツで構成している。管理する人、運営する人、使う人、誰にとっても読みやすいようプロジェクトの解説を写真とダイアグラムを加えて紹介している。
前半は、「公共空間を使う4つのステップ」。
1.風景をつくってみる/2.仮説で使ってみる/3.使い方を提案する/4.本格的に借りて の4つの段階に分けてまとめた。楽しい風景の舞台裏にある、プロセスや仕組み、組織のつくり方を理解し、自らのチャレンジの手法としてヒントにしてほしい。

後半は、「公共空間をひらく3つのキーワード」として、
5.シビックプライドをつくる/6.領域を再定義する/7.“公共”を自分事にする 新しい公共空間の可能性を広げる3つのメッセージでまとめた。使用することが目的なのではなく、公共空間を活用して、どのようなことを目指しているのか、その本質を貫いているプロジェクトを選んだ。

[インタビュー] 丹埜倫さん(左上)、町田誠さん(左下)、長谷川浩己さん(右上)、長谷川さんが手掛けたオガールプロジェクト(右下)

さらにインタビューでは、実践で活躍するキーマン3人に話しを聞いた。公共施設を活用し、合宿事業で新たなマーケットを創造するR.projectの丹埜倫さん。国土交通省で公園の規制緩和を推し進める町田誠さん(国土交通省都市局公園緑地・景観課緑地環境室長)、公民連携のモデルとされるオガールプロジェクトでランドスケープを手掛けたオンサイト計画設計事務所の長谷川浩己さん。実践者だからこそ語ることができる、壁の突破法やこれから描く未来の展望を聞いた。

[コラム]変革によって生まれた日本版BIDを解説

コラムでは、個別事例で紹介しきれなかったキーワードを紹介する。「道路を解放するストリートファニチャー」「暫定利用と連動したクリエイティブな再開発」「公募プロセスを変革する民間提案制度」「公共空間の質を保つデザインコントロール」「健全な公共投資のしくみ、BID/TIF」少しプロ向けではあるが、これからの公共空間活用で欠かせない視点を基礎から解説。

 

本書は、国内外の先進事例を題材に、そうした複雑なプロセスをなるべくわかりやすく解説し、こうすればもっとスムーズになるというアイデアも提案している。新しい公共空間の使い方を発見するヒント集として本書を活用してほしい。

 

 

『公共R不動産のプロジェクトスタディ 公民連携のしくみとデザイン』

編集:公共R不動産
著者: 馬場正尊、飯石藍、菊地マリエ、松田東子、加藤優一、塩津友理、清水襟子
出版社:学芸出版社
総頁:208頁
判型:四六判
定価:本体2,000円+税
ISBN:ISBN978-4-7615-2682-5

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【開催概要】

日程(東京) 2018年7月10日(火) 19:00〜20:30
会場(東京) 二子玉川蔦屋家電
日程(大阪) 2018年8月4日(土) 20:00〜21:30
会場(大阪) スタンダードブックストア心斎橋店
登壇者・参加方法 詳細が決まりましたら、公共R不動産サイトにてお知らせいたします。

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