「森の家」を蘇らせるのはアナタ!?
上郷・森の家

正面エントランス

締め切り間近、サウンディングの参加者求む!

はじめにお伝えしなければならないことがあります。
サウンディングの参加表明は、2016年11月30日(水)17時〆切です。ちょっとでも惹かれる部分があった方は、速やかに記事下部のリンクよりアクセスし、エントリーシートに名前や対話希望日を記入しEメールを送ってください。(実際のサウンディング期間は、2016年12月12日(月)~16日(金)です。)

「山の横浜」で再整備

今回対象となる施設「上郷 森の家」は、その名のとおり、山の中の美しい自然に囲まれた宿泊施設です。現在は市民の身近な宿泊施設として、小学生の体験学習の場としても利用されています。
宿泊はもちろん、日帰りでの入浴やバーベキューもでき、陶芸教室などのワークショップやコンサートなどの催しも行われています。小学生の利用時には、いわゆる林間学校として、一泊二日で周辺の森の散策や飯ごう炊さん、キャンプファイヤーなどが行われています。

現在、開館して四半世紀が経ち、様々な課題が浮かび上がってきました。
そこで横浜市では課題を改善すべく、サウンディング型市場調査を実施することなりました。サウンディングとは、自治体が発注する事業に対し、公募する前に活用アイデアや事業者の意向を聞くプロセスのことです。「山の家」では、ソフト面とハード面を連動させた一体的な改善・改修を前提に、調査参加者を募集しています!

内井昭蔵設計。想像が膨らむ、魅力満載の空間!

建築を手がけたのは、世田谷美術館などで有名な内井昭蔵氏。素材感のあるディテールと広く包み込むような空間は、のびのびとしていてとても心地良いです。
さらにここは、ただ宿泊施設であるだけではなく、多様なゾーンを備えた複合施設なんです。主な館内施設を記すと、20室の宿泊室、食堂にカフェ、「バーデ・ゾーン」というサウナや9種類の浴槽を備えた入浴施設、それとは別に大浴場もあります。他にもステージや音響設備を備えたホールや運動もできるミニドーム、バーベキュー場、陶芸の工房に、屋内の営火場(キャンプファイヤーをするための設備)まであります。

また、そのひとつひとつの空間に魅力的な特徴があります。たとえば、宿泊室にはテラスがついていて、すぐそばに自然を感じられたり。バーデ・ゾーンは、教会のように美しく光りが差しこんだり。エントランスホールや階段室は吹き抜けになっていて、上下階が緩やかにつながっています。屋内に営火場まであり、存在感たっぷり!

課題を打開!

改善にあたって横浜市が掲げているビジョンは「幅広い世代が快適にくつろげる空間の創出」。施設での滞在時間はもちろん、周辺の自然散策や地産地消の料理など、ここでの体験も重要になってきます。

前提条件として、

  • 一般利用者のための魅力的な施設へ改修するとともに、引き続き小学生の体験学習を受け入れること。
  • 自然環境や周辺施設(動物園など)と連携し、エリアの魅力向上に資すること
  • 改修と設備の更新は必須

などがあります。
まずは諸課題をクリアする、とっておきのアイデアを考えたいところ!

今回は、運営・改修を一体的に行うRO方式(※)なので、運営面から見た空間の改修や、逆に空間からおもしろい活用法を見出したりと、多様なアプローチができます。サウンディング対象は「企業等の皆様」と設定されているのですが、事業主体は複数事業者によるコンソーシアムも想定しており、公-民の連携はもちろん、民-民の連携にも期待がかかっています。

運営においては指定管理者制度で行いますが、もちろん自主事業は可能。施設を最大限活用するにはかかせません。

難しい課題や条件もありますが、そこがアイデアの見せどころ!
興味を持たれた方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※PFI(RO)方式:所有権は公共が持ったままで、事業者が資金調達をし、施設の改修 (Rehabilitate)を行い、その施設の維持管理・運営(Operate)をする方式

PROFILE

松田 東子

株式会社スピーク/公共R不動産。1986年生まれ。一橋大学社会学部卒業後、大成建設にてPFI関連業務に従事。2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。スピークでは「トライアルステイ」による移住促進プロジェクトに携わる。2017年から2020年までロンドン在住。2021年University College London MSc Urban Studies 修了。

連載

すべての連載へ

公共R不動産の本のご紹介

クリエイティブな公共発注のための『公募要項作成ガイドブック』

公共R不動産のウェブ連載『クリエイティブな公共発注を考えてみた by PPP妄想研究会』から、初のスピンオフ企画として制作された『公募要項作成ガイドブック』。その名の通り、遊休公共施設を活用するために、どんな発注をすればよいのか?公募要項の例文とともに、そのベースとなる考え方と、ポイント解説を盛り込みました。
自治体の皆さんには、このガイドブックを参照しながら公募要項を作成していただければ、日本中のどんなまちの遊休施設でも、おもしろい活用に向けての第一歩が踏み出せるはず!という期待のもと、妄想研究会メンバーもわくわくしながらこのガイドブックを世の中に送り出します。ぜひぜひ、ご活用ください!

もっと詳しく 

すべての本へ