リトル沖縄 Part2 海中道路を望む
与那城庁舎

庁舎外観。なんとなく船みたい?

海中道路、といっても海中トンネルではありません

多様な地域資源の魅力がギュッと詰まった「リトル沖縄」ともいわれるうるま市。東海岸ではちゃ〜んと離島も楽しめます。海中道路は、うるま市の4つの島(浜比嘉島、平安座島、宮城島、伊計島)を結ぶおおよそ5kmの道路。真っ青な海を真っ二つに割るように伸びる絶景のドライブコースです。車で最も手軽に行ける離島としても人気で、うるま市のシンボリックな存在ともなっています。

会議室がオーシャンビュー

今回アイディアを募集している施設は、その海中道路のスタート地点、与那城エリアの海辺にある与那城(よなしろ)庁舎。この庁舎のおすすめポイントはなんといっても一面オーシャンビューの会議室〜!…これはもう、仕事になりませんよね。庁舎にしておくのはもったいない!

そしておもしろいのが、高床式倉庫のような巨大ピロティ。日影をとるためなんでしょうか。なんとも風通しが良さそうで、南国感あふれています。

近隣観光地とつないで

立地としても、世界遺産である勝連城跡(かつれんじょうあと)から海中道路へ抜けていく通り道にあたり、観光施設としてのポテンシャルは高そうです。ちなみに海中道路の中ほどにあるという海の駅「あやはし館」には固く見積もって年間約21万人の観光客が来訪。勝連城跡の休憩所利用者数は約17.5万人といったところで、そこをターゲットにするのであれば、まあまあ市場としては成り立つのではないでしょうか。

スポーツ関連施設とつないで

Part1でご紹介している石川庁舎よろしく、こちらも周囲に運動公園があり、陸技場、多種目球技場、バスケット&テニスコートが整備されているので、それらと絡めた提案もアリとのこと。冬季には多くのプロ野球やプロサッカーチームが沖縄でキャンプをしているので、プロスポーツチームに特化したトレーニング&合宿施設なんかも需要がありそうですね。ヨガのリトリートなんかであれば、通年需要ありそうですし。

ちなみに、うるま市は沖縄でも有数のエイサーどころで、地区によって衣装や掛け声の違うエイサーが夏になるとそこかしこでみられるそうな。庁舎横の与那城総合公園は全地区が一堂に会するエイサーまつりの会場でもあり、春には、あやはし海中ロードレースのスタート地点になるという。うーん、観光ネタは尽きないですねぇ。どなたかこのポテンシャルを存分に活かしてくださる方。いらっしゃいませんか〜!(私はとにかく闘牛が見たい!)

Part1の石川庁舎とのセットでの提案も受付けております。

PROFILE

菊地 マリエ

公共R不動産/アフタヌーン・ソサイエティ。1984年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。日本政策投資銀行勤務、在勤中に東洋大学経済学部公民連携専攻修士課程修了。日本で最も美しい村連合特派員として日本一周後、2014年より公共R不動産の立ち上げに参画。現在はフリーランスで多くの公民連携プロジェクトに携わる。共著書に『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』。

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